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【映画感想・レビュー】映画『善き人のためのソナタ』一人の秘密警察の心を変えた、一曲の《ピアノソナタ》

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映画『善き人のためのソナタ』の作品情報

監督・脚本監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演者ウルリッヒ・ミューエ
マルティナ・ゲデック
セバスチャン・コッホ
ウルリッヒ・トゥクール
トマス・ティーマ
ハンス=ウーヴェ・バウアー
フォルクマー・クライネルト
マティアス・ブレンナー
チャーリー・ヒュブナー
ヘルバート・クナウプ
ジャンルドラマ、スリラー
製作年2006年
製作国ドイツ
上映時間2時間18分
補足情報原題:Das Leben der Anderen/The Lives of Others

映画『善き人のためのソナタ』のあらすじ・内容

舞台は1984年の東ベルリン、国民を監視するシュタージ(国家保安省)の職員であるヴィースラー(ウルリッヒ・ミューエ)は国家に忠誠を誓っていた。
そんなある日、彼は有名な劇作家のゲオルク・ドライマン(セバスチャン・コッホ)とその恋人で舞台女優のクリスタ・マリア・ジーラント(マルティナ・ゲデック)を監視することを命じられる。
そんなある日、いつものように彼らの生活を監視していたヴィースラーだったが、ドライマンが弾いたベートーヴェンのピアノソナタ《熱情》を聴いたことで、彼の心は激しく揺さぶられるーーー。

映画『善き人のためのソナタ』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4.5)

一人の秘密警察の心を変えた、一曲の《ピアノソナタ》


てっきり実話なのかと思って観ていたら、ナチスとか秘密警察(シュタージ)とか状況は史実通りなんだけども、ストーリー自体はフィクション。

印象的だったシーンは、たまたまエレベーターで乗り合わせた少年とのやり取りとか、娼婦を呼ぶシーンや、バーでクリスタに話しかけるシーンなどで、ヴィースラー大尉が冷酷な機械のような人間ではないことを表す重要な場面だった。

あとは、ドライマンのピアノによるベートーヴェンのピアノソナタ《熱情》を聴いたときに涙を流すシーンも印象的だったかな。
ただ、あの瞬間からヴィースラーの心がガラッと変わるんだけど、それまでナチスに忠誠を誓う冷酷な機械のような男が、あの一曲でなぜそこまで心を揺さぶられたのかがあまり伝わらなかったのは残念。

ドライマンは、ピアノを弾いた後に「この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない」というけれど、あの曲にそれだけの力があると信じているのはなぜなのだろう?
いや、理屈で考えてはいけないのか。ただの何気ない一曲を本気で聴くくらい、ヴィースラーは彼らの生活をしっかりと監視していた(職務を全うしていた)ということなのだろうか。

あのシーンでヴィースラーが心変わりをするのが若干唐突な印象を受けたが、そのことを差し引いても、良いシーンではあった。

ラストの終わり方はとても良かった。
あのラストだけでも、それまでのすべての過程に意味があったと思えるくらいの価値があるシーンだった。

余談で映画タイトルの話をすると、

原題の『The Lives of Others』は、直訳で「他人の生活」。
邦題の『善き人のためのソナタ』は、映画で出てくる一冊の本のタイトル。

この作品をオススメしたい人は、第二次世界大戦後のナチスの体制を知りたい人や、心にグッとくる映画が見たい人です。