【感想・評価】映画『藁の楯』少女殺しに掛けられた懸賞金は“10億円”【★3.5】

【感想・評価】映画『藁の楯』少女殺しに掛けられた懸賞金は“10億円”【★3.5】

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『藁の楯』の作品情報

監督・脚本監督:三池崇史
脚本:林民夫
ジャンルアクション、サスペンス
製作年2013年
製作国日本
上映時間2時間4分
補足情報

『藁の楯』のあらすじ

元経団連会長である経済界の大物・蜷川隆興(山崎努)の7歳になる孫娘が、清丸国秀(藤原竜也)によって殺害された。
蜷川は逃亡中の清丸を殺すため、「この男を殺してください。お礼として10億円お支払いします。」という広告を複数の全国紙に掲載させた。
福岡で潜伏していた清丸は、自分を匿ってくれていた男に殺されそうになり、身の安全を確保するため警察に出頭した。
警察庁の上層部は、福岡から東京まで清丸を無事に移送するため、SPの銘苅(大沢たかお)と同じくSPの白岩(松嶋菜々子)を付けることに。
さらに、警視庁捜査一課の啓示である奥村(岸谷五朗)と神箸(永山絢斗)、福岡県警の関谷(伊武雅刀)と合流し、5人の護送メンバーで東京へと向かおうとするのだが・・・。

『藁の楯』のキャスト

  • 大沢たかお(銘苅一基)
  • 松嶋菜々子(白岩篤子)
  • 藤原竜也(清丸国秀)
  • 岸谷五朗(奥村武)
  • 伊武雅刀(関谷賢示)
  • 永山絢斗(神箸正樹)
  • 余貴美子(由里千賀子)
  • 山崎努(蜷川隆興)
  • 本田博太郎(大木係長)

『藁の楯』の感想・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3.5)

少女殺しに掛けられた懸賞金は“10億円”


ある少女を殺した殺人犯にその少女の祖父が10億の懸賞金を掛けたことで、殺人犯は様々な人から命を狙われることになり、SPを含む5人の護送班がそれらの脅威を阻止しながら殺人犯を福岡から東京まで移送する話。
原作は木内一裕さんの同名小説『藁の楯』です。

2003年にアメリカで公開された映画『S.W.A.T.』っぽい設定で、あっちは殺人犯が麻薬王で、敵はギャング集団で、懸賞金は100億円だったから、ちょっとスケールダウンした感じ。

SP役の大沢たかおの演技は言うでもないけど上手いし迫力あるしで物語に緊張感を与えてくれるのでめちゃくちゃ良い。
殺人犯の清丸を演じる藤原竜也は最初はちょっとカイジっぽさがあったけど、徐々にイカれた本性が露わになってくるのは見てるこっちまでムカついてくるほど。
ただ、日本の映画の演出の限界なのか、6歳の少女と7歳の少女を残酷な方法で殺したというほぼ客観的な事実のみしか明かされていないため、清丸の残虐さにいまいち説得力がなかったような気がした。

まぁ、幼い子の暴力シーンなんて見たくはないんだけど、もう少し清丸のヤバさを表現できる方法がなかったのかなと思う。

10億円という報酬(未遂でも実行者には1億円入る)に目が眩んで清丸を殺そうとする人たちと、SP5人との攻防が話のメインだけど、ほとんどの人が銃を持てないしギャングってほどの組織もいないからどの展開も地味な手段が多い。
国民性の問題なのか集団で襲うみたいな展開もないので、どれも単発でパッと終わった感じがしてちょっと物足りなかった。

あと、ノンフィクションにあれこれ言うのもなんだけど、パトカーを吹っ飛ばす勢いで迫って来る大型トレーラーを手を振って止めようとする警察がなんかアホっぽい。
途中で護送班の中に裏切り者がいるんじゃないかと疑ってボディチェックするけど、それが中途半端(というか一部やっていない?)せいで後々影響が出てくるのもツメが甘い。

松嶋菜々子演じる白岩は、殺人犯に「あそこに誰かいる」と言われそっちを警戒するあまりヤツを取り逃がしてしまうというアホっぷり。小学生がよくやる「あっ!UFOいる!」レベルのウソに引っ掛かるのヤバいよ。
長時間色々なことがあって疲弊してるとかならわかるけど、特に疲れた描写もないからただの凡ミスにしか見えない。
せめて、疲弊してる描写があれば・・・という感じ。

しかもその後にも、不用意に殺人犯に背を向けた状態で他のSPが電話しているのを凝視してたせいで、ヤツに頭を殴られて銃を奪われて撃たれてしまうというアホっぷりを発揮。
なんか大沢たかお演じる銘苅より優秀って設定だったよね?最初の銃を撃った後のドヤ顔はマジでなんだったの。もうあれただのフリじゃん・・・。

物語の展開を無理矢理作るためにキャラのIQを急に下げるみたいなやり方が個人的には好きじゃないので、あの2回の凡ミスのせいで一気に話のシリアスさが薄れちゃったような気がした。

役者の演技は良かったし話も面白いと言えば面白かったんだけど、設定の珍しさと展開の手数でごまかして、それぞれの人物描写がおろそかになってたせいか、色々な出来事にあまり感情移入ができなかった。
残虐な殺人犯の命は罪なき警察官たちの命を犠牲にしてまでも守るべき価値があるものなのか?という問いかけも、深いようでしっくりこなかった。
役者の演技と設定の珍しさは楽しめました。

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