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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の作品情報
監督・脚本 | 監督:クエンティン・タランティーノ 脚本:クエンティン・タランティーノ |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2019年 |
製作国 | アメリカ、イギリス |
上映時間 | 2時間39分 |
補足情報 | 原題:Once Upon a Time In Hollywood |
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のあらすじ
1960年代のアメリカ、かつて西部劇を中心にテレビドラマで人気だったリック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、いまでは悪役としての単発出演の仕事しかなく、昔のような輝きはすっかり失っていた。
リックの親友で専属スタントマンのクリフ・ブース(ブラッド・ピット)も、時代の流れや年を取ったことに加え、過去に自信が起こしたトラブルもあって、リックの世話係としての日々を送っていた。
そんなある日、リックの隣に人気映画監督のロマン・ポランスキー(ラファル・ザビエルチャ)と、妻で若手女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻が引っ越してくる。
自分たちとは対照的な二人の輝きに触れたリックは、再び俳優として活躍しようと奮闘するがーーー。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のキャスト
- レオナルド・ディカプリオ(リック・ダルトン)
- ブラッド・ピット(クリフ・ブース)
- マーゴット・ロビー(シャロン・テート)
- ロマン・ポランスキー(ラファル・ザビエルチャ)
- エミール・ハーシュ(ジェイ・シブリング)
- マーガレット・クアリー(プッシーキャット)
- ティモシー・オリファント(ジェームズ・ステイシー)
- ジュリア・バターズ(トルーディ・フレイザー)
- オースティン・バトラー(テックス)
- ダコタ・ファニング(スクィーキー)
- ブルース・ダーン(ジョージ・スパーン)
- ルーク・ペリー(ウェイン・モウンダー)
- ダミアン・ルイス(スティーブ・マックイーン)
- アル・パチーノ(マーヴィン・シュワーズ)
- ニコラス・ハモンド(サム・ワナメイカー)
- マヤ・サーマン=ホーク(フラワー・チャイルド)
- カート・ラッセル(ランディ・ミラー)
- マイキー・マディソン(セイディ)
- シドニー・スウィーニー(スネーク)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の感想・評価
かつてのテレビスターが再び栄光を取り戻すために奮闘する
かつて西部劇を中心にテレビドラマで人気だったスターと、その親友で専属スタントマンの男が、あの輝きを再び取り戻そうと奮闘する話。
落ちぶれた元テレビスター役をレオナルド・ディカプリオが演じるということで、いまも昔も人気のレオ様がそんなことになるわけがないし、スターの雰囲気が全身から溢れ出していて「この役演じることできるの?オーラ出過ぎじゃない?」と思っていた。
だけど、映画プロデューサーからイタリアの西部劇映画への出演を勧められると、プライドからか誘いを断り、そして実力・人気的に自分がもうハリウッドではやっていけない現実を突きつけられ、親友で専属スタントマンのクリフに泣きつくシーンは情けなさ過ぎて、そのシーンで、完全にあの名俳優レオナルド・ディカプリオの姿は消え去って、どこからどう見ても落ち目の俳優リック・ダルトンにしか見えなくなっていた。
その後も、自分の過去の栄光を噛み締めるように自分の過去の映像を繰り返し見ていたり、自分の家の隣に今をときめく映画監督が引っ越して来たら「運よく出演させてもらえるかも!」と舞い上がったり、共演する8歳の女の子の隣で泣き出したり、前夜の深酒のせいで本番中にセリフを忘れた自分を情けなく時には激しく責めたりして、残念な姿を映画を見ている人たちに晒しまくる。
それを経て、かつての演技を超えるような名シーンを作り出した瞬間と、その時のリックの涙を滲ませた表情は心にグッと来るすごく良いシーンだった。
リックの親友で専属のスタントマンのクリフ役を演じたブラッド・ピッドもめちゃくちゃカッコいい。
泣き出すクリフに自分のサングラスをかけさせて情けない姿を周りの人に見せないようにしたり、付き人として周りの世話をしたり、言葉で鼓舞して奮い立たせようとしたり、完全にクリフとは真逆の人間を演じていて、お互いがお互いの良さを引き立て合っていた。
この映画は、序盤のテンポはすごく悪くてディカプリオとブラッド・ピッドの共演で何とか凌いでいるという感じ。
テンポの悪さの原因はおそらく、クリフの隣に引っ越してきたポランスキー夫妻の妻で売り出し中の若手女優シャロン・テートのパートがちょいちょい挟まってくることと、クリフがヒッピーが集まっている場所に行ってからの話がムダに長いこと。
正直、「この映画ハズレか?」と思って見るのやめようかと何度も思った。
ちょっとネタバレすると、この映画は「シャロン・テート殺害事件」という1969年8月9日にハリウッド女優のシャロン・テートが殺されるという実際の事件が話として組み込まれている。
だから、時折「〇〇年〇月〇日」みたいに謎のカウントダウンみたいなものが入ってくるし、シャロン・テートがどんな人物なのかを示すため日常パートもちょいちょい出てくる。
自分も観終わってから調べるまでそんなこと知らなかったので、序盤からラスト30分に入るまで、ところどころ中だるみする映画だった。
しかし、観終わってみると、ラスト30分のバイオレンスなシーンはもちろん衝撃的だったし、それまでの2時間の一見つまらなそうに見えるシーンもちゃんと意味があるシーンだったんだなとわかるし、結果的に面白い作品だった。
ストーリーはやや散らかってる感じもあるし、タランティーノ監督の自己満を詰め込んだ感じもあったけど、それ故に独創的な作品になっていたと感じる。
西部劇、ヒッピーなどの1960年代のアメリカの雰囲気や街並みを楽しみつつ、リックの出演映画を通してハリウッドの映画界の変化も楽しみつつ、それまでのカタルシスが一気に解放されるラスト30分を堪能できたので、観て良かった映画でした。