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『第9地区』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ニール・ブロンカンプ 脚本:ニール・ブロンカンプ、テリー・タッチェル |
ジャンル | SF、アクション、ドラマ |
製作年 | 2009年 |
製作国 | アメリカ、ニュージーランド |
上映時間 | 1時間51分 |
補足情報 | 原題:District 9 |
『第9地区』のあらすじ
1982年、南アフリカ・ヨハネスブルグの上空に突如として巨大な宇宙船が出現した。
しかし、その宇宙船は3ヶ月の間まったく動きがなく、人類は船体に穴を空けて突入を試みると、そこには栄養失調で動けなくなったエイリアンたちが大量に存在していた。
南アフリカ政府は、とりあえず宇宙船の真下に「第9地区」と名付けた臨時キャンプ場を作り、彼らを住まわせることにーーー。
それから28年後、エイリアンたちの増加や人間たちからの反発が強まったことで、彼らを新たに用意した隔離区域に移動させることが決定する。
エイリアンを管理する超国家機関・MNUの職員のヴィカス(シャールト・コプリー)は、彼らから立ち退き要請の同意を得るために「第9地区」へと出向く。
そして、エイリアンの一員であるクリストファー・ジョンソンの住居で見つけた謎の液体を浴びたことで、ヴィカスの身体が徐々にエイリアンの身体へと変異してしまう・・・。
『第9地区』のキャスト
- シャールト・コプリー(ヴィカス・ファン・デ・メルヴェ)
- デヴィッド・ジェームズ(クーバス大佐)
- ジェイソン・コープ(クリストファー・ジョンソン)
- ヴァネッサ・ハイウッド(タニア・ファン・デ・メルヴェ)
- ナタリー・ボルト(リヴィングストン)
- シルヴァン・ストライク
- ジョン・サムナー
- ウィリアム・アレン・ヤング(ダーク・マイケルズ)
- グレッグ・メルヴィル=スミス
- ニック・ブレイク(モラヌー)
- ケネス・ンコースィ(トーマス)
『第9地区』の感想・評価
地球に不時着したエイリアンとの共存
なんらかの理由で地球に不時着(?)したエイリアンたちを取り締まる立場にいた主人公が、ある理由で自分もエイリアンに近い姿になって組織から追われる話。
エイリアンと全面戦争とか、エイリアンに地球が占領されて人間が支配下にいるとか、地球に来たエイリアンと平和的解決を望むとか、そういうエイリアン映画は見てきた。
けれど、そういうのとはまた違ったタイプのSF映画で、アフリカの隔離された地区で難民のように生活しているエイリアンなのは新しい。
序盤はドキュメンタリータッチでリアルな感じを出しながら、まず何が起こったのかをざっと説明してくれるので物語がとてもわかりやすいし、主人公に何かが起きたことだけが提示されるのでミステリーっぽい雰囲気が出ていて良い。
その後は、エイリアンの管轄を任された国家組織が、地元住民からの強い反発を受けたため、エイリアンたちを遠くに移動させるために彼らが住んでいる第9地区へと出向く。
そこで初めてエイリアンたちと人間がやり取りするんだけど、彼らとは言語が違うのに普通に会話が出来たり、武力行使で強制的に移動させるわけでもなく同意書にサインをもらおうとするなど、なんとも人間と人間らしいやり取りが続く。
これだけ見ると人間側がすごく優しくエイリアンを受け入れているように見えるんだけど、移動させる本当の目的は彼らの高度な技術を備えた武器を奪うことだったり、ギャングたちは彼らの好物のキャットフードを法外な値段で売りつけてたり、組織が裏でエイリアンを解剖して実験してたりと、人間の醜い部分がたくさん出てくる。
エイリアン側が悪として描く映画は多いけど、人間側を悪として描くSF映画はちょっと斬新。
というか、全体的に移民や難民がエイリアンという存在に置き換わっただけで、エイリアン差別だったり、地区がスラム化してたり、エイリアンが住むことに反対する人たちが出てきたり、逆に人権(?)団体が出てきたりと、やってることはかつての南アフリカで行われていたアパルトヘイト(人種隔離政策)っぽい。
前半は人間とエイリアンとのやり取りが多めで、SF映画ながら社会派映画のようだけど、後半ではエイリアンの姿になりかけてる主人公と1匹(?)のエイリアンが共闘して、主人公を人体実験しようと追って来るやつらを追い払うアクション映画に変わって面白い。
彼らの高度な技術で作られた様々な武器だったり、乗って操縦できる小型のロボットだったりと、すごくSF映画らしいものが出てきたりと興奮する。
最後の方では心がじんわりとするドラマのような演出があったりと、映画全体を通して二転三転と違う面白さが出てくる良い映画でした。
エイリアンの見た目がエビみたいなのも珍しく、個体によって色が違うのも可愛いかったです。