【漫画考察】スポーツ漫画は何年生編までやるのがベストなのか?

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僕は漫画が好きで色々なジャンルを読むんですけど、たまにスポーツ漫画で2年生編になると面白くなくなったりして、「1年生編で終わらせとけばな~」と思うことがたまにあります。

そこで、『スポーツ漫画は何年生編までやるのがベストなのか?』ということを考えてみました。

ただのペンギン
ただのペンギン

全体的に色々な漫画の結末をがっつりネタバレをしているので、ネタバレが嫌な人はここで戻ってください!

スポーツ漫画の完結の仕方などを比較してみた(13作品)

ここでは、スポーツ漫画の完結の仕方などを比較してみました。

タイトルスポーツ巻数物語の結末主人公の能力面白さの感想
アオアシサッカー全40巻・高校1年生でリーグ戦優勝→U-18世界大会で1試合して終了・ポテンシャルは高い
・地方の弱小サッカー部から名門ユースチームへ行く
・最後までずっと最高に面白かった
DAYSサッカー全42巻・高校1年生で全国大会優勝で連載終了・サッカー初心者が名門高校で頑張る・最後までずっと面白かった
スラムダンクバスケ全31巻・高校1年生で全国大会で強豪校に勝って連載終了・バスケ未経験者だが身体能力高め
・弱小校で全国を目指す
・最後までずっと最高に面白かった
あひるの空バスケ50巻~・高校1年で特に優勝なし→高校2年編を連載中・能力はあるが試合で結果は残していない
・弱小バスケ部
・母親が元全日本バスケットボール選手
・1年生編は最後までずっと最高に面白かった
・2年生編からは休載も多くちょっといまいち
黒子のバスケバスケ全30巻+2巻・本編は高校1年生で全国大会優勝で終了
・約1年半後にアメリカチームとのエキシビジョンマッチを1試合して終了
・強豪校の幻の6人目
・創設2年目だがポテンシャルのある学校に進学
・最後までずっと最高に面白かった
ダイヤのA野球全71巻
1部:47巻
2部:34巻
・高校1年生で甲子園に出るもののベスト16
→高校2年生の夏に甲子園出場を決めたところで連載終了
・ポテンシャルはあるが結果は残していない中学生
→高校で名門野球部へと進学
・1年生編は面白かった。
・2年生編も面白かったけど、終わり方はスッキリしない。
MAJOR野球全78巻・幼稚園~ワールドシリーズと色々やって連載終了・ポテンシャルも実力もマックスの男
・父親が元プロ野球選手
・色々な展開があって最後まで面白かった
ハイキュー!!バレー全45巻・高校生編は1年生で強豪校に負けて終了
→時を経てプロ編を1試合やって連載終了
・潜在能力は高く経験者だが弱小高出身
→かつての強豪校でいまは「落ちた強豪」と呼ばれる高校へ進学
・最後までずっと最高に面白かった
テニスの王子様テニス1部:全42巻
2部:既刊44巻~
(2025年7月現在)
・高校1年生で全国大会優勝後、世界編へ移行中・上級生にも勝るとも劣らない実力の持ち主
・強豪校に進学
・父親が元プロテニス選手
・1部の高校生同士のバトルは最後までずっと最高に面白かった
・2部の世界大会編も面白いが、既存キャラの使い捨て感は否めない。
・スポーツ漫画としては能力漫画なのでこの記事の趣旨とはズレるから判断がが難しい。
アイシールド21アメフト全37巻・高校1年生で全国大会優勝
→その後、世界編をサクッと、最後にアメリカ代表と1試合やって連載終了
・アメフト未経験者
・弱小高校のアメフト部に加入
・最後までずっと面白かった
弱虫ペダル自転車期間96巻~
(2025年7月現在)
・高校1年、2年と全国大会優勝後、現在3年生編を連載中・自転車競技未経験者
・千葉県屈指の強豪校に入部
・1年生編は最後までずっと最高に面白かった
・2年生編は似たような展開で微妙
・3年生編は新キャラを投入したけどいまいち盛り上がりに欠ける
帯をギュッとね!柔道全30巻・高校1~3年まで描き全国大会優勝で終了・実力はあるが高校に柔道部はないため作った・最後まで面白かった。
・柔道の競技の特性から1試合の時間が短いため、展開はある程度似てもサクッと終わらせられた
柔道部物語柔道全11巻・高校1~3年まで描き連載終了・柔道未経験者
・強豪校というわけではない
・最後まで面白かった

全国大会優勝で終わるパターン

このパターンは当初の目標の“全国優勝”が達成され、物語としても読者としてもスッキリ終われる感じがします。

主人公が所属する高校は、名門校だったりジワジワと頭角を現し始めていることが多いため、全国大会優勝しても違和感が生まれないようになっています。

このパターンで終わる漫画の例

・黒子のバスケ

・DAYS

・帯をギュッとね!

