この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
目次(タップして移動)
『ドリームプラン』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ライナルド・マルクス・グリーン 脚本:ザック・ベイリン |
ジャンル | ドラマ、スポーツ、伝記 |
製作年 | 2021年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 2時間24分 |
補足情報 | 原題:King Richard |
『ドリームプラン』のあらすじ
女子テニス界のスーパースター、ビーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズ姉妹を育てた父親の伝記映画。
リチャード・ウィリアムズ(ウィル・スミス)は、妻のブランディ(アーンジャニュー・エリス)、3人の義理の娘、そして2人の実娘であるビーナス(サナイヤ・シドニー)とセリーナ(デミ・シングルトン)とともに、アメリカ・カリフォルニア州のコンプトンで暮らしていた。
リチャードはビーナスとセリーナが生まれる前、テレビで見たプロテニス選手が4日で4万ドルもの大金を稼ぐのを見て、子供をプロテニスプレーヤーに育てようと決意。
テニス未経験にも関わらず、独学でテニスのトレーニング方法などを記した78ページに及ぶ成功のための計画書を作成するーーー。
『ドリームプラン』のキャスト
- ウィル・スミス
- アーンジャニュー・エリス
- サナイヤ・シドニー
- デミ・シングルトン
- トニー・ゴールドウィン
- ジョン・バーンサル
- リーヴ・シュレイバー
『ドリームプラン』の感想・評価
偉大なテニスプレイヤー・ウィリアムズ姉妹を育てた父親の実話の物語
偉大な女子プロテニスプレイヤーのビーナス・ウィリアムズとセリーナ・ウィリアムズ姉妹を育てた父親にフォーカスしたスポーツ伝記映画。
タイトルとポスターから「親子で夢を叶えるまでのサクセスストーリー」っぽい印象を受けたけど、原題が『King Richard』だから、姉妹の話と言うよりはその父親の話が中心です。
相変わらずのウィル・スミスの名演技で、子供の成長や成功を願う一方、まだ幼い子供たちが過剰な成功体験により道を踏み外さないように子供に謙虚であり続けるよう諭したり、周りの大人が彼女たちを過剰に持ち上げようとすると制したりと、子供を何よりも大事に思っている感じが出ていて良かった。
テニスをやっているシーンもちゃんと面白くて、父親を含めたいろんなタイプのコーチによる熱血指導は彼女たちへの期待感の高さが伝わってくるし、試合はもちろんハイライト的な展開しかしないんだけどスポーツ映画としても面白かった。
ただ、子供が生まれる前に作成した78ページにも及ぶプランが生まれるまでのエピソードも、そのプランがどういう内容だったかも、どんな練習をしていたかもそんなに詳しく描かれていないから、いつの間にか姉妹たちは上手くなって、良いコーチに実力を認められて、良い環境でテニスをすることができたって感じで、あっさりしすぎていた感じもした。
これに関しては、ウィリアムズ姉妹が偉大なプロテニスプレイヤーになるまでの過程ではなく、そんな彼女たちをどのようにして父親が育てたかと言う話だから仕方がないんだけれども、姉妹たちは父親のやり方に反発しなかったのかな?たまたま始めさせられたテニスが彼女たちには合っていて、父親のやり方も彼女たちが納得するやり方だったって解釈であってるのだろうか・・・。
あと、ちょっと父親を偉大な人のように描きすぎている感じがしたかな。
子供を大人から守るような演出はいくつもあったけど、自分が幼い頃に体験した強烈な人種差別とそれらから守ってくれなかった父親の姿を払拭するように、「子供を偉大な人間に育て上げた父親像」を目指すべく、自己実現のために娘を利用しているようにも見えた。
そういった直接的な演出も描写もなかったのだけれども、最初に娘たちにテニスを始めさせた理由がテニスプレイヤーが4日で4万ドルを稼いだのを見て自分の収入が情けなくなり、元々3人子供がいたけどさらに2人子供を作り自分で考えたプランを実行させようとしたのが始まり。
それで、この映画が完璧に史実ではないというのもわかった上で、父親であるリチャード・ウィリアムズやウィリアムズ姉妹を含む家族たちの映画以前の話や映画の後の話を調べてみた結果、この映画で描かれているほど良い父親ではなかった印象を受けた。
この映画の大部分が、リチャード・ウィリアムズの同意や脚本への参加がされているらしく(本人が直接そう証言しているわけではない)、もしその話が事実であれば、ヒューマンドラマ仕立てにして父親が素晴らしい人間だと観客に思わせるような脚色が結構されているのかもしれない。
映画としては面白かったけど、伝記映画としては不誠実だなという感じです。