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『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』の作品情報
監督・脚本 | 監督:オリオル・パウロ 脚本:オリオル・パウロ |
ジャンル | ミステリー |
製作年 | 2016年 |
製作国 | スペイン |
上映時間 | 1時間46分 |
補足情報 | 英題:The Invisible Guest 原題:Contratiempo |
『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』のあらすじ
不倫相手・ローラの殺人容疑で起訴されている実業家・ドリアの元に、敏腕弁護人であるグッドマンが訪ねてくる。
事件の新たな証言者が出てきたことで、3時間後に行われる法廷での審理開始までに反証の準備をしなければならなくなった2人は、事件の再検証を進めることに。
事件はドリアの家から300kmも離れた山奥のホテルの一室で起こり、警察が部屋に踏み込んだときにいたのはドリアだけ、ドアと窓の鍵も完全に閉められていて、部屋の外に誰かが出て行った形跡も目撃者もいなく、完全に密室の状態だった。
この状況から何とかドリアが犯人ではないという状況を作り上げて行こうとするが、ドリアにはグッドマンにも告げていないある秘密があったーーー。
『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』のキャスト
- マリオ・カサス
- アナ・ワヘネル
- ホセ・コロナド
- バルバラ・レニー
- フランセスク・オレーリャ
- パコ・トウス
- デヴィッド・セルバス
『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』の感想・ネタバレ

レビュータイトル
密室殺人事件の容疑者の男とその弁護人が、ありもしない事実を作り上げて無罪を勝ち取ろうとする話。
この作品がオリジナルとして、イタリア版「インビジブル・ウィットネス 見えない目撃者」、韓国版「告白、あるいは完璧な弁護」リメイクされています。
物語は新たな証言者が出てきたことで容疑者も裁判に呼ばれることになり、証言者が誰なのかの予想と証言する内容の推測、それに対するきちんとした反論をたったの3時間で用意しなければならないところから始まります。
ホテルの一室で容疑者の男と弁護人の対話と回想により物語が進みますが、殺されたのは同じホテルにいた容疑者の不倫相手である女性で、部屋は密室、目撃者もいないので真実を知ってるのは容疑者本人のみです。
なので、基本的には容疑者の男の話を信じるしかないのですが、男は何かを隠しているようでどうにも真実を話しているようには思えません。
弁護人からしたら、ここで嘘をつかれた話を鵜呑みにした状態で反論を用意してしまうと、証言者の証言との矛盾が生じてそこを突かれたらまずいので、話の矛盾点をどんどん指摘していき、男から真実を引き出そうとします。
弁護人は依頼人である容疑者を守るためには真実を知る必要があり、おそらく保身のために何かを隠している男を追及するシーンは、まるで容疑者vs敵側の弁護人が対立しているようなヒリヒリ感があって面白いです。
ここでは容疑者と弁護人の対話のみが真実で、それ以外の目に見えているものは容疑者の証言の再現映像、もしくは「こういうことがあったと嘘の証言をしたらどういう矛盾が出てくるか?」の仮説検証映像な上に、男の二転三転していく話にどれを信じたらいいのかわからなくなるため、どこまでが嘘なのか、その嘘によって本当は何を隠したいのか?とわからなくなってくるのはミステリーとして見ごたえがあります。
どこまでが嘘で本当なのかを色々なパターンで想像しながら観ていましたが、予想できた部分もあり、予想できなかった部分もあって、最後までどうなるかをうまく隠していたのもお見事だと思いました。
ただ、ネタバレになるからほとんど何も言えませんが、きっとそこを明らかにしてしまったら映画が長くなるのか、一瞬で真実がバレてしまうからかわかりませんが、裏の努力とか裏側で起こったことを意図的に隠したことで、重要な部分に無理が出てしまったのはちょっと惜しいなと感じます。
その点を除けば、総合的にすごく良いミステリー映画だったと思います。