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『アナザーラウンド』の作品情報
監督 | トマス・ヴィンターベア |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2020年 |
製作国 | デンマーク |
上映時間 | 1時間57分 |
補足情報 | 原題:Druk/Another Round |
『アナザーラウンド』のあらすじ
高校教師マーティン(マッツ・ミケルセン)は悩んでいた。
仕事では生徒とその保護者に授業の内容をダメ出しされ、プライベートでは妻や息子との距離を感じながら、冴えない日々を過ごしていた。
ある日、同僚3人との食事の席で、同僚の1人がノルウェー人の哲学者・フィンスコルドゥールが唱えたある理論を話し始める。
それは「人間の血中アルコール濃度は0.05%が理想」というものだった。
最初は場を盛り上げるための話に過ぎなかったが、仕事やプライベートに悩んでいたマーティンは、その理論をこっそりと試して授業をすることにした。
放課後、その話を聞いた同僚3人は、全員で本格的に実験をし心理学の論文にまとめることにした。
実験の目的は“飲酒”が心と言動に影響を及ぼす証拠を集めること、そして“仕事”の効率と意欲が向上するか調べることだった。その実験を通して、マーティンは授業の評価も良くなり、家族との関係も上手くいくようになる。
他の3人も、それぞれに良い影響が出始め、実験は成功したかのようにと見えたがーーー。
『アナザーラウンド』のキャスト
- マッツ・ミケルセン
- トマス・ボー・ラーセン
- マグナス・ミラン
- ラース・ランゼ
- マリア・ボネヴィー
『アナザーラウンド』の感想・評価
アルコールで酔って人生大逆転!?
「アルコールを飲んで酔った状態なら、物事が上手くいくんじゃね!?」という大学生が思いつきそうなことを、実際に試してみちゃう話(実際に提唱したのはノルウェー人の哲学者だけど)。
お酒を飲んだ経験がある人なら誰でも一度は、酔っぱらったハイの状態が引き起こす“無敵感”や“万能感”を感じたことはあるのではないでしょうか。
それはきっと、酔っぱらうことで緊張感が和らいだり、リラックスしたり、冷静になったりして得られるもの。
よく、ドラマや映画で「うじうじして好きな人に好きって言えない人が、お酒の力を借りて告白やプロポーズをする」みたいなシーンがあるけど、これはお酒によって緊張感が和らいだおかげで、思い切って自分の想いを伝えることができた一つの例だと思う。
実際に映画では、マーティンの人生がうまくいかなかった原因であろう、はっきりと自分の考えを言えなかったり、自分に自信がなかったり、真面目すぎたりする性格が、お酒によって好転していた。
「それは映画だから」ということではなく、お酒によって性格が変わって良くも悪くも人生が変わるということは現実にもきっとあると思う(酔っぱらった状態で授業をしたり、お酒を飲み過ぎて周りに悪影響を及ぼすのはもちろんダメだけど)。
最初は良かったけど、後半~ラストにかけての展開がなんか雑に感じたけど、“お酒の力”をテーマは面白いと思った。
お酒が好きな人や、お酒に酔って失敗したことがある人は共感できる部分が多いんじゃないかな。
ただ、まったくお酒を飲まない人には共感しづらいかもしれない。
ちょっとネタバレすると、おそらくこの映画はハッピーエンドでは終わってない。
こういう大量にアルコールを飲むとかアルコール依存症などのテーマの作品は、「お酒を飲むと幸せになれるぞ!」的に肯定したらいけないのかも知れない(ヒトラーなどのナチスが最後まで悪役として描かれるように)。
それにしても、相変わらずマッツの存在感はすごいね。
それゆえに、あんなイケオジがさえない人間なわけないって思っちゃったから、主人公に感情移入しにくかったな。
この映画の見どころは、その主人公のマッツがキレッキレでエレガントなダンスを披露するところ。
ちなみに、本作で語られていたノルウェー人の哲学者・フィンスコルドゥールという人物も、「血中アルコール濃度を常に0.05%に保てば、物事がうまくいくようになる」という理論も、実際に存在するようです。
それと、タイトルの『Druk』はデンマーク語で「大酒を飲む」という意味です。