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『パラサイト 半地下の家族』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ポン・ジュノ 脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン |
ジャンル | サスペンス、ドラマ |
製作年 | 2019年 |
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 2時間12分 |
補足情報 | 原題:기생충 英題:Parasite |
『パラサイト 半地下の家族』のあらすじ
“半地下”と呼ばれる低所得者用の賃貸住宅で暮らす貧困家庭のキム一家。
その長男であるギウ(チェ・ウシク)は、有名大学に通う友人の紹介により、大豪邸で暮らすIT企業のパク社長の娘の家庭教師をすることになる。
さらに、そこの息子が絵を書くのが好きと言うことで、他人のフリをして妹のギジョンを絵の家庭教師として推薦し、妹も無事に採用されることになった。
そこから、父親は専属の運転士、母親は家庭教師としてパク一家に雇われたことで、貧しい暮らしをしていたキム一家の全員が、裕福な暮らしをするパク一家に潜り込むことに成功するが・・・。
『パラサイト 半地下の家族』のキャスト
- ソン・ガンホ
- イ・ソンギュン
- チョ・ヨジョン
- チェ・ウシク
- パク・ソダム
- チャン・ヘジン
- パク・ミョンフン
- イ・ジョンウン
- チョン・ジソ
- チョン・ヒョンジュン
- パク・ソジュン
- パク・クンノク
- チョン・イソ
『パラサイト 半地下の家族』の感想・評価
貧しい暮らしから抜け出すため4人家族は“ある計画”を実行する
コメディ、サスペンス、韓国の学歴社会や格差社会の問題ををいい感じに織り交ぜた面白い作品でした。
序盤のシーンでは、“半地下”という住居に暮らす貧困層の4人家族が登場し、韓国独特の貧困問題が映し出される。
ちなみに、“半地下”というのは韓国に多く存在し、水害の危険性が高いが、家賃が安いということで低所得者用の賃貸住宅として使用されています。
次に、有名大学に通いながら金持ちの家で家庭教師をしている友人が留学するということで、その友人が帰ってくるまでの間の家庭教師を4人家族の長男・ギウが任される。
この長男は有名大学の受験を4回も失敗している設定で、日本の感覚からすると4浪するほど目指す価値のある大学とすれば医学部くらいのイメージで、医学部以外の有名大学を目指していたとしても、せいぜい1~2浪くらいで諦めてそこそこの大学に進学するのが一般的かなと思う。
だけど、4浪までして有名大学を目指すという事実に、韓国の強烈な学歴社会の現実を見せつけられている気がした。
ちなみに、韓国の10大財閥が、韓国のGDPの約75%を占めているらしい。
友人のツテで運よく金持ちの家に潜り込めたギウは、その家の幼い息子が絵に熱心ということで、美大を目指している妹・ギジョンを他人のフリをしながら推薦して、無事に妹も潜り込むことに成功する。
次は、姉の策略により専属の運転手が車内で女性とイチャコラしていることをでっち上げ、運転手をクビにさせた後、知り合いに良い運転手がいる伝え、今度は父親・ギテクが専属運転手として潜り込むことに成功する。
さらに、長い間家族に尽くしている家族を辞めさせるため父親が作戦を実行し、家政婦をクビにすることに成功し、優秀な家政婦などを手配してくれるVIP御用達の会社の名刺を渡し、最後に母親・チュンスクが家政婦として潜り込むことに成功する。
このように、序盤から中盤にかけて家族全員が金持ちの家に就職するまでのコメディ溢れる展開はお見事でした。
ここからはネタバレになるので具体的な内容は避けますが、コメディ映画かと思ったら急展開でサスペンスの雰囲気が漂い始め、最後の方には、貧困に生まれた人間は最後まで貧困なんだという韓国社会の現実を突きつけられて映画は終わります。
笑えるコメディ→ハラハラさせられるサスペンス→人物描写中心の人間ドラマといった要素をうまく盛り込みながら、映画全体が最後までスピード感があって最後までずっと楽しめる映画だったと思います。
ポスターの印象からもっと暗い感じの映画を想像していたのですが、良い意味で裏切られました。
韓国の社会問題を描いているけど割とエンタメっぽく描いているので、社会派映画というわけではないし、何かを訴えかけてくる感じの映画ではなかったですが、単純に一つの映画として完成度が高く面白かったです。