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『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の作品情報
監督・脚本 | 監督:グレゴリー・マーニュ 脚本:グレゴリー・マーニュ |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2019年 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 1時間41分 |
補足情報 | 原題:LES PARFUMS |
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじ
かつて、香水界で栄光を極めたアンヌ(エマニュエル・ドゥヴォス)は、ディオールの香水“ジャドール”などを作った天才調香師。
しかし、ヒット作を生み出さなければいけないプレッシャーや仕事の忙しさが原因で嗅覚障害を発症、それでも無理に続けた仕事で大失敗をしてしまい、地位も名誉も失ってしまう。
現在は香水作りから退き、企業者役所から受ける地味な仕事ばかりを引き受けていた。
タクシードライバーのギヨーム(グレゴリー・モンテル)は、最近離婚した元妻と娘の親権を巡って争っていた。
さらには、数々の交通違反により仕事をクビになる寸前の、まさに“崖っぷち”の状態。
そんなある日、ギヨームが雇い主に頼み込みなんとか手に入れた仕事が、「アンヌの運転手」だった。
そして、性格も境遇も真逆な二人の出会いは、徐々にお互いの人生に良い影響を与え始めるーーー。
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のキャスト
- エマニュエル・ドゥヴォス
- グレゴリー・モンテル
- セルジ・ロペス
- ギュスタヴ・ケルヴェン
- ゼリー・リクソン
- ポリーヌ・ムーレン
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の感想・評価
かつて栄光を極めた天才調香師×人生崖っぷちのタクシードライバー
過去に数々のヒット作を生み出してきた天才調香師の女性と、離婚調停中で仕事もクビ寸前の運転手の男が、お互いに少しずつ良い影響を与えていき、人生が明るい方向に向かっていく話。
フランス映画っぽく派手な演出もなく、物語は単調に淡々と進んで行く中で、お互いに良い影響を与え合うシーンをゆったりと描くことで、なんだか実話を基にした物語を見ているようなリアルさを感じた。
悪くはないんだけど良くもないという印象の映画。
不満な点は、前半に時間をたっぷり使った割には人物描写が少なすぎて人物像を視聴者側が想像で補完しなきゃいけない感じがするのと、物語が動き始めるのは映画の2/3の1時間ほど経った後でちょっと動き出しが遅い気がしたし、動いた後も駆け足感が否めなかった。
ゆったりした展開を楽しむものと言われればそれまでだし、希望が持てるラストは良かったんだけど、それまでの描写が弱かった分、この映画の場合は「とりあえずああいうラストにしておけば丸く収まるでしょ」みたいな印象を受けた。
ドライバーの男は共同親権を争ってるみたいだけど、離婚に至る過程も夫婦での揉め事も描かれず、ヘタしたら共同親権をもらえなくなるかも知れないのに特に悲惨さや焦りや必死さもなく、離れ離れになった娘がそれほど父親に懐いてない感じから、共同親権を争うっていう設定は必要あったのかな?と思った。
まぁ、その方が崖っぷち感が出ていいのかもしれないけど…。
あと、ドライバーなのに免許を失うギリギリの違反をしていることから、適当なタイプの人間か、無茶な運転をするタイプの人間なのかな?と想像できてしまうのも、なんかそれまでの男の人生はだいたいが自業自得なのかなという感じがして、感情移入も同情も何もできないのもうまく映画を楽しめない要因だったかな。
調香師の女性については、調香師になるまでから始まり、ディオールの香水を作って有名になるまで、そこからの失墜までを描いてこそ、その対比としていまの冴えない調香師生活が際立つんじゃないかな。
過去についてはちょっとしかわからないにも関わらず、いきなり2度目のスランプを向かえるシーンや、睡眠薬の過剰摂取をするシーンが急すぎてビックリする。
やっぱり、全体的にゆったりとした展開に時間を使いすぎず、もうちょっと人物描写を強く描いた方が面白くなったと思う。
別にここに力を入れたからと言って、この映画の良さもフランス映画らしさも失うことはないだろうから、そこのところもうちょっと頑張って欲しかった。