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『ユナイテッド93』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ポール・グリーングラス 脚本:ポール・グリーングラス |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2006年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 1時間51分 |
補足情報 | 原題:United 93 |
『ユナイテッド93』のあらすじ
2001年9月11日、アメリカ航空2機とユナイテッド航空2機の計4便がテロリストによってハイジャックされた。
2機の飛行機がワールドトレードセンター(世界貿易センター)に衝突し、1機がアメリカ国防総省(ペンタゴン)に衝突した。
ハイジャックされた残りの1機であるユナイテッド93便では、飛行機の制御を取り戻すため、乗客と乗組員たちが4人のテロリストたちに立ち向かうことを決意する。
『ユナイテッド93』のキャスト
- ハリド・アブダラ
- ポリー・アダムス
- オパル・アラディン
- ルイス・アルサマリ
- デヴィッド・アラン・ブッシェ
- リチャード・ベキンス
- スターラ・ベンフォード
- オマー・バーデゥニ
- スーザン・ブロンマート
- レイ・チャールソン
- クリスチャン・クレメンソン
- ライザ・コロン・ザヤス
- ゲイリー・コモック
- ローナ・ダラス
- デニー・ディロン
- トリエスト・デュン
- トリッシュ・ゲイツ
- ケイト・ジェニングス・グラント
- ジェイミー・ハーディング
- ピーター・ハーマン
『ユナイテッド93』の感想・評価
アメリカ同時多発テロ事件でのハイジャック犯と乗客たちのやり取りを再現した衝撃作
2001年9月11日に起こった「アメリカ同時多発テロ事件」で、ハイジャックされた1機(ユナイテッド93)で行われたハイジャック犯と乗客・乗組員たちとの戦いを映像化した作品。
管制塔や飛行機内でのやりとりを見ていると、自分がまるで9/11事件の真っ只中にいるような混乱と恐怖を覚える。
これがフィクションであれば、劇的な展開や衝撃的なハプニングがあるのだろうが、実話を基に作られた話なので映画的な盛り上がりはない。
その分、よりリアルに感じられる映像となっているので、鈍痛となってジワジワと胸を締め付けられるような感覚に陥る。
管制塔でのやり取りが特にリアルに感じられた。
最初にハイジャック犯と思わしき声を聴いた一人が上層部に報告した後、周りは焦ることもなくパニックになることなく、淡々と状況確認と対処法を話し合い、指示していく。
まるで、当たり前のように毎日起こる出来事に対処していくような冷静なやり取りだった。
映画的展開であれば、ドタバタとした慌ただしい演出があると思うが、それは一切ない。
それも序盤だけで、ハイジャックが1機ではなく複数であることが判明し、ワールドトレードセンターに1機の航空機が衝突してから事態は一変する。
現場が混乱し、情報が錯綜していく様子が丁寧に描かれることで、「ああ、これはフィクションじゃないんだ」と思わされる。
特に印象に残ったのはラストで、乗客が操縦室に雪崩込み、ハイジャック犯からなんとか操縦桿を奪おうとするシーン。
「よし!よし!行けーーーー!!!」という気持ちで応援していたのも束の間。
飛行機が地面に突っ込み、画面がブラックアウトし映像が途切れた。
アメリカ同時多発テロ事件はリアルタイムでニュースを見ていたが、ワールドトレードセンターに2機の飛行機が衝突したことしか知らなかった自分にとって、衝撃的なラストだった。
てっきり、犯人から操縦桿を奪い取り、ハイジャックされた4機のうち1機だけは無事だったという結末を期待していた。
期待というよりは、“そうであって欲しい”という願望に近い感情かもしれない。
だが、その願望は虚しくも叶わず、これは映画であり映画ではなかったということに気づかされた。
この映画のほとんどを管制塔でのやり取りが占めているため、人によってはそこは退屈に思えてしまうかもしれないが、現実として、ハイジャック犯に立ち向かった勇気ある人たちがいたことを忘れないためにも、ぜひ観てみて欲しいと思う。