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『十二人の怒れる男』の作品情報
監督・脚本 | 監督:シドニー・ルメット 脚本:レジナルド・ローズ |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 1957年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 1時間35分 |
補足情報 | 原題:12 Angry Men |
『十二人の怒れる男』のあらすじ
父親殺しの罪に問われている少年が死刑になるかどうかは、選ばれた12人の陪審員に委ねられた。
裁判終了後、一室で少年が「有罪」か「無罪」かを話し合うことになるが、11人が“有罪”と判断したのに対し、1人の男だけは“無罪”を主張する。
無罪派の男は、「一人の命をたった5分の議論で決めて間違っていたら?」と危惧し、1時間は話し合おうと提案する。
評決は12人全員の一致が条件のため、有罪派の11人は無罪派の1人を説得するため各々の考えを順番に述べ始めるーーー。
『十二人の怒れる男』のキャスト
- ヘンリー・フォンダ(陪審員8番)
- マーティン・バルサム(陪審員1番)
- ジョン・フィードラー(陪審員2番)
- リー・J・コッブ(陪審員3番)
- E・G・マーシャル(陪審員4番)
- ジャック・クラグマン(陪審員5番)
- エドワード・ビンズ(陪審員6番)
- ジャック・ウォーデン(陪審員7番)
- ジョセフ・スィーニー(陪審員9番)
- エド・ベグリー(陪審員10番)
- ジョージ・ヴォスコヴェック(陪審員11番)
- ロバート・ウェッバー(陪審員12番)
『十二人の怒れる男』の感想・ネタバレ

不朽の名作と言われている理由がはっきりとわかるほどの名作法廷ドラマ映画
父親殺しの少年の判決を巡って、12人の陪審員が「有罪」か「無罪」かを激しく討論する法廷ドラマ映画。
映画内で行われているのはほぼ密室での話し合いのみなのに個性豊かな俳優陣のおかげですごく面白くて、不朽の名作と言われている理由がはっきりわかるほどでした。
アメリカの陪審員裁判は州にもよりますが、基本的には12人全員の一致が必要です。
さらに、議論ではプロの裁判官の助言は一切聞けず、素人の自分たちのみで有罪か無罪かを判断しなければなりません。
しかも今回の裁判で有罪になると被告の少年が電気椅子送りの死刑になることは確定しているため、少年の命を自分たちが握っていることになります。
少年を死刑にするかどうかの1/12の権利を自分が持っているみたいなものです。
この作品では11人の陪審員が「有罪」、1人の陪審員が「無罪」と判断したことから、有罪派の11人が無罪派の1人を説得するところから物語が本格的に始まります。
有罪派の11人からしたら「こいつ1人が有罪に変えればこの話はすぐに終わるのに…」といった感じです。
無罪派の1人はそんな彼らの視線も空気も感じ取りながら、自分も少年が無罪かどうかの確信はなく、少年の話(おそらく自分は犯人じゃないということ)を信じているわけでもないですが、「たった5分の議論で人の生死を決めて間違ってたら?」という理由で1時間は話し合いを続けようと提案します。
無罪派の言い分もわかりますが、状況や証拠、目撃者の証言から少年が父親を殺した可能性が高いと判断した有罪派の言い分もわかります。
さらに言ってしまえば、いくら命が掛かっているとはいえ、他人のために時間を割きたくないという気持ちもあるでしょうし、なんならさっさと話を終わらせて帰りたいという気持ちが強そうです。
それでも有罪か無罪かの判断には全員一致が条件なのでとりあえず議論はスタートしますが、その議論を通して、各々がなぜ少年を有罪と判断したのか、この裁判にどれだけ真面目に向き合っているのか、いまの自分の立場や地位、育った環境や性格、偏見や固定観念の違いなどが少しずつ明らかになっていきます。
そして、その些細な違いから事件の矛盾・ほころびが生まれ、有罪派が無罪派に変わったりと、議論が活性化して事件の詳細が浮かび上がってきたり、人の考えが変化する様子がとても面白かったです。