【映画感想・レビュー】映画『護られなかった者たちへ』震災と貧困をテーマに、社会の不条理に迫る

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

映画『護られなかった者たちへ』の作品情報

監督瀬々敬久(鈴木俊久/南極1号)
出演者佐藤健
阿部寛
清原果耶
林遣都
永山瑛太(瑛太)
緒形直人
岩松了
波岡一喜
奥貫薫
井之脇海
宇野祥平
黒田大輔
西田尚美
千原せいじ
原日出子
鶴見辰吾
三宅裕司
吉岡秀隆
倍賞美津子
ジャンルミステリー
製作年2021年
製作国日本
上映時間2時間14分
補足情報原作小説:中山七里『護られなかった者たちへ』

映画『護られなかった者たちへ』のあらすじ・内容

宮城県内で全身を縛られたまま放置され“餓死”させられるという残酷な連続殺人事件が発生。
宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎(阿部寛)が聞き込み調査を行うものの、2人の被害者は善人、人格者と言われていた男たちで、殺される理由が全く見つからない。
しかし、捜査を続けていくうちに2つの事件からある共通点が見つかる。
そして、捜査線上に浮かびあがったのは、過去に起こした放火事件で服役し、出所したばかりの利根泰久(佐藤健)という男だった。
だが、決定的な証拠がつかめないまま、第三の事件が起きようとしていた。
なぜ、犯人は“餓死”という無残な殺し方を選んだのか。利根という男はいったい何者なのか。
笘篠誠一郎は捜査を続けていくうちに、事件の裏に隠されたある真実に辿り着くーーー。

映画『護られなかった者たちへ』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3.5)

震災と貧困をテーマに、社会の不条理に迫る


ここからは若干ネタバレになるので気を付けてください。

作品ジャンルとしてはミステリーなのだが、全体的に震災による貧困からの生活保護問題に触れた、“社会問題を提起した”映画だと感じた。


実際に生活保護を受けている家庭の現状や、貧困で生活保護に頼る必要がある人なんだけど「人様に迷惑をかけるのは申し訳ない」と言って支援を拒否してしまったりと、生活保護にまつわる現実が映画の所々に出てきて、色々と考えさせられる映画だった。

ただ、「震災のせいでみんな変わってしまった」みたいなセリフがあったりと、やたらと震災と貧困問題を繋げようとしていたが、“震災が原因で貧困になった”のか“元々、貧困だったのか”がとてもわかりづらく、全体を通して震災と生活保護を無理矢理結び付けようとしている感が否めなかった。
そのため、殺人方法として“餓死”を選んだのも、半分は理解できるけど、半分はやりすぎじゃない?という気持ちがあって、うまく感情移入できなかった。

あと、原作小説と映画を比べると、ある人物の性別が変わっているせいで話に違和感が出てきたのは残念だった。

映画としては役者の演技が素晴らしかったのと、社会問題がテーマなので、見ていて損はないと感じる。