※黒子のバスケは後にエキシビジョンマッチでアメリカと戦いますが、連載終了から1年半以上経っての出来事なので、あくまで本編終了の大会結果を基準にしています。

全国大会優勝→世界編を軽くやって終わるパターン

全国大会優勝した後、世界編で1戦やって終わるというパターン。

全国大会優勝の勢いのまま新たな話をスタートできるのと、主人公チームが世界でどこまで通用するのかが見られるのかや、かつて敵だった人たちが同じチームとなってオールスターを見れるのもテンションが上がります。

このパターンで終わる漫画の例

・アオアシ

・アイシールド21

※アオアシはユースチームの話で総当たり戦なので一般的な高校の全国大会優勝とは違いますが、それでも優勝したことと、その後に世界(海外チーム)相手に戦ったということでこの枠組みに入れています。

全国大会優勝→世界編にガッツリ突入するパターン

このパターンは、もう既に人気が出ていてスケールの大きい話を描いても面白くなるという前提で作られている気がします。

このパターンで終わる漫画の例

・テニスの王子様→新テニスの王子様

強豪校や因縁対決に勝ってそのまま終わるパターン

このパターンはかつて古豪と呼ばれていたが今は良い成績を残していなかったり弱小校が舞台で、徐々に実力をつけてきているとは言え全国大会優勝まではさすがにやりすぎなので、これくらいが綺麗な終わり方だと感じます。

このパターンで終わる漫画の例

・SLAM DUNK

※スラムダンクは厳密には全国3回戦で負けて終わりますが、2回戦目で終わったようなものなのでこの枠組みに入れています。

強豪校や因縁対決に負ける→プロ編・世界編を軽く描くパターン

負けたまま終わってしまうとなんだか消化不良になりますが、その後にプロ編や世界編を描くことで負けで終わらずスッキリ気持ちよく終わることができます。

また、その後の登場人物の成長を感じられたり、高校では敵同士だった者たちが仲間となって戦う熱い戦いが見られます。

このパターンで終わる漫画の例

・ハイキュー!!

全国大会優勝→2年生編に突入するパターン

全国大会優勝後に、2連覇を掛けて2年生編に突入するパターンです。

全国大会優勝したことでスッキリして終わるかと思いきや、2連覇を掛けてという流れにはなり盛り上がるように見えますが、やることは変わらず2年生編特有の悪いところが出たりと面白さが失速してしまう印象です。

1年目はライバル校の優勝、せめて同じ高校の主人公以外の選手が優勝してれば、2年目こそは主人公が優勝!という流れができたのですが・・・。

このパターンで終わる漫画の例

・弱虫ペダル

負けたあとその悔しさをバネに2年生編に突入するパターン

1年生編で終わらず全国大会で優勝もせず、新たな目標を掲げて2年生編に突入するパターン。

優勝という区切りがないため、敗退の悔しさをバネに打倒〇〇!今度こそ全国優勝!という目標ができて物語が続けやすい感じはしますが、このパターンも2年生編特有の悪いところが出てしまって失速する印象です。

このパターンで終わる漫画の例

・ダイヤのA

・あひるの空

色々あって2年生編も世界編も描いたパターン

ほぼその他のパターンです。

色々あって2年生編も世界編も描いたパターンというざっくりな枠組みですが、これに当てはまるのがMAJORくらいなので許してください。

このパターンで終わる漫画の例

・MAJOR

なぜスポーツ漫画で2年生編を続けるのが難しいのか?

ここでは、「なぜスポーツ漫画で2年生編を続けるのが難しいのか?」という話をしていきます。

理由①:1年生編に比べると新キャラが少ない

連載当初は主人公となる1年生に加え、先輩・上級生である2年・3年・OBが初登場のため、初登場キャラがとても多く新鮮な気持ちで見ることができます。

しかし、2年生編に突入すると新たに登場するのが新1年生のみなので増えるキャラの数も少なく、基本的には既存のキャラクターメインで話が進んでいきます。

そうすると、新たな魅力や物語の展開が作りづらく、結局1年生編と似たような展開が続いてしまって面白くなくなってくる印象が強いです。

理由②:魅力のある3年生の引退の穴は埋められない

スポーツ漫画の3年生は、今日までチームとして土台を作り上げた苦労・経験があり、主人公たちペーペーの1年生と比べるとだいぶ大人です。

その主人公と対比しての魅力があるのはもちろん、数十巻を通して1年生や2年生との絡み・関係性があったりして、長い時間を掛けて主人公と一緒に魅力を作り上げていくので愛着が湧いていきます。

