【映画感想・レビュー】映画『axandax』人の価値が数値化され、数字が人間の価値を決めるようになった近未来

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映画『axandax』の作品情報

監督・脚本監督:二羽恵太
出演者谷英明
吉次レナ
鈴木永遠
津田三朗
羽鳥瑠花
中園ゆき
松島未采
ジャンルドラマ
製作年2020年
製作国日本
上映時間44分
補足情報

映画『axandax』のあらすじ・内容

個人の価値がデータとして数値化され、誰でも見られるようになった近未来。
人里離れた山奥で生活しているジン(谷英明)のもとに、出張カウンセラーのナオミ(吉次レナ)がやってくる。
初めは自分のことを打ち明けようとせず、個人価値が高いナオミに対して嫌味を吐くジンだったが、少しずつ彼女に心を開いていき、いまの生活に至るまでを徐々に語り始める・・・。

映画『axandax』の感想・レビュー

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3)

人の価値が数値化され、数字が人間の価値を決めるようになった近未来


人の価値が数値化され、数字が人間の価値を決めるようになった未来の日本が舞台。

テーマは面白いんだけど、“人の価値が数値化された世界”という設定を上手に活かしきれてなかったように感じた。
“44分”という短い時間で映画をまとめるために主人公に話の焦点を当て過ぎた結果、主人公の悩みや葛藤も「結局、数値化されようがされまいが現代とあまり変わらないよね?」という感想。

結局、現代でも人の価値(魅力)は、容姿・性格・学歴・資格・職業・収入などにより評価されているので、それらが明確に数値化されてないってだけで、映画の世界とさほど変わらないように思えるからいまいち世界観に入り込むことができなかった。

おそらく、2時間映画だと、“なぜ人の価値が数値化されるようになったのか”とか“それによって起きる社会問題・社会現象”とか“結局、人の価値は数字だけではわからないよね”という感じで、日本社会全体を巻き込んだ構造や展開になると思うんだけど、この映画ではそれらの話がが出来なかった分、少し面白さに欠けるかなという印象。

カウンセラー役の女性と主演の男性との演技の差も気になった。
女性のAIみたいな淡々とした喋り方と役が合っていれば良かったんだけど、ただ単に演技力不足に思えた。

あとは、マッチングした女性が“いい女風”の髪型と振舞い方なのも合っていなかったと思う。
主人公の価値数値ならもっと良い女性とマッチングできたはず。
いや、あの女性が主人公と同じくらいの数値なのかも知れないけど、パッと見では釣り合っているようには思えなかったし、自分の価値向上に貪欲な主人公のことも考えると、観客にわかりやすく主人公の性格や価値向上のメリットを提示するためにも“わかりやすい美人”をキャスティングした方が良かったと思う。
あと、個人情報ガバガバで他人の個人価値が見れちゃうところで笑ってしまったが、調べていくと“誰でも見られる”という設定っぽい。

この映画の世界だろうが現代だろうが、自分の価値や幸せは人と比べずに自分で決めましょうということを言いたかったのだろうか。

とりあえず全体的に設定の説明不足だし、説明なんて野暮なことはせずに映像の中で感じてもらおうという趣旨であればいまいち伝わらなかったし、とりあえず設定の勢いだけで押し切ったような映画でした。雰囲気は悪くなかったです。