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『ミュンヘン』の作品情報
監督・脚本 | 監督:スティーヴン・スピルバーグ 脚本: |
出演者 | サスペンス、ドラマ |
製作年 | 2005年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 2時間44分 |
補足情報 | 原題:MUNICH |
『ミュンヘン』のあらすじ
1972年、ドイツ・ミュンヘンオリンピックの開催中、パレスチナの過激派組織“黒い九月”がイスラエルの選手団がいる宿舎を襲撃。
抵抗した2名を殺害、残る9名を人質とし、イスラエルに収監されているパレスチナ人のテロリストたちの解放を要求するが、最終的に人質11人全員が死亡するという最悪の結末を迎えてしまう。
この事件を受け、イスラエル政府は報復を決意、イスラエルの諜報機関“モサド”に所属するアヴナー(エリック・バナ)をリーダーとする5名の報復部隊が結成された。
そして、テロに関与した11名のパレスチナ人を次々と殺していくのだが・・・。
『ミュンヘン』のキャスト
- エリック・バナ(アヴナー)
- ダニエル・クレイグ(スティーヴ)
- キアラン・ハインズ(カール)
- マチュー・カソヴィッツ(ロバート)
- ハンス・ジシュラー(ハンス)
- ジェフリー・ラッシュ(エフライム)
- アイェレット・ゾラー(ダフナ)
- ギラ・アルマゴール(アヴナーの母)
- マイケル・ロンズデール(パパ)
- マチュー・アマルリック(ルイ)
- モーリッツ・ブライブトロイ(アンドレアス
- ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(シルヴィー
- メレト・ベッカー(イヴォンヌ
- イヴァン・アタル(トニー
- マリ=ジョゼ・クローズ(ジャネット
- アミ・ワインバーグ(ツヴィ・ザミール
- リン・コーエン(ゴルダ・メイア
- アモス・ラヴィ
- マクラム・フーリー(ワエル・ズワイテル
- ヒアム・アッバス
- ジャメル・バレク
- オマー・メトワリー
- メーディ・ネブー(アリ・ハッサン・サラメ)
『ミュンヘン』の感想・評価
1972年のミュンヘンオリンピック中に起きた悲劇への報復
1972年のドイツ・ミュンヘンオリンピック中に起きた、パレスチナの過激派組織によるイスラエル選手11名の殺害の報復として、イスラエルの諜報機関から選ばれた5人がテロに関与したパレスチナ人11名を次々と殺していく実話をもとにした話。
原作はジョージ・ジョナスによるノンフィクション小説『標的(ターゲット)は11人 モサド暗殺チームの記録』。
創作の部分はあるものの、アヴナー率いる暗殺チームは実際に存在していたらしい。
魅せるような派手な銃撃戦やアクションもなく、華麗に暗殺していくわけでもないが、報復としてパレスチナ人を暗殺していく途中で、過激派組織も報復のために世界の大使館に手紙爆弾を送ったりしてくるので、報復しても報復で返されて負の連鎖が一生終わらないのが伝わって来る。
テロリストを殺したとしてもまたすぐに後継者が出てくるし、しかも仲間が殺された分、憎悪が上乗せされてより凶悪な人間が生まれてしまう。
先が見えない戦いを続けていく内に、政府側の人間も殺されていくが、自分たちの脅威となるテロリストたちがいなくなるまで消耗品のように使い潰されてしまう。
主人公はこの最悪のいたちごっこを続けていくことに意味があるのかと政府側の人間に問うが、もちろんこの戦いを止める気なんて一切ない。
この戦いに意味があるのかもわからないし、終わりが来るのかはわからないけど、どちら側も相手が降参するまでやめない。
終わりの見えない報復行為に加え、一方的に追う立場だったはずがいつの間にか追われる立場に回ったことにより、徐々に精神が摩耗していく主人公を見ていると、映画を観終わった後は途方もない虚無感のようなものがどっと押し寄せてくる。
単純に映画が長いのもあるけど、ずっと途方もない戦いを繰り返しているから地味ながら面白いけどすごく疲れる映画でした。
ちょっと気になったのは、選ばれたモサドのメンバーがなんか素人臭かったこと。
過程が描かれていないだけなのか自分たちで調査することはほとんどなく、とにかく情報源にお金を積んで情報をかき集めながら、焦りながら銃をぶっ放して殺したり、爆弾の火薬の量を間違って仲間が死にかけたり、爆弾が爆発しなかったり、敵対組織と相部屋しちゃったりと、「なんか、大丈夫?」みたいな展開が多かった。
実際のスパイは意外とこんなものなのか?とか、現代のモサドは世界でもトップクラスの諜報機関らしいけど今から50年前だとそこまで優秀じゃなかったのか?とか、素人臭い理由を探しながら見てしまった。
あと、テロ行為による報復と書いてきましたが、当時のモサド長官は地元紙のインタビューに「ゲリラ暗殺は報復ではなく、次のテロ発生を防ぐ目的だった」と答えているので、政府側の意見では報復ではないです。