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『ボーダーライン』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 脚本:テイラー・シェリダン |
ジャンル | サスペンス、スリラー |
製作年 | 2015年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 2時間1分 |
補足情報 | 原題:Sicario |
『ボーダーライン』のあらすじ
アメリカ・アリゾナ州チャンドラー。
FBIの誘拐即応班のリーダーをしているケイト(エミリー・ブラント)は、チームと共に誘拐事件の容疑者宅を急襲し、敵に反撃されながらもなんとか制圧に成功する。
しかしそこで、壁の中に隠された数十体の腐乱した死体を発見、外では物置に仕掛けられた爆弾により警察官2名が死亡してしまう。
急襲後、ケイトは麻薬組織・ソノラカルテルを殲滅するための特殊部隊へとスカウトされ、今日の事件の首謀者を逮捕するためならと参加を決意するが、麻薬戦争の過酷な現実を目の当たりにするーーー。
『ボーダーライン』のキャスト
- エミリー・ブラント(FBI捜査官:ケイト・メイサー)
- ベニチオ・デル・トロ(アレハンドロ・ギリック)
- ジョシュ・ブローリン(マット・グレイヴァー)
- ダニエル・カルーヤ(FBI捜査官:レジー・ウェイン)
- ジョン・バーンサル(レジ―の友人の警察官:テッド)
- ジェフリー・ドノヴァン(スティーヴ・フォーシング)
- マキシミリアーノ・ヘルナンデス(シルヴィオ)
- ラオール・トゥルヒージョ(ラファエル)
- ロラ・ カニンガム
- エドガー・アレオラ(ソノラ幹部でマヌエルの兄:ギエルモ)
- ベルナルド・サラシーノ(ソノラ幹部でギエルモの弟:マヌエル・ディアス)
- フリオ・セサール・セディージョ(ソノラのボス:ファウスト・アラルコン)
『ボーダーライン』の感想・評価
麻薬戦争と善悪の境界線
メキシコの麻薬カルテルのリーダーを殺すために結成された政府の特別部隊、そこにスカウトされたFBI特別捜査官の物語。
アメリカとの国境付近でどんどん活動が激化していくメキシコの麻薬カルテル、その組織を殲滅するための特別部隊に誘拐即応班のリーダーをしているFBI特別捜査官のケイトが選ばれるが、部隊の過激なやり方に賛同できないながらも麻薬戦争の厳しい現実を突きつけられていく。
一方で、部隊に参加している謎のコロンビア人のアレハンドロは、民間人がたくさんいる中でもお構いなしに麻薬カルテルとの銃撃戦をするし、情報を引き出すためなら拷問や暴力もいとわない人間。
民間人を巻き込まず敵が撃ってきたら撃ち返す交戦規程に乗っ取ったやり方をしてきた理想主義的な考え方のケイトに対し、目的のためなら手段を選ばない現実主義的な考えのアレハンドロとの対比で、お互いが持つ理念がぶつかり合うことで熾烈な麻薬カルテルとの戦争の理想と現実が浮き彫りになる感じが良い。
全体的に演出も良くて、序盤のメキシコのシーンでは不穏なBGMや俯瞰で撮った町の映像、それに大量の車を映すだけで、ここにどれだけの悪意が潜んでいるかがよく伝わってくる。
銃撃戦があって人が死んだにも関わらず、騒ぐどころか車から出て様子を見ようとするメキシコ・フアレスの一般市民の姿は、普通の人の非日常な世界が彼らにとっての日常なんだと言うことを思い知らされる感じがした。
逆に橋から吊るされた遺体を映すことでメキシコの麻薬カルテルの残忍さをわかりやすく見せていて、あの光景はメキシコでは一般的だと知ってはいたけど、改めて見ると異常な光景だった。
それにしても、謎のコロンビア人を演じたベニチオ・デル・トロが素晴らしすぎて、彼なしではこの映画は成り立たなかったんじゃないかと思えるくらいの圧巻の演技で、激しく声を荒げることもなく静かに復讐に燃える姿はスリラー映画のような緊迫感を与えていた。というか、意味わからないくらい雰囲気が怖すぎる…。
この映画はシリーズ作品の1作目で、続編は2018年の『ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ』、3作目は2024年現在で制作中とのことなので、近いうちに続編も見てみたいと思う。