【感想・評価】映画『アメリカン・フィクション』ステレオタイプの黒人像に対する風刺とブラックユーモアが効いたコメディ映画【★4.0】

【感想・評価】映画『アメリカン・フィクション』ステレオタイプの黒人像に対する風刺とブラックユーモアが効いたコメディ映画【★4.0】

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『アメリカン・フィクション』の作品情報

監督・脚本監督:コード・ジェファーソン
脚本:コード・ジェファーソン
ジャンルドラマ、コメディ
製作年2023年
製作国アメリカ
上映時間1時間58分
補足情報原題:American Fiction

『アメリカン・フィクション』のあらすじ

小説家のモンク(ジェフリー・ライト)は、ステレオタイプの黒人像をエンタメとして消費し、利益を得ている世の中にうんざりしていた。
そこで、ダメ親父、ラッパー、ドラッグ、そして最後は警官に殺されるなどの、白人たちがイメージする黒人像を盛りに盛り込んだ風刺小説『マイ・パフォロジー』を執筆する。
ステレオタイプの黒人像で金儲けする出版社に対する皮肉と問題提起のために書き上げたゴミみたいな小説をいくつかの出版社に送り付けてみたところ、ある出版社から前金として、“75万ドル”もの大金が提示されてきて・・・。

『アメリカン・フィクション』のキャスト

  • ジェフリー・ライト
  • トレイシー・エリス・ロス
  • ジョン・オーティス
  • エリカ・アレクサンダー
  • レスリー・アガムズ
  • アダム・ブロディ
  • キース・デヴィッド
  • イッサ・レイ
  • スターリング・K・ブラウン

『アメリカン・フィクション』の感想・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

ステレオタイプの黒人像に対する風刺とブラックユーモアが効いたコメディ映画


作家で黒人の男が、いつまでもステレオタイプの黒人像を抱く白人に対し、皮肉を込めてこれでもかとステレオタイプの黒人像を盛り込んだ小説を書いたところ、爆発的ヒットを叩き出してしまう話。

最初の5分でもう面白いし、随所に散りばめられた皮肉を込めたブラックユーモアにニヤリとした笑いが出てきてしまう。
軽いファミリードラマを交えながら展開が進むので、内容自体は重たいんだけどストーリーは軽やかでポップな仕上がりになっている。

「白人たちはみな、黒人にはダメ親父がいて、ラップが好きで、ドラッグをやってて、最後は白人の警察官に殺されるみたいなステレオタイプの黒人が好きなんだろ?そんなわけないだろ。俺はそんな人間じゃないし、周りにもそんな人間はいないんだ。
ステレオタイプの黒人像は、白人がエンタメとして黒人を消費したり、白人であることの罪悪感から逃れるために作り出した虚像なんだよ。
そんな黒人はお前らの周りにいるか?いないだろ?
そうだ、お前らの目を覚ましてやるために、お前らが好きそうな“黒人らしい悲劇のストーリー”を書いてやる、もちろんたっぷりの皮肉を込めてな。
こんな本が売れるわけがない、だってそうだろ?こんな黒人たちはお前らが生きている世界に存在していないじゃないか。
いい加減目を覚ませ、こんな黒人はお前らの頭の中にしか存在していないんだよ。」
とでも言いたげに(個人の妄想)本を書き上げたら白人にバカ受けというのは、シンプルだけど強烈に皮肉が効いてた。

そして、白人たちはいつまでもステレオタイプの黒人像を持っているというのも、黒人が感じているステレオタイプの白人像かも知れない。

そして、白人たちはいまでもステレオタイプの黒人像を持っていて、そのイメージに黒人たちは悩まされている。というのも視聴者が持つステレオタイプの白人・黒人像かも知れない。

視聴者はこういう話が好きなんだろ?というのも映画を作った側が感じるステレオタイプの視聴者像なのかもしれない。

だからこそ、いろんな先入観や過去のイメージに囚われず、いま目の前にいる人を見て、ちゃんとその人の言葉を聞いて、みたいなメッセージが、家族ドラマのシーンに込められていた気がした。

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