【感想・評価】映画『愛なのに』古本屋の店主と一途に求婚する女子高生の奇妙な関係【★4.0】

【感想・評価】映画『愛なのに』古本屋の店主と一途に求婚する女子高生の奇妙な関係【★4.0】

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『愛なのに』の作品情報

監督・脚本監督:城定秀夫
脚本:今泉力哉、城定秀夫
ジャンルコメディ、恋愛
製作年2021年
製作国日本
上映時間1時間47分
補足情報

『愛なのに』のあらすじ

30代の古本屋の店主・多田浩司は、昔のバイト仲間の佐伯一花(さとうほなみ)のことがずっと忘れられずにいた。
そんなある日、多田は本を万引きした女子高生・矢野岬(河合優実)を捕まえるが、彼女はずっと多田のことが好きで、名前を覚えてもらうために本を盗んだと言ってきた。
さらには、「多田さん好きです、結婚してください」といきなり求婚してきたのだった。
いきなりのことに戸惑う多田は、今日はとりあえず家に帰るよう岬に伝えるが、それ以降、たまに多田の店に来てはラブレターを渡してくるようになる。
一方、亮介(中島歩)と婚約中の一花(さとうほなみ)は、結婚式の準備に追われ忙しくしていた。
しかし、その裏で亮介とウェディングプランナーの美樹(向里祐香)が男女の関係になっていることを気付かずにいて・・・。

『愛なのに』のキャスト

  • 瀬戸康史(多田浩司)
  • さとうほなみ(佐伯一花)
  • 河合優実(矢野岬)
  • 中島歩(若田亮介)
  • 向里祐香(熊本美樹)
  • 丈太郎
  • 毎熊克哉

『愛なのに』の感想・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

古本屋の店主と一途に求婚する女子高生の奇妙な関係


昔のバイト仲間の女性のことが忘れられない30代の古本屋の店主と、その店主にバレないようにこっそりと店に通い続け、ある日を境に何度も求婚する16歳の女子高生という奇妙な関係を描くコメディドラマ。

すごい現実味のない設定なんだけど、古本屋の店主の多田と女子高生の岬の距離感や空気感、関係性になんだかほっこりする作品。
二人が周りの目を忍んでこっそりデートするとか、「愛に歳の差は関係ない!!」みたいなベタな展開は一切なくて、あくまで出会った古本屋内でのみやり取りが進んでいくのも心地が良かった。

最初はヒューマンドラマなのかと思って観てたけど、途中から嫌味がない自然なコントみたいなコメディが始まったり、思わず声を出して笑ってしまう展開がいくつかあって面白い。

それと、岬を演じる河合優実さんの細かい表情や目線の演技が良くて、岬がいま何を考えているのかどう感じたのかが伝わってくるのでずっと見ていたくなる。

不倫された女性・佐伯一花を演じたさとうほなみさんの演技も良くて、ウェディングドレス選びにウキウキする様子、結婚準備を何も手伝ってくれない夫にイライラする感じ、不倫が発覚した時に飽きれと怒りが混ざった声色、仕返しに不倫をしようとするも迷いが生じている表情など、どんなキャラクターなのかが良くわかる魅力的な演技だった。

だけど、なんかもったいないなという展開がいくつかあって、一途な女子高生と昔好きだった女性のことを30代になった今でも忘れらない男との対比で、婚約中なのに不倫をする男とその仕返しに自分も不倫をする女が出てきたまでは良かった。

そこから、ベッドシーンが何回もあったけど別になくても良さそうだったし、特に物語にいらなそうなシーンのような気がしてノイズだった。
一途な古本屋組との対比として描いてたんだとしたら、不倫組の関係が割り切りすぎててすごくあっさりとしすぎていたので意味がないように思える。

その後、「エッチが下手」って展開になるけど、エッチ覚えたての大学生みたいなしょうもない下ネタの笑いに走ってる感じがしてちょっと寒かった。
神父のくだりも物語から浮いてるように見えたし、最後に両親が乗り込んできて「愛を否定すんなよ!」からの警察のお世話になる流れは全部いらなかったんじゃないかな。

コメディの部分は面白かったし物語のメインの古本屋組の話もほっこりして良かったから、エロの部分とか物語が浮いてるシーンはなくして、もうちょっと岬が多田を好きになったきっかけとか、多田がどれくらい一花のことを引きずってるのかとかドラマ部分の物語は多くした方が、笑いと感動のバランスが良くてもっと面白くなったと思う。

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