【映画感想・レビュー】映画『水曜日が消えた』“曜日”ごとに入れ替わる7人の“僕”

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映画『水曜日が消えた』の作品情報

監督・脚本監督:吉野耕平
脚本:吉野耕平
出演者中村倫也(中村友也)
石橋菜津美
中島歩
休日課長
深川麻衣
きたろう
ジャンルサスペンス、ドラマ
製作年2020年
製作国日本
上映時間1時間44分
補足情報

映画『水曜日が消えた』のあらすじ・内容

幼い頃の交通事故により、1人の人間の内側に曜日ごとに入れ替わる7人の“僕”が誕生した。
性格も個性も全く異なる7人、他の曜日の“僕”とは直接会うことも話すこともできないため、日記や付箋を残すことで互いのことを知るようにしていた。
その中でも、“火曜日“の僕は地味で真面目な退屈な存在で、掃除や荷物の受け取り、通院といった“他の曜日”の僕が嫌がることを押し付けられ、単調な1日をを送っていた。
そんなある日、いつものように“火曜日”の僕は目覚めるのだがーーー。

映画『水曜日が消えた』の感想・レビュー

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

“曜日”ごとに入れ替わる7人の“僕”


幼い頃の交通事故が原因で、(おそらく)解離性同一性障害(多重人格障害)により、誕生した7人の人格の内、最も地味で真面目な“火曜日”の僕目線で、当たり前の日常が徐々に崩れ去っていく恐怖を描くサスペンスドラマ。
ガチサスペンスというよりは、コメディも織り交ぜたサスペンスって感じかな。

最初の方は、それぞれ性格や個性も違う7人が付箋を中心にお互いの意見をぶつけ合っていく感じとかコメディっぽくて面白いし、お互いを知るための日記やクローゼット、それぞれが持つ机の感じとかで、7人全員の描写はないにしても、こういう性格なんだろうな~というのが見えてくるのでそれもまた面白い。

ただ、タイトルの『水曜日が消えた』とあるように、ある日“火曜日”の僕が目覚めたのは、来週の“火曜日”ではなく翌日の“水曜日”ということで、状況が一変する。

気付いたときは、今までなかった珍しい状況に戸惑いながらも、火曜日には休館日で行けなかった図書館にも行くことができ、そこで素敵な出会いが生まれたり、夜更かしする楽しさを知って、“水曜日”を満喫する様子は見ていて微笑ましい。

徐々に体に異変が起き始めたことで、“良くないことが体に起きてる”とわかっていながらも、病院の先生やいつも家に来る友人にも黙っていたりと、“別の曜日に生きる喜び”に気が付いてしまい、なかなかそれを手放すことができない葛藤も演技からすごく伝わってきた。

これ以上言うとしっかり目なネタバレになってしまうので内容について触れるのは惹かれるが、映画全体を通して中村倫也の演技力が光った作品だなと感じた。

エンドロールの演出もすごくいいので、最後までしっかり観て欲しいです。

疑問や不満があるとすれば、20代?くらいでやたら大きい家とかが非現実的だったり、仕事をしている曜日が2日?くらいしかなかったぽいので収入はどうしてるのかなとか気になったり、ラストもなんであの決断をしたのかが気になった。

原作は本田壱成さんの同名小説『水曜日が消えた』なのですが、自分はまだ読んでいません。
もしかしたら、上記の疑問点も小説には描かれているかもしれないので、映画の内容を補完したという人はこちらを読んでみるのがお勧めだと思います。