この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
『JUNK HEAD』の作品情報
監督・脚本 | 監督:堀貴秀 制作メンバー:堀貴秀/杉山雄治/牧野謙/三宅敦子 |
ジャンル | アニメ |
製作年 | 2017年 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 1時間41分 |
補足情報 | – |
『JUNK HEAD』のあらすじ
地球では環境破壊のせいで生態系が崩壊、地上は人が住めないほど汚染され、人類は生活圏を地下に移そうとしていた。
地下開発の労働力として知的生命体「マリガン」を創造するが、やがて彼らが人類に反乱を起こす。
120年間の戦争が続いた後、2つの種は停戦協定を結び、人類は地表から3000m以内を生活圏とし、マリガンは地表よりも深い地下世界を支配することが決まった。
それから1600年ーーー人類は遺伝子操作により生殖機能と引き換えに“老化”を止めることに成功し、不死に近い命を得ることができたが、新種のウイルスが猛威を振るい人口の30%がしてしまう。
そんな中、地下に生息するマリガンに生殖機能を取り戻す手がかりを見つけた人類は、地下の調査のために調査員を送り込む。
『JUNK HEAD』のキャスト
- バートン(堀貴秀)
- 3バカ兄弟(堀貴秀)
- ドクター・ルーチー(堀貴秀)
- ニコ(三宅敦子)
『JUNK HEAD』の感想・評価

監督がほぼ1人で7年の歳月をかけて作り上げたストップモーション・アニメ映画
生殖機能と引き換えに不老不死を手に入れた人類だったが、新種のウイルスにより人類存続の危機に陥り、過去に開発した人工生命体「マリガン」に生殖能力を取り戻すヒントを見つけて彼らが住む地下の調査に乗り出すストップモーション・アニメーション映画で、監督の堀貴秀さんがほぼ1人で7年かけて作り上げた長編作。
ストップモーション・アニメと言えば、パッと思いつくのも見たことがあるのもピングーだけど、そのイメージで見始めたから映像の質感も迫力も滑らかさも子供の頃の記憶とは段違いのクオリティの高さでとても驚いた。
俯瞰で見た建物全体の映像はSF感満載の雰囲気が漂い、キャラクターが動く地下空間では生の質感や異質な不気味さが感じられて、その独特な世界観に終始引き込まれる。
見た目も動きももちろん人形っぽさを感じるときはあるんだけど、ずっと見ているとぎこちない動きすらもそういう動き方をする実在する生命体のように思えてくるのは、まさに情熱によってキャラクターに命が吹き込まれているからなのかもしれない。
登場人物の見た目も様々で、味方はモグラみたいな形状だったり、キューピーちゃんをちょっと気持ち悪くした見た目だったり、人型で知能があるエイリアンっぽい見た目の者が多く、決して可愛いとは言い難いけれど、見ているととても愛着が湧いてくる。
敵のモンスター(マリガン)から逃げるシーン、捕食シーン、戦闘シーン、どれも見ごたえがあって迫力があるのも魅力の一つ。
ストーリーもしっかりとあって面白いんだけど、映画を観終わった後にウィキペディアなどで詳しい作品設定とあらすじを見るとよりこの映画を楽しむことができた。
映像の綺麗さやCG技術が進化した現代で、あえて人形の一つ一つを手で動かしながらコマ撮り撮影をする「ストップモーション・アニメーション」を選んだことも、独学でほぼ一人で作り上げたことも、7年の歳月をかけたことなど堀貴秀監督の情熱を超えた狂気を感じられる素晴らしい映画でした。