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『ジョジョ・ラビット』の作品情報
監督・脚本 | 監督:タイカ・ワイティティ 脚本:タイカ・ワイティティ |
ジャンル | 戦争、ドラマ |
製作年 | 2019年 |
製作国 | アメリカ、ドイツ |
上映時間 | 1時間49分 |
補足情報 | 原題:Jojo Rabbit |
『ジョジョ・ラビット』のあらすじ
第二次世界大戦下のドイツ。
ドイツ人で心優しい10歳の少年ジョジョ・ベッツラー(ローマン・グリフィン・デイビス)は、ドイツ少年団「ユングフォルク」のキャンプ初日を迎えようとしていた。
空想上の友達であるアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)に鼓舞してもらいながら、立派な男になろうと決意する
だがしかし、訓練の一環としてウサギを殺すよう命じられるができず、教官から臆病なウサギ“ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかわれてしまう。
そんなある日、自宅の2階で物音がしたので行ってみると、小さな隠し部屋にユダヤ人の少女(トーマシン・マッケンジー)が匿われているのを発見するーーー。
『ジョジョ・ラビット』のキャスト
- ローマン・グリフィン・デイビス(ヨハネス・”ジョジョ”・ベッツラー)
- タイカ・ワイティティ(アドルフ・ヒトラー)
- スカーレット・ヨハンソン(ジョジョの母親:ロージー・ベッツラー)
- トーマシン・マッケンジー(屋根裏のユダヤ人少女:エルサ・コール)
- サム・ロックウェル(クレンツェンドルフ大尉)
- レベル・ウィルソン(フロイライン・ラーム)
- アルフィー・アレン(フィンケル)
『ジョジョ・ラビット』の感想・評価
ナチス信者でドイツ人の少年とユダヤ人少女の交流をコミカルに描く
第二次世界大戦下のドイツを舞台に、ヒトラーやナチスの思想に染まった10歳の心優しいドイツの少年とユダヤ人少女の交流をコミカルに描いた戦争ドラマ映画。
第二次世界大戦時代のナチスを風刺し子供の目線から戦争を描いた物語で、ナチスのヤバさを子供の純粋な可愛らしさとコミカルなユーモアで優しく包み込んだ不思議なテイストの作品。
主人公で10歳のドイツ人の少年・ジョジョは、イマジナリーフレンドよろしく“イマジナリーヒトラー”が頭の中に存在していて、たびたびするヒトラーとの会話で子供ながらにナチスの思想に染まりきっているのが伺える。
そんなジョジョが入っている「ヒトラーユーゲント(別名:ヒトラー青少年団)」は、青少年をナチスの思想に染め上げ、将来的に少年兵として使えるように訓練するのが目的の団体。
小さい頃から洗脳して少年を兵士にするなんてやってることはイカレてるんだけど、訓練シーンの明るいテイストと、ジョジョとぽっちゃりの友達のヨーキーの可愛らしさのおかげでかなりマイルドに仕上がっている。
その後も、ナチスのスローガンの張り紙を町中にしたり、広場らしきところに反ナチ運動をする裏切り者たちの首吊り死体があったりと、ナチスのヤバサっぷりが露わになるところがいくつかあるんだけど、どのシーン明るくコメディタッチに描いているから、すごい不思議な感じの雰囲気で今までになかったナチス映画という感じで面白い。
ユダヤ人の少女と出会ってからも、大人顔負けにユダヤ人を敵視している姿になんだか悲しい気持ちになるけれど、交流を重ねていくうちに「思っているより悪い人ではない」となっていく展開はなんだか心がじんわりと温かくなってくる。
同じようなシーンで、ジョジョの友達のヨーキーが捕まったユダヤ人を見たときに「期待外れだった、怖くない、僕らと同じ」と言っていて、汚い大人の都合で思想を歪められた子供たちが呪縛から解放される感じはグッとくるね。
ユダヤ人の少女エルサを演じたトーマシン・マッケンジーは相変わらず可愛かったんだけど、細かい表情とか演技もすごく良かった。
市民で反ナチ運動をしているジョジョの母親ロージー、ナチス側の人間でありながらユダヤ人に対してそこまで否定的ではないクレンツェンドルフ大尉、ジョジョの友達のヨーキーなども、それぞれが魅力的なキャラクター達だった。
第二次世界大戦時代のドイツ人やユダヤ人の心理を描きながら、戦争・コメディ・ドラマと様々なジャンルの面白さを明るくポップに、時にはシリアスに魅せてくれる良い映画でした。