【映画感想・レビュー】映画『アスファルト』孤独な男女6人の思いがけない暖かな出会いを描いた群像劇【★4.0】

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映画『アスファルト』の作品情報

監督・脚本監督:サミュエル・ベンシェトリ
脚本:サミュエル・ベンシェトリ
出演者イザベル・ユペール(ジャンヌ・メイヤー)
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
マイケル・ピット(宇宙飛行士のジョン・マッケンジー)
ジュール・ベンシェトリ(シャルリ)
ギュスタヴ・ケルヴェン(スタンコヴィッチ)
タサディット・マンディ(アラブ系の老婆マダム・ハミダ)
ジャンルドラマ、コメディ
製作年2015年
製作国フランス
上映時間1時間40分
補足情報原題:Macadam Stories
英題;Asphalte
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映画『アスファルト』のあらすじ・内容

車イス生活を送ることになってしまった冴えない中年男と孤独な夜勤看護師の女性。
フランスに不時着したNASAのアメリカ人宇宙飛行士とアルジェリア系移民の老婆。
落ちぶれた元映画女優と母と二人暮らしでいつも家で一人ぼっちの少年。
フランス郊外にある古びた団地を舞台に、それぞれ違う形の孤独を抱えた男女6人が出会うーーー。

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映画『アスファルト』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

孤独な男女6人の思いがけない暖かな出会いを描いた群像劇


半身不随の男と夜勤看護師、何らかのミスでフランスに降りてしまったアメリカ人宇宙飛行士とアルジェリア系の老婆、元映画女優といつも家で一人の10代の少年、それぞれが違う形の孤独を抱えた男女6人の思いがけない暖かな出会いを描いた群像劇。

タイトルは『アスファルト(英題もフランス題もほぼ一緒の意味)』だから無機質な印象だったし、フランス郊外にある古びた団地と殺風景な映像から始まるので、孤独な男女たちによる悲壮感溢れる暗い物語なのかと思って観てみたら、それぞれが抱える孤独や果てしない暗闇の中に一筋の光を照らしてくれるような温かい映画だった。

団地のエレベーター改修の住民会議で、自分は2階に住んでいて使わないから費用は払いたくないと言った男が、その後に半身不随になってしまい住民にバレないようにこっそりエレベーターを使うところは、悲しいんだけど思わず笑ってしまった。
車イス生活になったことで偶然出会った夜勤看護師とのやり取りとか、自分のことを世界中を旅する写真家と嘘ついて、ナショナルジオグラフィックみたいなテレビの写真を撮りまくって見せるところとか、シュールな面白さはフランス映画っぽさがある。

空からいきなりNASAの宇宙船が降ってきて中からアメリカ人宇宙飛行士が出てきたりする展開はとてもシュールだが、その後に出会ったアルジェリア系の老婆との温かくも面白いやり取りは魅力的。
何回やっても水漏れが直らないところとか地味に面白い。

元映画女優のジャンヌと母と二人暮らしでいつも一人で家にいるシャルリとのやり取りは、プライドを捨てきれないジャンヌと素直な意見を優しくぶつけるシャルルとの対比が良かった。

お互いがお互いの人生に少しずつ良い影響を与えていく様子が心地いい、素敵なフランス映画でした。

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