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『僕を育ててくれたテンダー・バー』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ジョージ・クルーニー 脚本:ウィリアム・モナハン |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2021年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 1時間44分 |
補足情報 | 原題:The Tender Bar |
『僕を育ててくれたテンダー・バー』のあらすじ
J・R(タイ・シェリダンD)は、生まれてすぐに父親のもとから離れて母親と2人で暮らしていたが、経済的な事情で母の実家へと戻ることになる。
母は実家に戻ることは人生の失敗を意味するとして嫌がっていたが、J・Rは、祖父母や叔父のチャーリー(ベン・アフレック)、その子供たちもいる明るい生活に喜びを感じていた。
そして、叔父が経営するバーに通いながら、叔父やバーの常連客達から生きる術を学びながら、J・Rは少しずつ大人になっていくーーー。
『僕を育ててくれたテンダー・バー』のキャスト
- ベン・アフレック
- タイ・シェリダンD
- リリー・レイブ
- クリストファー・ロイド
- マックス・マーティーニ
- リンジー・フェリス
- ブリアナ・ミドルトン
- マックス・カセラ
- ソンドラ・ジェームズ
『僕を育ててくれたテンダー・バー』の感想・評価
少年がバーでの繋がりを通して大人へと成長していく自伝物語
作家を目指す少年が、バーを経営する叔父やその常連客達から生きるための様々な術を学びながら、一人の自立した大人へと成長していく自伝に基づいた物語。
原作は、J・R・モーリンガーが2005年に発表した自伝本『The Tender Bar』です。
DV男の子供として生まれ、そのせいで自分に依存気味な母親のもとで育ったJRが、優しく温かくてカッコいい人生の師匠みたいな叔父や、個性的な常連客たちに見守られながら成長していくストーリーには心が温まる。
叔父役のベン・アフレックが、子供が憧れる大人って感じのイメージがめちゃくちゃ似合っててカッコよかった。
イェール大学に合格して同室になった友人2人とパーティーに行った際、JRは彼女がいた経験がないのにも関わらず、彼氏持ちのシドニーとあっという間に打ち解けてスマートに家に送る姿は、叔父やテンダー・バーから学んだ経験が活きた瞬間で思わずニヤッとしちゃう。
上層中流階級の下にいるシドニーの両親からちょっとした嫌味を言われた時にも、軽いジョークでいなしたり、パンチの利いた言葉で言い返すのも、大人たちに囲まれて育った感じが出ていて良かった。
初恋の相手のシドニーに、彼氏がいるから付き合えないと言われても何年もずっとアプローチをし続け、自分のことを認めてもらおうと頑張る姿は年相応の青年っぽくてなんか安心する。
それにしてもシドニーは悪い女よ。まぁ、可愛いし、知的だし、落ち着いてて大人っぽいし、JRが自分に気があるのをわかって小悪魔のようなあしらい方をするし、とても魅力的だけどね。
父親には強くいけなかった内気なJRが、声を荒げて父親を非難した瞬間、彼の中でハッキリとした自己が生まれた感じがしてスッキリ。
最後に、叔父がJRが子供の頃に乗せてもらっていた車をプレゼントするのカッコよすぎる。
あんな車の渡され方を一度はされてみたいものよ。
欲を言えば、もっとイェール大学時代の友人たちとの大学生活の模様が見たかったかな。
結局、大学生活のシーンで描かれたのはシドニーとの結ばれない恋くらいだったし、2人の友人のうちの1人は卒業してから全く出てこなかったのもなんか寂しかった。
それはそうと、車を運転するときに流れる素晴らしいサウンドの数々は、まるでロードームービーを見ているかのような高揚感が味わえるし、全体的に1970~1980年代のアメリカの雰囲気が感じられて良かった。
自伝だからビックリするような展開はなかったんだけど、一人の少年が成長する過程をじっくり楽しめる良い映画でした。