【感想・ネタバレ】映画『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』売れない俳優と囚人たちが革命的傑作戯曲に挑む【評価★3.5】

【感想・ネタバレ】映画『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』売れない俳優と囚人たちが革命的傑作戯曲に挑む【評価★3.5】

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『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』の作品情報

監督・脚本監督:エマニュエル・クールコル
脚本:エマニュエル・クールコル
ジャンルドラマ
製作年2020年
製作国フランス
上映時間1時間45分
補足情報原題:Un triomphe
英題:The Big Hit

『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』のあらすじ

売れない役者のエチエンヌ(カド・メラッド)は、囚人たちの矯正プログラムの一環として刑務所を訪れていた。
しかし、囚人たちは以前の講師が行っていたつまらない童話の暗記うんざりしていて、このプログラムに乗り気ではなかった。
困ったエチエンヌは劇をすることを提案、そこで選んだ演目はサミュエル・ベケットの傑作戯曲『ゴドーを待ちながら』だった。
難しい演目に戸惑う囚人たちだったが、エチエンヌの熱量に影響されて真剣に取り組み始め、ついには刑務所の外に出て実際の劇場で講演することが特別に認められる。
さらに、そこでの演技が評価されて他の劇場からも公演オファーが次々と舞い込んでくるようになり、公演は大成功を収めることとなる。
なんと、最終公演ではパリを代表する国立劇場・オデオン座からオファーが届くが・・・。

『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』のキャスト

  • カド・メラッド(エチエンヌ)
  • デイビット・アヤラ
  • ラマイン・シソコ
  • ソフィアン・カーメ
  • ピエール・ロタン
  • ワビレ・ナビエ
  • アレクサンドル・メドベージェフ
  • サイド・ベンシナファ
  • マリナ・ハンズ
  • ロラン・ストーケル

『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』の感想・ネタバレ

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3.5)

売れない俳優と囚人たちが革命的傑作戯曲に挑む


売れない俳優が演技講師として刑務所へと訪れ、最初は乗り気でなかった囚人が俳優の熱量により徐々にやる気を出し、特別に外に出て本物の劇場と人前で講演を繰り返し、ついにはパリの歴史ある劇場でラスト講演をすることになるという話。

スウェーデンの俳優ヤン・ヨンソンが1985年に体験した実話をベースがなっている。

囚人たちが演じたサミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』は、二人のホームレスが救済者「ゴドー」をひたすら待つという話で、革命的傑作と呼ばれるレベルのものらしい。

それを素人がたった六ヶ月で演じることがものすごい冒険らしいが、戯曲を知らなかったせいでなんか素人がある物語を短い期間で一生懸命練習するくらいにしか見えず、終始いまいちすごさがわからずに終わってしまった。これは完全に自分の知識不足のせい。

まぁ、でもこの映画を観る全員が戯曲を知ってるとは限らないし、売れない俳優が囚人たちに演技指導をし、重犯罪を犯した囚人たちの心が徐々に変わっていき、観客や彼らを見張る刑務官たちの心も代わり、売れない俳優自身も彼らの変化を間近で見たことで人生が変わっていき、全員が良い影響を受けて人生がハッピー!みたいな話ではなかった。

話は全体的にあっさりしてて、売れない俳優のエチエンヌの苦労や人生が語られることもなければ、囚人たちがどういう思いで刑務所で過ごしているのか、この戯曲と真剣に向き合うようになったきっかけ、今回の出来事によってどういう変化が起きてきたのかみたいなことをはとくに語られない。

途中で「俺はやめる!」と言い出すメンバーがいたり、急遽メンバー交代があったり、ちょっとしたケンカや揉めごとが起きたり、外に出た興奮でハメを外し過ぎたりと、ちょいちょいトラブルはあったものの、物語の熱量は常に一定を保っている印象。

だから面白くないということでもなく、程よく明るいテンションを軽い気持ちで見ながら、最後はどうなるんだろうか?と結末を静かに見ている感じ。

ラストのネタバレをしてしまうと、囚人はラスト講演を目前にして逃亡、舞台は台無しになり、囚人への更生プログラムもやっぱり意味なかったね。では終わらず。

このトラブルを利用し、俳優として立つことが夢だったパリ・オデオン座に演出家として立ち、観客に語り始める。

自らをゴドーをひたすら待つホームレスに見立て、一向に現れない囚人たちをゴドーに見立て、自分の今の状況と『ゴドーを待ちながら』の戯曲を重ねる。

さらに、ベケットにとっての戯曲は“自由になれる逃避”のためのもので、この機会を利用して逃亡した囚人たちにとっての戯曲もまた“自由になれる逃避”のためのものだったと語る。

自らと囚人と今の状況をサミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』と重ね、劇ではなく現実として戯曲と同じような出来事が起こっているんだ、それってすごいことだよねと観客に伝えることで拍手喝采を受ける。

冷静に見れば結構な重犯罪を犯した犯罪者たち5人が逃亡したのヤバいことだし、今回の件に関わった所長は当然処罰されるだろうし、もう他の囚人たちも特別外出許可を得られることもなさそうな感じがするしで色々と問題はあるけど、とりあえずはこのピンチを利用したエチエンヌの一人勝ちで終わる映画でした。

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