【感想・評価】映画『エンドロールのつづき』インドの田舎町に住む少年が映画と出会い魅了されていく【★4.0】

【感想・評価】映画『エンドロールのつづき』インドの田舎町に住む少年が映画と出会い魅了されていく【★4.0】

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『エンドロールのつづき』の作品情報

監督・脚本監督:パン・ナリン
脚本:パン・ナリン
ジャンルドラマ
製作年2021年
製作国インド、フランス
上映時間1時間52分
補足情報原題:Last Film Show

『エンドロールのつづき』のあらすじ

インドの田舎町に住む9歳の少年・サマイ(バヴィン・ラバリ)は、学校に通いながら父親のチャイ店を手伝うという生活を送っていた。
映画を低俗なものとして嫌っている父親だったが、信仰するカーリー女神が題材の映画は特別らしく、家族4人で街に映画を観に行くことに。
初めて観る映画に一瞬で魅了されたサマイは、店の売り上げを盗んだりこっそり映画館に忍び込んだりして、その後も映画を楽しんでいたが、それがバレてしまい外につまみ出されてしまう。
そんな時、偶然出会った映像技師のファザルから、母親が作る弁当をくれれば映写室で映画を見せてやると提案される。
そして、映写機の小窓から観る数々の映画に圧倒されたサマイは、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱き始めるがーーー。

『エンドロールのつづき』のキャスト

  • バヴィン・ラバリ(サマイ)
  • リチャ・メーナ(サマイの母)
  • ディペン・ラヴァル(サマイの父)
  • ラウール・コーリ
  • ビーカス・バータ

『エンドロールのつづき』の感想・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

インドの田舎町に住む少年が映画と出会い魅了されていく


インドの田舎町に住む少年が映画と出会い魅了されていく話で、なんだか『ニュー・シネマ・パラダイス』を彷彿とさせるが、監督のパン・ナリンさんが経験した実話がベースのドラマ映画。

主人公のサマイが始めて映画を観たときの目の輝きや、映写機から出る彩光に手を伸ばして掴もうとするシーンや、色のついたガラス越しに外の世界を映し出すところだったり、ガラクタや自然の物を集めて創意工夫で映画っぽいものを作り上げていく様子は子供心が全開で見ていて微笑ましい気持ちになるとともに、少しのノスタルジーを感じさせてくれる。

お金がなく自由に映画を見に行くことが出来ない子供たちが集まって、なんとか映画館の設備を再現しようとする好奇心も行動力も羨ましくなる。
ただ、さすがに子供たちだけではあれだけ本格的な物を作るのは無理だろうし、フィルムを大量に盗むという行為には雑念が湧いてくる。
映画とは言えフィルムを盗み過ぎだし盗まれ過ぎじゃないか?とか、それまでこじ開けたカギを起用に戻したりと賢く色々やってた子たちが盗んだものを戻さずに放置するかな?と思った。

話を変えて、メインのストーリー以外にも面白いシーンがたくさんあった。
「インドには2つの階級がある。それは英語ができる人とできない人だ」というセリフにはインドでの格差社会の現実を感じた。
サマイの父親がやってる駅前のチャイ店は、技術の進歩に押されて店を畳まなければいけなくなるので、時代の流れに取り残されていく人たちの様子が伺える。
あと、サマイのお母さんが作る料理がやたらとおいしそう&インスタ映えしそうな見た目だったので、急に料理映画が始まったのかと思った。

インド映画は大勢の人が一斉に踊るイメージがあったけど、この映画では映画の踊るシーンに合わせて映像技師とサマイがちょっと踊るだけなので、インド映画らしい雰囲気とインド映画らしくない雰囲気の2つが合わさった新しいインド映画の面白さを見れた気がして良かった。

ラストシーンでは、サマイの心情を投影するかのように淡々と物語が描かれていく演出は引き込まれるし、古い物が新しい物に生まれ変わっていく様子は、サマイのこれからの明るい未来を映し出している感じがしてとても良かった。

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