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『ブラックパンサー』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ライアン・クーグラー 脚本:ライアン・クーグラー |
ジャンル | アクション |
製作年 | 2018年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 2時間14分 |
補足情報 | 原題:Black Panther |
『ブラックパンサー』のあらすじ
遥か昔、ヴィヴラニウム鉱石が隕石として降り注いできたおかげで高度な科学技術を持つことになった超文明国家・ワガンダは、この秘密を守るため、表向きは貧困国を装い世界とは隔絶された生活を送っていた。
2018年、ソコヴィア条約の採決中に起こった爆破テロで国王ティ・チャカが死に、その息子であるティ・チャラが新王となった。
ある日、ワガンダから大量のヴィヴラニウムを盗んだ因縁の相手・クロウがロンドンの博物館を襲撃、その盗品が韓国で裏取引されることを掴んだティ・チャラは、仲間を引き連れてクロウを捉えにいくことに。
最初は泥棒を捕まえるだけの簡単な任務かと思われたが、ある男の登場によりティ・チャラはワカンダに隠された暗い過去と向き合うことになるーーー。
『ブラックパンサー』のキャスト
- チャドウィック・ボーズマン(ブラックパンサー/ティ・チャラ)
- マイケル・B・ジョーダン(ウンジャダカ)
- ルピタ・ニョンゴ(ナキア)
- ダナイ・グリラ(オコエ)
- マーティン・フリーマン(エヴェレット・K・ロス)
- ダニエル・カルーヤ(ウカビ)
- レティーシャ・ライト(シュリ)
- ウィンストン・デューク(エムバク)
- アンジェラ・バセット(ラモンダ)
- フォレスト・ウィテカー(ズリ)
- アンディ・サーキス(ユリシーズ・クロウ)
- ジョン・カニ(ティ・チャカ)
- スターリング・K・ブラウン(ウンジョブ)
- デンゼル・ウィテカー(青年期のズリ)
『ブラックパンサー』の感想・ネタバレ

MCU『ブラックパンサー』シリーズの1作目
アフリカの超文明国家・ワカンダの若き国王ティ・チャラがブラックパンサーとして活躍する話。
ただの発展途上国と思われていた国家が実は超文明を持ってましたという展開は面白く、アフリカっぽい部族や色彩豊かな民族衣装はいままでのMCU映画とはまた違った魅力があり、それに加えて最先端技術が登場するのでSFっぽい世界観もあり、アフリカの文化・伝統の話も絡んできたりと面白い要素はたくさんありました。
映画単体での評価は良くも悪くもないですが、MCUシリーズの話を広げるためには必要な作品だったと思いますが、いまいち登場人物たちに感情移入できなかったことは悔いが残ります。
ウンジャダカの父親は、ワカンダ出身のスパイとしてアメリカで活動していく内に人々(黒人)が差別されていたり弱者が虐げられてることに怒りを感じ、彼らに強い武器を渡して反撃させれば現状は変わるし、ワカンダは科学力もありヴィヴラニウムという最強の鉱石を持っているのに何もしない、弱者を無視してる!なら自分がやるしかない!と武器商人と手を組んでヴィヴラニウムを密輸していたり、何か犯罪をしようとしていますが、そんなことをしたら世界は混沌に包まれてしまいます。傍から見たらただの思想の強いテロリストです。
それに加えて、スパイとしてそばにいたズリを銃で殺そうとしたことで前王に殺されてしまうのは仕方がないと言うしかありません。
もちろん、息子からしたらただ同胞に父親が殺されたので恨みを持つのは自然ですが、大人になってからやろうとしてることも父親と一緒(父親の意思を継いだだけですが)です。
なので、彼も父親と同じただのテロリストにしか見えず、「これが父親を殺された恨みだー!!」みたいな雰囲気になっていますが、国が隠してきた強力な鉱石を使って世界を混沌に包み込もうとしてる異常者じゃんという感じで、あまり感情移入できません。
あと、新王のティ・チャラも父親をテロリストに殺されて復讐に囚われていた時期もあるので、そこを話に絡めて「あいつは過去の自分だ、ずっと復讐に囚われている」的な流れがなかったのなんかもったいないなと感じました。
というかその流れををやらないなら父親を殺されたという同じ境遇を持つ人間をヴィランとして登場させる意味あったのかな?と思います。
他に気になったのは、ブラック・パンサーの力の源が“神秘のハーブ”と超科学力によるスーツのおかげだということがわかったことで、なんだかブラック・パンサーの存在自体が陳腐化してしまったなと感じます。
そのハーブは限られた数しか作られてるわけではなく大量に存在していて、なおかつ1個飲めば十分っぽいので、それならせめて信頼できる人間複数に飲ませて“ブラックパンサー部隊”とか“国王を守る最強近衛兵”みたいなの作ればいいじゃんと思ったのと、ヴィヴラニウム製で作られたスーツも最低でも2着はあるぽいし、ヴィヴラニウム鉱石も信じられない数あるのでとにかくいっぱいスーツを作って最強部隊を作らないのはなぜだろうって感じでした。
途中で儀式とか精神世界の流れがあったからそれが力に関連してるのかな?と思ったらそういうわけではなかったので、この儀式の流れを取り入れたのなら、ハーブを飲んだりスーツを着ただけで強くなれるわけではなく、儀式を通じて歴代(もしくは先代の王)と話し、認められた場合にのみその効力を発揮するみたいな展開の方が良かったんじゃないかなと思いました。
つまり、力の源が神秘のハーブや科学力から生まれた超スーツなこと自体には文句はないですが、世界観・舞台に合わせてなんかアフリカ文化っぽい儀式をしておきながら、特にこれらに繋がりがなかったということに疑問を持ったということです。
ただの発展途上国が実はどの国よりも進んだ技術を持つ超文明国家でしたという設定や、アフリカっぽい部族や色彩豊かな民族衣装で他のヒーロー映画とはちょっと違った雰囲気があったのに、ブラック・パンサー自体はアイアンマンのスーツ+キャプテン・アメリカの超人血清を足したような設定でオリジナリティに欠けると思いました。
ブラック・パンサーの誕生秘話ってほどの話でもなく、過去の自分や現実と向き合って精神的に成長したって感じでもないですが、独特な世界観とMCUシリーズの話の広がりをもたらしたという意味では良い映画でした。