この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
『87分の1の人生』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ザック・ブラフ 脚本:ザック・ブラフ |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2023年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 2時間9分 |
補足情報 | 原題:A Good Person |
『87分の1の人生』のあらすじ
若き女性のアリソン(フローレンス・ピュー)は、高校の頃は人気者で、今では愛する婚約者・ネイサン(チナザ・ウチェ)がいて、友達もたくさんいて、順風満帆な人生を送っていた。
しかし、自分の不注意による交通事故で義姉と義兄の2人を同時に亡くしてしまい、自分自身も大怪我を負ってしまう。
それから1年後、婚約者のネイサンとは別れ、順調だった仕事もやめ、鎮痛剤に依存する堕落した毎日を過ごしていた。
そんなある日、偶然立ち寄った自助グループで、義父になる予定だったダニエル(モーガン・フリーマン)と出会う。
驚いてその場を立ち去ろうとするアリソンだったが、ダニエルに引き留められ、彼と同じ自助グループに通うことになるーーー。
『87分の1の人生』のキャスト
- フローレンス・ピュー(アリソン役)
- モーガン・フリーマン(ダニエル役)
- セレステ・オコナー(ライアン役)
- モリー・シャノン(ダイアン役)
- チナザ・ウチェ(ネイサン役)
『87分の1の人生』の感想・評価
交通事故で2人を死なせてしまった女性が自分の罪と向き合うまで
自分の不注意が原因の交通事故によって義姉と義兄の2人を亡くしてしまった女性が、鎮痛剤の依存や悲しみ、罪悪感と向き合いながら、それらを乗り越えて前に進んでいく話。
交通事故で2人を亡くした(というかほぼ死なせた)アリソンを演じたフローレンス・ピューの、幸せな日常から一転、悲劇により前を向いて人生を歩めなくなった女性の演技が良かった。
恋人のネイサンと別れたのも、人の幸せを奪った自分が幸せになってはいけないという思いからなのかな。
自分がスマホを見て事故を起こしてしまったのに、ぶつかってきたクレーン車のせいし続けているのは「なに人のせいにしてるんだよ、お前が死なせたんだろ」という見方もあるけど、あれも自分の心が押しつぶされないようにするための最後の抵抗だったのかも知れない。薬物に依存し続けるのもきっと同じ理由なんだと思う。
終始ダメ人間として描かれていたアリソンだったけど、そのダメ人間っぷりが十分伝わってきたから、良い演技だったんだなと観終わってから改めて思う。
娘を死なせた原因の相手をなんとか許そうとしたり、酒が原因で息子に暴力を振るってしまった過ちを断酒や自助グループに参加するダニエルを演じたモーガン・フリーマンは相変わらずの名演技だった。
87分の1の模型で自分の理想の人生を作ろうとする姿に、ちょっぴりグッと来た。そういう形で自分のつらかった過去を取り戻そうとしたのだろうか。
87分の1の模型の話は邦題だから仕方がないけど、ここのシーンもうちょっと見たかったな。
自分の罪と向き合うということ、人を許すことの難しさを教えてくれながら、人は必ずやり直せるという前向きなメッセージが伝わってくる良い映画でした。