【映画感想・レビュー】映画『THE FIRST SLAM DUNK』あの山王戦が最新技術で蘇える!

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映画『THE FIRST SLAM DUNK』の作品情報

監督・脚本監督:井上雄彦
脚本:井上雄彦
出演者仲村宗悟
笠間淳
神尾晋一郎
木村昴
三宅健太
ジャンルアニメ、スポーツ
製作年2022年
製作国日本
上映時間2時間4分
補足情報原作漫画:井上雄彦井上雄彦『スラムダンク』

映画『THE FIRST SLAM DUNK』のあらすじ・内容

神奈川県立湘北高校バスケットボール部は、広島県で行われるインターハイの第1回戦で、大高不代表の豊玉高校と対戦し、見事勝利を収める。
続く第2回戦では、インターハイで3連覇を果たした秋田県代表校の山王工業高校と対戦するーーー。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3)

あの山王戦が最新技術で蘇える!


●良かったところ
オープニングのラフ画のキャラクターが動くところから始まり、色付いて試合が始まる演出は鳥肌、3DCGを使ったリアルな色味と質感にバスケットのスピード感が楽しめる滑らかな動き、ボールが床を叩く音やバスケットシューズが擦れる音、激しいコンタクトがあった場合の体のぶつかる音や息遣いもリアルで良かったし、BGMもその流れるタイミングもめちゃくちゃカッコよかった。
原作を読んでいた勢としては、あの湘北VS山王の戦いが映像で見られることに感動を覚える。

●悪かったところ
『スラムダンク』というよりは『宮城リョータ物語』という感じで、原作にはなかった宮城リョータのエピソードがたくさん登場するけど、いまいち噛み合ってなかった印象。

兄の死とか家族愛みたいな話が出てくる割に、それらが宮城に何か影響を与えている感じでもなかったし、なんというか、ワンピースで言うと本編マンガに“ウタ”の回想が入ってくるんだけど、その回想の後に登場人物たちは一切ウタの存在に触れずに、何事もなかったように物語が進行していく違和感。

言葉を選ばずに言えば、取ってつけたようなエピソードがいきなり本編に割り込んできた異物感と言うか。
正直、あのエピソードいる?って感じ。
その回想が試合の途中にめちゃくちゃ差し込まれるため、試合のスピード感・テンポ感が台無しだった。

映画では原作のセリフとかキャラクターの感情とかストーリー展開を削ったりして、スタイリッシュな試合を見せることでスピード感を出したかったのかなと思いきや、エピソードでそれらが台無しになってたから、どういう感じに映画を作りたかったのかがいまいちわからなかった。

試合のスピード感は欲しい、けど宮城をメインにしたエピソードを盛り込むことで物語の深みも出したいと良くばった結果、チグハグになっちゃった感じがした。
せっかく3DCGで滑らかでリアルなバスケットが楽しめていたのに、余計なストーリーが差し込まれたことでちょいちょい熱が冷めちゃってた。
これなら、最初に宮城のエピソードをガッとやった方が良かったと思う。
ただ、エピソードの内容的に試合の間に挟み込まれるように作られていただろうから、最初に一気にやるのは難しいんだろうけど…

原作も監督も脚本も井上雄彦先生だし、テレビアニメの方は先生は納得していなかったという話があるからか、この『THE FIRST SLAM DUNK』を批判すると、「本人が作った以上、これが本物だ!」みたいな意見が上映された頃にあった気がする。
だけど正直に言うと、マンガが面白いからと言ってその人が映画を作った時に同じように面白くなるかは別なんだと思った。
監督も脚本もアニメ映画を作るのが上手い人が一緒に加わっていれば、また違った感じになったのかもしれない。