そうして出来上がった魅力のある3年生が引退してごっそり抜けた穴を、ポッと出の新1年生が埋めることは難しいです。

理由③:2年生編も結局やることは一緒

能力マンガではないので修行やふとしたきっかけで劇的に強くなることはなく、2年生編が始まったとしても特にやることは変わりません。

一応、1年生の時に対決した高校との因縁が生まれてリベンジだ!となったり、どこかの高校にめちゃくちゃ強い選手が加入してダークホース的存在が主人公の因縁の相手を倒してしまい、今度はその相手と主人公チームが戦うみたいな展開はありますが、大きな展開はそれくらいです。

最初は新キャラも登場したり既存のキャラの学年が上がって先輩としての姿を見れたりと新しい要素は増えるものの、その後の展開は同じで出オチ感は否めません。

既に味方も敵も成長する過程を主人公が1年生のときにある程度描いているため、基本的には若干の新入生を迎えながら1年生のときのように地道な練習を積み重ねて、同じような相手と同じ地区予選・県予選を戦っていく話がどうしてもメインになってしまいます。

高校2年生編が始まってから失速した(と思ってる)「ダイヤのA」「あひるの空」「弱虫ペダル」もこれが原因で面白さがなくなってしまったように感じます。

特に、主人公はポテンシャルはあるけれど弱小校という環境が原因で実力が伸びなかったが、強豪校に行ったり仲間に恵まれたことでどんどんと実力をつけていくような、「主人公成長型スポーツ漫画」で2年生編をやるのは難しいと思います。

逆に言えば、テニスの王子さまやMAJORのような最初から「主人公劇強型スポーツ漫画」だと、転校して強豪校に行ったり世界大会でも通用する流れを作れるので、魅力的なキャラさえ作り続けられればマンネリ化は防げている気がします。

テニスの王子さまに関してはスポーツ漫画というよりは実質能力漫画になっているので、ちょっとスポーツ漫画として判断するのは難しい気もしますが・・・。

結局スポーツ漫画はどうやって終わらせるのがベストか?

ここでは、「結局スポーツ漫画はどうやって終わらせるのがベストか?」という話をしていきます。

全国大会優勝もしくは因縁対決を制して終わらせる

当初の目標であった全国大会優勝というのは王道でわかりやすく綺麗な終わり方です。

また、弱小校などは実力不足で全国大会優勝は難しいので、どこかで因縁対決を制して終わらせて完全燃焼って感じだと主人公も読者もスッキリ感が出ていいと思います。。

+αで高校生編が終わった後、プロや世界編、オールスター戦を1戦描くのも満足度が高くなる印象です(ハイキュー!!、黒子のバスケなど)。

・全国大会優勝でスッパリ終わらせる(黒子のバスケ、DAYSなど)

・強豪校や因縁対決に勝って終わらせる(ハイキュー!!、スラムダンクなど)

・主人公の学年はそのままで一気に世界編へと移行する(テニスの王子様)

・2年生編以降を描くなら話を飛ばし飛ばしで描くか、試合時間の短い作品を題材にする(MAJOR、帯をギュッとね!)

2年生編以降も面白いマンガを作るには?

2年生以降に突入するのであれば、これらがカギになると思います。

2年生以降も面白いマンガを作る方法

・それぞれの学年を丁寧に描写するなら柔道などの試合が短い題材を選ぶ(帯をギュッとね!など)

・主人公を「成長型主人公」ではなく「劇強型主人公」で話を作る
→そうすることでMAJORのように転向する理由を作れますし、テニスの王子様のように世界で戦える理由にもなります

・話を濃くする部分と飛ばす部分にメリハリをつけながら世界編へと移行する(MAJORなど)

・高校生編を1年で一区切りさせたら、一気に世界編へと移って物語を進める(テニスの王子様など)

逆に、「成長型主人公」で試合時間が長い作品を2年生編以降も丁寧に描いとしまうと、新キャラも少なく展開もマンネリ化するので微妙になる感じがします(ダイヤのA、弱虫ペダル、あひるの空など)。

まとめ:基本的にスポーツ漫画は高校1年生編で終わらせるのがベスト

最後までずっと面白かったなと思えるスポーツ漫画は、どれも高校1年生のまま連載を終えることが多い印象です。

というか、単純に40~50巻以上の漫画を面白さを維持しながら描き続けるのは体力的にきつかったり、そもそも2年生以降や世界編をマンネリ化させずに描き切るのは難しいので、自然と高校1年生ですべてを出し切る方が綺麗に終われるんだろうなという感じです。

色々な人の意見が知りたいので、「そうだそうだ!」という共感だったり「それは違う!」みたいな別の意見がありましたら、ぜひコメントで教えてもらえたら嬉しいです!

ただのペンギン
ただのペンギン

それじゃあ今日はこの辺で、またねっ!

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