【感想・ネタバレ】映画『バハールの涙』クルド人女性武装部隊“太陽の女たち”の物語【★4.0】

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『バハールの涙』作品情報

監督・脚本監督:エヴァ・ユッソン
脚本:エヴァ・ユッソン
出演者ゴルシフテ・ファラハニ
エマニュエル・ベルコ
エヴィン・アフマッド
ベヒ・ジャナティ・アタイ
ジャンルドラマ、アクション
製作年2018年
製作国フランス、スイス、ベルギー、ジョージア
上映時間1時間51分
補足情報原題:Les filles du soleil
英題:Girls of the Sun

『バハールの涙』あらすじ

女弁護士のバハール(ゴルシフテ・ファラハニ)は、夫と息子の3人で幸せに暮らしていた。
しかしある日、クルド人自治区の故郷の町が過激派組織「IS」に襲撃され、夫を含む男たちは皆殺しに、バハールたち女は性奴隷に、息子を含む子供たちは戦闘員として育てるためにさらわれてしまう。
その後も数回、奴隷として売られたバハールだったが、買い主の元からなんとか逃げ出すことに成功する。
そして、奪われた息子を取り戻すため、クルド人女性武装部隊“太陽の女たち”のリーダーとなり、「IS」と戦う日々を送っていたーーー。

『バハールの涙』の感想・レビュー

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

クルド人女性武装部隊“太陽の女たち”の物語


テロリスト・過激派組織「IS」によって一度は性奴隷の経験を持つ者達のみで構成された、クルド人女性武装部隊“太陽の女たち”の話。
実際に存在している彼女らの話。

女性視点の戦争映画というよりは、どちらかと言えばドキュメンタリードラマに近い感じの映画。
戦争映画のように銃でドンパチやるような展開を期待する人には刺さらず、いまも中東で起こっている現実を直視したい人にはおすすめ。

一瞬のシーンだったけど、町を過激派組織「IS」襲撃してきたところが特に印象的だった。
大人の男は当たり前のように殺され、大人の女性は性奴隷から飽きたら人身売買、子供の男の子は戦闘員として訓練させられ、子供の女の子も人身売買させられるという、信じがたいけど実際に起こっている事実を生々しく突きつけられる。

世界でもそうだし特に日本にいると、銃を持った武装組織・テロリストがいきなり自分が住んでいるところを襲撃してきて、一瞬で家族と引き離され、自分自身も今までの生活が一変するような経験をするなんてことはほぼないから、あのシーンは短いながらもとてもインパクトがあるものだった。

知ったからと言って何か力になれるわけではないのですが、彼女たちを含め、「いまもテロリストと戦っている人たちが同じ世界にいるんだ」ということを知るきっかけになる映画でした。

原題の『Les filles du soleil』は、“太陽の女たち”という意味で、バハール率いるクルド人女性武装部隊の部隊名です。