【映画感想・レビュー】映画『荒野にて』孤独な少年と引退した競走馬による長い旅路

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映画『荒野にて』の作品情報

監督・脚本監督:アンドリュー・ヘイ
脚本:アンドリュー・ヘイ
出演者チャーリー・プラマー
エイミー・サイメッツ
スティーヴ・ブシェミ
クロエ・セヴィニー
トラヴィス・フィメル
ルイス・プルマン
スティーヴ・ザーン
アリソン・エリオット
レイチェル・ペレル・フォスケット
ジャンルドラマ
製作年2017年
製作国イギリス
上映時間2時間2分
補足情報原題:Lean on Pete

映画『荒野にて』のあらすじ・内容

オレゴン州ポートランドのデルタ・パーク、15歳のチャーリー(チャーリー・プラマー)は、父親のレイと2人で静かに暮らしていた。
チャーリーがいつものようにランニングをしていたところ、デルタ・パーク内で馬主のデルと知り合い、厩舎で馬の世話をする仕事をもらえることとなった。
チャーリーは、もうすぐで引退する予定の落ちこぼれた競走馬・リーン・オン・ピートと出会い、仕事を続けていく中で二人は絆を深めていく。
そんなある日、父親の浮気が原因で浮気相手の旦那が家に襲撃、その時の傷が原因で父親が亡くなってしまう。
さらには、レースで勝てなくなったことが原因で、ピートがメキシコに売られることが決まってしまった。
父親を亡くした上に、ピートまで失ってしまうことを受け入れられないチャーリーは、ピートをデルのトレーラーに積んで、伯母のマージがいると思われるワイオミング州を目指して走り出すのだった。

映画『荒野にて』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

孤独な少年と引退した競走馬による長い旅路


両親を失った孤独な少年・チャーリーと引退した競走馬・リーンオンピートと一緒に、唯一の身内である生き別れの叔母を探すロードームービー。

地味だけど先の読めないストーリーに目が離せない。

主演のチャーリー(チャーリー・プラマー)の演技が素晴らしくて、孤独と不安を抱えた貧しい表情から、ピートという心の拠り所を見つけた時の少年らしい純粋さをすごく上手に演じていたと思う。

チャーリーは馬や車を盗んだり、物やガソリンを盗んだり、食い逃げしたり、人を殴ったりと色々と悪いことをするし、それを本人はあまり悪いと思っていない様子を見ていても、あまり責められないというか。
学校に通えない貧困層の一種の現実を突きつけられたような気がして、物語が進むにつれて胸が苦しくなっていく。

ネタバレになっちゃうけど、最後は比較的ハッピーエンドで終わるからそこがせめてもの救いかな。

映画全体は静かだし、結構地味な展開が続くので退屈な人は退屈だと思うけど、僕は少年の行動に最後まで目が離せなかった。

原題の『Lean on Pete(リーンオンピート)』は、主人公が連れて歩いていた引退した競走馬の名前。
「リーンオン」という言葉には「寄りかかる」という意味があるので、孤独といった同じような境遇で、心の拠り所でもあるピートに寄りかかる(助けや救いを求める)といった意味も含まれているんだと思います。