【映画感想・レビュー】映画『モンスターズ/地球外生命体』モンスター蔓延るメキシコからの脱出

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映画『モンスターズ/地球外生命体』の作品情報

監督ギャレス・エドワーズ
出演者スクート・マクネイリー
ホイットニー・エイブル
ジャンルSF、サスペンス
製作年2010年
製作国イギリス
上映時間1時間34分
補足情報原題:MONSTERS

映画『モンスターズ/地球外生命体』のあらすじ・内容

6年前、太陽系にてNASAの探査機が地球外生命体のサンプルを採取するが、大気圏突入時にメキシコ上空で大破してしまう。
その直後、新種の地球外生命体が地上に出現し、メキシコの半分が“危険地帯”として隔離される。
メキシコ軍とアメリカ軍が共同で“モンスター”の掃討作戦を行うが、現在も難航している。
舞台はエイリアンに侵略されてから6年後のメキシコ。
ジャーナリストのアンドリュー(スクート・マクネイリー)は、メキシコにいる社長令嬢のサム(ホイットニー・エイブル)をアメリカに無事に連れ戻すことを社長から命じられる。
フェリーによる安全な海路でのアメリカ行きのチケットを、大金を払い購入するが、あることが理由でそのチケットもパスポートもすべて失ってしまう。
アメリカへ帰る唯一の手段は陸路のみ、2人はモンスターが蔓延る危険地帯を通ってアメリカの国境へと向かうのだがーーー。

映画『モンスターズ/地球外生命体』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3.5)

モンスター蔓延るメキシコからの脱出


製作費約5,000万円で製作された低予算映画ながら、興行収入約5億円を叩き出した今作。
監督はこの作品が評価され、後に新しいハリウッド版ゴジラ『GODZILLA ゴジラ』の監督に抜擢されることとなるギャレス・エドワーズ。

この作品は、モンスターとの戦いがメインではないので派手さには欠けるが、素晴らしい映像と風景、主演の見事な演技、不気味で緊張感を高めるサウンド、ところどころでアクセントを加えるモンスター、ドキュメンタリータッチの作風により、超大作を見ているかのような感覚に引き込まれる。

『モンスターズ』というタイトルで、モンスターとのドンパチした戦いを期待すると思うが、そのような展開はほとんど出てこない。
あくまで「普通の一般人がなんとか家に帰ろう」とする話。
モンスター=戦争や災害といった非常事態を想像すると映画としてわかりやすいと思う。

非常事態をいいことに安全なアメリカ行きのチケットを高額に売り付けるやつがいたり、モンスターから人々を守るための爆撃で多くの人々が犠牲になっていたり、モンスターの姿やそいつらに殺された子供の写真を撮るために活動している人がいたり…と、モンスターの侵略ではなく戦争が起こった場合でも、同じようなことが起きるんだろうな。と容易に想像できてしまう。

印象的だったセリフは、ジャーナリストのアンドリューが、サムに「罪悪感は?人の不幸で稼いでるでしょ?」と言われた時に返した言葉で「モンスターに殺された子供の写真は5万ドルで売れる、笑顔の子供の写真は“ゼロ”だ。」というセリフ。

危険な状況で、笑顔の子供という希望(喜劇)よりも、殺された子供の悲惨な姿(悲劇)が求められる世の中と言うのもなんだかなという感じ。

戦争や侵略の危険さや悲惨さを伝えるには、後者のような写真の方がインパクトがあるんだろうけど、なんだかやるせない気持ちになる。