【感想・ネタバレ】映画『シー・セッド その名を暴け』実際に起こった映画界の不祥事を暴いた1本の記事【★4.5】

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『シー・セッド その名を暴け』作品情報

監督・脚本監督:マリア・シュラーダー
脚本:マリア・シュラーダー
出演者キャリー・マリガン
ゾーイ・カザン
パトリシア・クラークソン
アンドレ・ブラウアー
ジェニファー・イーリー
サマンサ・モートン
トム・ペルフリー
エル・グラハム
アシュレイ・ジャッド
ジャンルドラマ
製作年2022年
製作国アメリカ
上映時間2時間15分
補足情報原題:She Said

『シー・セッド その名を暴け』あらすじ

ニューヨーク・タイムズの記者、ミーガン・トゥーヘイ(キャリー・マリガン)とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン)は、数々の名作を手掛けた映画化の巨匠・ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行事件について取材をしていた。
性被害者たちの口は、事実を打ち明けても何も関わらなかったことへの諦め、性被害が世間に知られる恐れ、そして強引に結ばされた秘密保持契約によって固く閉ざされていた。
被害者たちへの取材を根気強く続けながら、ハーヴェイに関わりのある人たちへの接触を通じて、少しずつ真実を暴いていく。
これは、真実を追い続けた記者たちと、勇気ある告発をした性被害者たちが社会を動かした真実の物語。

『シー・セッド その名を暴け』感想・ネタバレ・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4.5)

実際に起こった映画界の不祥事を暴いた1本の記事


映画界の巨匠・ハーヴェイ・ワインスタインの何十年にも渡る性的暴行事件を暴いた記者と、勇気ある告発をした女性たちの実話の物語。

後に世界中で社会現象ともなった#MeToo運動の火付け役にもなった出来事。

性被害に遭いながらも、実名報道を恐れ、秘密保持契約に縛られ、告発しても何も変わらなかった社会に諦めた女性たちに根気強く取材し、女性たちの立場を守りながら真実を暴こうとしていく様子にジャーナリズムの真髄を観たような気がする。

証言された情報(記者たちが受け取った情報)以外の憶測や想像といった要素は観客に提示されず、最後まで丁寧で冷静な映画だったという印象。
映画としての面白さを考えると、女性の証言を基に密室で起こったハーヴェイ・ワインスタンと女性のやり取りを映像化しても良さそうなのに、それをしなかったことで、観客側に余計な感情や印象を抱かせなかったのがとても良かった。

ジャーナリズムで大切なのは、客観的事実を伝えること、公平さを保つことだと思うので、そこのルールをちゃんと線引きしていたのがとても好印象だった。

最近、日本でもジャニーズ関係で似たような出来事が起こっているので、性被害者たちが被害を告発する難しさや取材する側が被害者たちの心を解きほぐす難しさを少しだけ知ることができる映画だった。