【映画感想・レビュー】映画『カフカ「変身」』家族が突然、巨大な昆虫の姿になっていたら…

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映画『カフカ「変身」』の作品情報

監督クリス・スワントン
出演者エイリーク・バー
モーリーン・リップマン
ロバート・パフ
ローラ・リース
ジャンルドラマ
製作年2012年
製作国イギリス
上映時間1時間42分
補足情報原題:Metamorphosis
原作小説:フランツ・カフカ『変身』

映画『カフカ「変身」』のあらすじ・内容

ある朝、体に違和感を覚えて目が覚めた青年グレゴール(エイリーク・バー)。
その違和感を確かめようと自分の体を見てみるが、目の前には巨大な虫の手足が蠢めき、お腹が茶色い殻で覆われた虫の姿になっていた。
変わり果てた姿を見た母親は失神し、父親は怒りと恐怖でステッキを振り回し、妹は平然を保とうとする。
信じられない状況に、家族はなんとか状況を受け入れようと努力するがーーー。

映画『カフカ「変身」』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3.5)

家族が突然、巨大な昆虫の姿になっていたら…


チェコ出身の小説家、フランツ・カフカの『変身』を映像化した作品。

原作は未読で、虫のCGがショボいのが気になるが、不条理や理不尽についてとても考えさせられる作品だった。

「ある朝、目が覚めたら巨大な虫の姿になっていた」とだけ聞けば、フィクションホラーのように聞こえる。
だが、巨大な虫の姿そのままを見るのではなく、“忌み嫌わる存在”という概念と捉えて、これを現代に当てはめてみたらどうだろうか。

もしも、家族が失業したら、引きこもりになったら、多額の借金を背負ったら、犯罪者になったら、介護することになったら…みなさんは普段通り、いつも通りに接してあげることはできるだろうか?支えてあげられるだろうか?それとも、罵倒してしまうだろうか?

突然家族の誰かが「巨大な虫の姿になってしまった」ではなく、「巨大な虫のような“忌み嫌われる存在”になってしまった」と考えながら見ると色々考えさせられるはず。

映画の内容に触れるが、家族のため、妹を良い学校に入れるため、一生懸命に仕事をし、家族にも頼られていた青年グレゴールが巨大な虫の姿になったときの家族の対応は様々だった。

突然の理不尽に見舞われたが、なんとかこの状況を受け入れようとするグレーゴル。

最後まで息子としてではなく、まったくの別の生き物に接するような冷酷な態度をとっていた父親。

最初は失神し気が動転していたが、見た目が変わってしまった息子に対してもできるだけ普段通り接する母親。
最初は気味悪がりながらも、ちゃんと食事を届けたりと好意的な態度を取っていたが、いきなり「ケダモノ!」と暴言を吐いたりと、表面上の態度と内心が真逆の妹。

あなたの家族やあなたの大切な人、もしくは自分自身が突然巨大な虫(のような存在)になってしまったら…