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『ローマに消えた男』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ロベルト・アンドー 脚本:ロベルト・アンドー |
ジャンル | ドラマ、サスペンス |
製作年 | 2013年 |
製作国 | イタリア |
上映時間 | 1時間34分 |
補足情報 | 原題:Viva la libertà |
『ローマに消えた男』のあらすじ
イタリア統一選挙が迫る中、支持率低迷に悩むイタリア最大の野党の党首・エンリコ(トニ・セルヴィッロ)が、突如ローマから失踪する。
党首と連絡が取れず焦っていた腹心の部下・アンドレア(ヴァレリオ・マスタンドレア)は、とりあえずの時間稼ぎのために、エンリコの双子の弟・ジョバンニ(トニ・セルヴィッロ)を替え玉として起用する。
すると、彼のユーモアに富んだ言葉や堂々とした立ち振る舞いに、徐々にメディアや市民が惹かれ始めていく。
一方その頃、失踪したエンリコは、パリに住む元恋人・ダニエル(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)の元を訪れていたーーー。
『ローマに消えた男』のキャスト
- トニ・セルヴィッロ
- ヴァレリオ・マスタンドレア
- ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
- ミケーラ・チェスコン
『ローマに消えた男』の感想・評価
突然失踪した政治家の代わりに抜擢されたのは双子の兄だった
支持率低迷に悩んでいる中で突然いなくなった真面目で落ち着いた政治家の代わりに、代役としてお喋りでユーモアのある双子の兄が抜擢されると、たちまちメディアや市民の人気者になっていく話。
似たような設定のアメリカのコメディ映画「デーヴ」のイタリア版コメディ映画って感じなのかな~と思っていたら、シリアスな雰囲気で淡々と物語が進むタイプの映画だった。
面白くないわけじゃないんだけど、勝手にイタリアらしいコメディを期待してたからちょっと残念。
たまに皮肉が効いたブラックジョークが面白いくらいかな。
誰にも入れ替わってるのを疑われないのはご都合主義のように感じたけど、一応子供の頃から今回みたいにお互いを入れ替えるみたいな遊びをしてたみたいだから、そのご都合主義にもギリギリ納得。
だけどやっぱり「さすがに人が変わり過ぎじゃないか?」みたいな疑いを持つ人物がいても良かったと思う。
もしくは、緊急時で仕方がなく双子の兄を替え玉として用意したけど、実は裏で双子が示し合わせていて、子供の頃に行っていた「入れ替えゲーム(勝手に命名)」を国規模でやってのけてしまうみたいな方が個人的には好みだったかな。
あと、やたら「イタリアはいま闇の中にいる」みたいなこと強調してたけど、そこら辺がよくわからなかったから、終盤のジョバンニの演説で民衆が心動かされる!という展開もあんまり響かなかった。
それと、演説前のシーンで民衆と交流して親しみのある政治家として振舞っている様子がダイジェストであったけど、もうちょっとそこを丁寧に作って欲しかった。
描きたいことを描いていたら時間がなくなったからとりあえず情報詰め込んじゃえ!みたいなノリに見えた。
まぁ、ラストの意味ありげな表情は良かったんだけど、視聴者に想像力を委ねすぎというか、自分が伏線を見逃してただけなのかな?
それまでにもうちょっと心情の変化を積み重ねていたら、ラストの余韻も違ったんだろうな。
話は変わって、真面目な政治家のエンリコと、替え玉でユーモアのあるジョバンニの双子をトニ・セルヴィッロという一人の俳優が演じてたけど、もう二重人格なんじゃないかと思うくらい全くの別人を演じ分けていて、その演技力の高さに驚かされる。
正確に言えば、エンリコのふりをしているジョバンニも演じているから一人三役になるのか。
トニ・セルヴィッロという俳優の名演技が見れただけでも良かったと思えた映画でした。
ちなみに、原題の『VIVA LA LIBERTA』は、「自由万歳!」みたいな意味です。