【感想・評価】映画『プラトーン』ベトナム戦争の厳しい現実を生々しく描いた戦争映画【★4.0】

【感想・評価】映画『プラトーン』ベトナム戦争の厳しい現実を生々しく描いた戦争映画【★4.0】

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『プラトーン』の作品情報

監督・脚本監督:オリヴァー・ストーン
脚本:オリヴァー・ストーン
ジャンル戦争、アクション
製作年1986年
製作国アメリカ
上映時間2時間
補足情報原題:Platoon

『プラトーン』のあらすじ

1967年、大学を中退してまでアメリカ陸軍に志願したクリス・テイラー(チャーリー・シーン)は、カンボジア国境付近の南ベトナムに駐屯する第 25 歩兵師団の歩兵小隊に配属される。
その小隊では、若き小隊長・ウォルフ中尉を差し置いて、屈強で戦闘狂のバーンズ軍曹と、善良で平和的なエリアス軍曹が仕切っていた。
ある日、北ベトナム軍部隊への待ち伏せのため夜間のジャングルで息を潜めていると、敵軍のパトロール部隊と遭遇し短い銃撃戦となる。
そこでもう一人の新兵・ガードナーは死亡し、テイラーも負傷してしまい、入隊してすぐ戦争の過酷な現実を突きつけられることになるーーー。

『プラトーン』のキャスト

  • チャーリー・シーン(クリス・テイラー)
  • トム・ベレンジャー(ボブ・バーンズ)
  • ウィレム・デフォー(ゴードン・エリアス)
  • ケヴィン・ディロン(バニー)
  • フォレスト・ウィテカー(ビッグ・ハロルド)
  • フランチェスコ・クイン(ラー)
  • ジョン・C・マッギンレー(レッド・オニール)
  • キース・デヴィッド(キング)
  • デイル・ダイ(ハリス大尉)
  • ジョニー・デップ(ガーター・ラーナー)
  • リチャード・エドソン(サル)
  • ポール・サンチェス(ドク)

『プラトーン』の感想・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

ベトナム戦争の厳しい現実を生々しく描いた戦争映画


ベトナム戦争から帰還したアメリカ兵オリバー・ストーンが、自らの実体験を基にベトナム戦争の厳しい現実を生々しく描いた戦争映画。

基本的に戦争映画は負の側面を描くことは少なかったり、「彼らの犠牲の上にいまの平和は成り立っている」みたいな、ちょっとした美談みたいに語られることが多い印象だけど、この映画は監督の実体験を基にただただ戦争の過酷な現実や負の側面をしっかりと描いているという感じを受けた。

ベトナムの雨季で常にずぶ濡れの状態でいつ敵が現れるかわからない恐怖と戦いながらジャングルを進軍したり、暗闇の中で敵兵に待ち伏せされて激しい銃撃を受けたり、同じ時期に配属された年の近い同胞があっけなく死んでしまったりと、古い映画特有の画質の荒々しさもあり、戦争の生々しい過酷さが画面から伝わってくる。

戦争の隊員内では麻薬が蔓延していたり、小隊内の男たちで派閥が生まれて衝突していたり、無抵抗の現地にいるベトナム人が殺されたり強姦されたり住処を奪われたりと、自分たちは何と戦っているのか、この戦いはいつ終わるのだろうかという終わりの見えない極限状態の中で正気を保てなくなっている兵士たちの姿も、最初から最後まで映し出されていた。

何も知らない純粋で頼りない若き志願兵のクリス・テイラーも、映画が終わる頃にはまるでベテラン戦士のような風格が漂い、良くも悪くも戦争が人を変えるということなのかもしれない。

ラストの味方と敵でできた死体の山が映し出されるシーンでは、ただ人がたくさん死んだだけで何も変わっていないという、戦争の虚しさを痛感する良い終わり方だった。

戦争の負の側面を実体験からこれでもかと描いた、丁寧で堅実でリアルな戦争映画でした。

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