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10月末、山口県岩国市の公立中学校で、放課後、生徒が教室に忘れた学習用タブレット端末を教師が職員室に運び机に保管していたところ、何らかの原因で録音状態になっていた。
それに気づかず複数の教師が会話を始めたため、約4時間ほどの会話内容がタブレットに録音された。
翌日、この端末を返却された生徒が録音された音声を見つけ、10人程度の生徒の名前に気づき、その録音データを複数の生徒に送信。そのデータを受け取った1人の生徒がショックを受け、11月上旬から登校できなくなり、会話が録音されていた教師1人も出勤できなくなったという。
- 教師の会話の内容・タブレット端末の保管方法について
- 録音状態は意図的か?偶然か?
- 自分の端末に入っていた音声データを他の生徒に送信した生徒の処罰
学校でのタブレットトラブル問題その①:教師の行動に問題はあったのだろうか?
まずは、教師の行動に問題があったのかどうか考えていきたいと思う。
教師によるタブレット端末の保管方法
教師は、生徒が教室に忘れた学習用タブレット端末を職員室に運び、机に保管していた。
校長先生は「タブレット端末は本来、鍵のかかる保管庫に保管することになっており、職員室に置くべきではなかった」と言っている。
なので、この学校でのタブレット端末の保管ルールは「鍵のかかる保管庫に保管すること」になっている。
職員室内の会話が“タブレット端末による録音された”というイレギュラーな状況ではあるが、もし、教師がルールに従ってタブレット端末を保管していれば今回のようなことは起きなかったのかもしれない。
これからは、このルールを徹底しなければならないだろう。
教師の職員室での会話・会話内容
岩国市教育委員会・林隆之課長:「生徒指導上の情報、生徒に対する教諭の個人的な感情、こういったところの会話が含まれていた」
守山教育長:「不適切な内容と言われれば内容ですが、職員室の中では、色んな子どもの様子とか、色んなことを話すのが常でありますので」
参考:職員室の“会話漏れ” 忘れ物タブレットから…中学生がショックで“不登校”(2022年11月18日)
このような内容が会見の中に出てきた。
まずは、職員室という場において生徒の情報を教師間で共有すること自体は日常的に行われているだろうし、それ自体は問題がないことだろう。
生徒に対する個人的な感情を吐き出すこともあるだろう。
これが仮に
- 職員室内で、生徒が近くにいる状況
- 教室や玄関など明らかに生徒がいそうな場所
などで、「生活指導上の情報のようなプライベートな内容」や「教師の生徒に対する個人的な感情」を話していれば教師の“不注意”ということで、教師に落ち度があると言わざるをえないので、対応としては「会話する場所・会話の内容」には気をつけましょうということになる。
ただ、音声データを受け取った生徒1人が不登校になったということで、「会話の内容が不適切だったんじゃないか?」といった声はあるが、具体的な会話の内容自体がわからないためそこは何とも言えない。
会話の内容が明らかに生徒に対する悪口や誹謗中傷だったりする場合は言った教師側に問題があるが、ある程度の常識の範囲内で仕事のために教師間で生徒の情報を共有することは問題ないはずだ。
どちらかと言えば「録音した生徒」そして「その録音データを複数の生徒に送った生徒」にお咎めがあるべきだろう。
学校でのタブレットトラブル問題その②:録音した生徒への処分はどうする?
「タブレットが何らかの原因で録音状態になっていた」とあるが、操作もなしに勝手に録音状態になるということはとても考えにくいので、いたずら目的か興味本位かわからないが、タブレット端末の所有者が意図的に録音したようにも思える。
ただ、それを実際に証明する手段はなく、もし学習に必要なアプリ以外をインストールするのが禁止だとしても、「誰かに勝手にインストールされた」と言われればそれまで、事前に入っていた録音アプリを使ったとしても「誰かに録音ボタンを押した」「何もしてないのに勝手に起動した」などと言われれば、それ以上は何も言えなくなってしまう(もちろん、本当に勝手に録音状態になった可能性もある)。
ただ、「録音データを送信する」ということを行った生徒はほぼ明らかであるため、その生徒には何らかの処分・注意はあるべきだろう。
学校でのタブレットトラブル問題その③:今後の学校の対応について
今後のタブレットの扱いについての学校の対応はどうすればいいのだろうか?
これからの教師側の対応
- 職員室において、教師間で生徒の情報を共有するのはこれまで通り問題ない。ただし周りに聞いている生徒がいないか注意し、生徒の悪口や誹謗愁傷などの個人攻撃は絶対に禁止。
- タブレット保管のルールの再確認・電源を切り指定の場所に保管することを徹底する。
対応としてはこれくらいだろうか
生徒側への対応
- 決められたアプリ以外を勝手にインストールするのを禁止
- 学習に不必要なタブレット端末の操作を禁止
- 他人に自分の端末を操作させるのは基本的に禁止(パスワード教えるのも不可)
- 違反した生徒への処分内容も通知
などの対応をし、改めてタブレット端末操作のルール確認をしたほうがいいだろう。
学校でのタブレットトラブル問題まとめ:学校全体で“タブレット端末の扱いについてのルール”を見直した方がいい
もし“どこにいても常に会話が録音されているかもしれない”という職場環境だったら、教師の精神的負担があまりにも大きすぎる。
もちろんそれによって暴言・暴力などが抑止されることもあるかもしれないが、そのような理不尽な行動をする教師は極極一部であると考えられるので、まっとうに仕事をしている大半の教師が精神的に負担を感じる状況はとても好ましくない。
今回の一件によって、教師側や生徒側はもちろん、学校全体や家庭でも「タブレット端末の扱いについて」のルールをいま一度見直してみたほうがいいことだろう。