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『聖なる犯罪者』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ヤン・コマサ 脚本:マテウシュ・パツェビチュ |
ジャンル | サスペンス、ドラマ |
製作年 | 2019年 |
製作国 | ポーランド、フランス |
上映時間 | 1時間55分 |
補足情報 | 原題:Boze Cialo 英題:Corpus Christi |
『聖なる犯罪者』のあらすじ
少年院に服役中のダニエルは、前科者は聖職者となることはできないとわかっていながらも、神父になることをずっと夢見ていた。
ある日、仮退院となり小さな町の製材所で働くこととなったダニエルは、途中で寄った教会で出会った少女に司祭と嘘をつく。
その小さな嘘から始まり、本物の司祭が病気で町を離れるため、数日間代理の司祭としての生活を余儀なくされてしまうーーー。
『聖なる犯罪者』のキャスト
- バルトシュ・ビィエレニア(ダニエル)
- エリーザ・リチェムブル(マルタ)
- アレクサンドラ・コニェチュナ(リディア)
- トマシュ・ジェンテク(ピンチェル)
- レシュク・リホタ(バルケビッチ)
- ルカース・シムラット(トマシュ)
『聖なる犯罪者』の感想・評価
ポーランドで実際に起きた司祭なりすまし事件
少年院を仮退院したばかりの青年が小さな町で司祭になりすまして生活するという、ポーランドで実際に起きた話を基にしたサスペンスドラマ。
神父に憧れ信仰心が強い少年が「ここを出ても酒や薬物はするな」と神父に言われ、目を見て「やりません」と答えた3秒後には酒・タバコ・ドラッグ・女とこれでもかというくらい欲望を曝け出してたので笑ってしまった。
その後の、オシャレなフロアミュージック、激しい点滅のブルーライト、薬物でガンギマリの目をしている主人公の演技と映像に引き込まれる。もう序盤からとにかくインパクトがとにかく強すぎ。
憧れていた司祭になりすますというコメディのような展開から始まるけど特にコメディ要素はなく、「いつバレるんだろう」とドキドキとした気持ちで観るので心臓に悪い。
殺人犯でただのジャージ姿のダニエルを、彼が司祭と名乗り司祭服を持っていただけで簡単に信じてしまう人々や、その偽司祭の言動や行動に救われる人たちを見ていると、「司祭って意味あるの…?」とか「ダニエルがしたことは悪いことなのか?」という気持ちになる。
さらに、本物の神父はダニエルが行く町の町長のことを“善良”と言っていたけど、その町長は小さな町で行われている村八分に関与しているし、善良そうな市民は、子供が交通事故で死んだショックからか事故の相手に全ての罪を擦り付けていて、こういうのを見ると何が“善”で何が“悪”かの基準がとても曖昧になってくる。
犯罪者となったダニエルは神父になることができないが、それに何の意味があるのだろうか?
この世にいるすべての聖職者の価値を落とさないためなのだろうか?
神は罪を償った人にも“犯罪者”というレッテルを張り続けるのだろうか?
無宗教(正確には宗教はあるけど)で信仰心がない自分にとって、宗教という存在がより懐疑的になるような映画だった。