【映画感想・レビュー】映画『ちょっと思い出しただけ』同じ日の6年間を遡っていくラブロマンス

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映画『ちょっと思い出しただけ』作品情報

監督・脚本監督:松居大悟
脚本:松居大悟
出演者池松壮亮
伊藤沙莉
河合優実
大関れいか
屋敷裕政
尾崎世界観
渋川清彦
松浦祐也
篠原篤
安斉かれん
郭智博
広瀬斗史輝
山﨑将平
細井鼓太
成田凌
市川実和子
高岡早紀
神野三鈴
菅田俊
鈴木慶一
國村隼
永瀬正敏
ジャンルロマンス
製作年2022年
製作国日本
上映時間1時間55分
補足情報

映画『ちょっと思い出しただけ』あらすじ・内容

2021年7月26日、この日34回目の誕生日を迎えた男は、日課であるラジオ体操を一人で行っていた。
怪我でダンサーの道を諦めた佐伯照生(池松壮亮)とタクシードライバーの葉(伊藤沙莉)。
既に別れてしまった男女2人の6年間に及ぶ恋愛模様を、佐伯照生の誕生日である“7月26日”の1日のみを遡って描いていくーーー。

映画『ちょっと思い出しただけ』の感想・レビュー

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

同じ日の6年間を遡っていくラブロマンス


特に大きな出来事があるわけではなく、ただただ一組の男女の同じ日の6年間を終わりから始まりへと遡っていくタイプのラブロマンスです。

映画を観る前に映画をちゃんと楽しみたいという人向けに時系列を簡単に説明すると、1が物語の始まりで10が物語の終わりだとすると、最初のシーンは9→9.5に向かうまでの話、そこから場面転換があり8→9に向かう話、次からは7→8、6→7という感じで話が進み、ラストは最初のシーンに戻り9.5→10に進んで物語が終わるという感じになります。

ここら辺の前提を把握してないと、ちょっと物語がごちゃごちゃしているように見えるかもしれないです。
過去に戻ってから現在に向かって話が進むのを繰り返すだけで、時系列がぐちゃぐちゃというわけではないのですが、物語の進む順番が7→8→6→7→5→6という感じで一気に2年分話が戻ったようなギミックになっているので、混乱するかもしれません。

内容の話をすると、最初のシーンで2人が別れたことは既に描かれているので、「じゃあ、なんで別れるという結果になったのだろうか?」と疑問を持ちながら次のシーンに移ります。
次は、男の人がケガをしてダンスを辞めたことがわかるが、「じゃあ、どうしてケガをしたのだろう」という疑問を持ちながら次のシーンに移ります。
そんな感じの流れで過去へ過去へと遡っていくため、主人公と一緒に思い出を振り返っていく感じは見ていて心地良かったです。

ただ、最後の結末を知った状態で見るのは胸が苦しく切ない気持ちになります。
過去に遡っていくうちに幸せな二人の姿、幸せな思い出が増えていくので、「幸せそうだな~」と微笑ましくなる一方、その時はとても幸せで楽しそうなのに、結局別れてしまうんだよな~って気持ちで観なきゃいけないのは、映画としては面白いですが観る側にとってはつらく残酷な展開だなと感じました。

主演の2人の池松壮亮さんと伊藤沙莉の演技は、台本なしでほとんどアドリブなんじゃないかと思えるくらい自然で、それだけに本当に実在していた男女の物語を見ているみたい。
表情や振る舞いもそうだけど、セリフとか言い回しとか空気感で2人の関係性がはっきりと感じられるのがとても良かった。

『ちょっと思い出しただけ』って良いタイトルだよな~。
思い出した期間は6年分なんだけど、思い出してる時間は一瞬で、そういう意味でも“ちょっと”だし、“ちょっと待って”みたいに「少しだけ感傷に浸る時間をちょうだい」という意味の“ちょっと”にも感じられる。

話自体は誰もが経験するような恋愛話だけど、だからこそ自分の経験と照らし合わせて感傷的な気持ちにも懐かしい気持ちにもなれるし、誰もが経験するような恋愛話の中に、誰のものでもない自分だけの感情がそこにあって、うわぁ~って気持ちになる。
ノスタルジックな気持ちになるというのは、こういうことを言うのかな。

日常系の何気ない日常ややり取りを楽しめたり、じんわりと切なくなる感じの映画が好きな人にはおすすめです。