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『スポットライト 世紀のスクープ』の作品情報
監督・脚本 | 監督:トーマス・マッカーシー 脚本:トーマス・マッカーシー、ジョシュ・シンガー |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2015年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 2時間8分 |
補足情報 | 原題:Spotlight |
『スポットライト 世紀のスクープ』のあらすじ
2001年、アメリカ・マサチューセッツ州ボストンにある『ボストン・グローブ紙』に、マイアミから新しい局長バロン(リーヴ・シュレイバー)がやってくる。
編集会議の場でバロンは、3年前に同紙がコラムとして掲載した、教会の神父が児童に対して性的虐待を行っていた「ゲーガン事件」についてもっと掘り下げるべきだと提言する。
20年以上前にに終わったはずの事件をなぜ今さら調べるのかと疑問に思いながらも、ロビー(マイケル・キートン)をリーダーとする同紙の少数精鋭の調査報道チーム<スポットライト>が事件を担当することとなる。
そして、取材を続けていくうちに、衝撃の事実が次々と明らかになっていくーーー。
『スポットライト 世紀のスクープ』の登場人物・キャスト
- レイチェル・マクアダムス(スポットライト記者:サーシャ・ファイファー)
- マーク・ラファロ(スポットライト記者:マイク・レゼンデス)
- マイケル・キートン(スポットライト記者:ウォルター・“ロビー”・ロビンソン)
- ジョン・スラッテリー(スポットライト記者:ベン・ブラッドリー・ジュニア)
- リーヴ・シュレイバー(スポットライト記者:マーティ・バロン)
- ブライアン・ダーシー・ジェームズ(スポットライト記者:マット・キャロル)
- スタンリー・トゥッチ(弁護士:ミッチェル・ガラベディアン)
- ビリー・クラダップ(弁護士:エリック・マクリーシュ)
- ジェイミー・シェリダン(教会側弁護士:ジム・サリヴァン)
- ポール・ギルフォイル(ピート・コンリー)
- ラナ・アントノーヴァ
『スポットライト 世紀のスクープ』の感想・ネタバレ・評価
神父による児童への性的虐待事件の真実を暴く
アメリカの新聞紙『ボストン・グローブ』が、カトリック教会が組織ぐるみで隠ぺいしていた神父による児童への性的虐待事件の真実を暴いた、ジャーナリズムを感じる社会派ドラマ映画。
人々からすると神様のような存在である神父と言う立場を利用して、父親不在の母子家庭や貧困家庭などの家庭が不安定な家の子を男も女も関係なく狙う卑劣さ。
カトリック教会は、被害に遭った児童の親には地域にとって教会がどれだけ大事かを伝え信仰心を利用して言いくるめ、弁護士などの真実を暴こうとする人たちには嫌がらせをして組織的に隠蔽する腐った組織体系。
裁判記録に残らないよう秘密裏に示談して金儲けする教会側の弁護士もいて、とにかく腐ったやつらがたくさん出てくる。
じゃあ、記者側が正義かと言うと必ずしもそうとは言い切れなくて、情報が既に集まっていた昔にもっとちゃんと調査をしていれば防げた事件もたくさんあったはずで、だからこそ「過去の過ちをどう正して未来へと繋いでいくのか」みたいな目頭が熱くなる展開がいくつもあった。
大人になった被害児童が記者に当時の状況を語るシーンがいくつかあって、そういう経験がないからどの言葉も浅くなってしまうんだけど、彼らが証言する姿を見ていると子供の頃に負った傷は大人になっても残り続けていて、結婚して子供もいて幸せな家庭を築いたり仕事で成功したり、客観的に見てどれだけ幸せそうな生活を送っていたとしても、その傷が消えることはなくて、どれだけ過去を忘れようとしても心にずっと残り続けているんだなと思うと、どのシーンも泣きそうになってしまう。
2時間の映画でよく話をまとめられたなと思うくらい、児童への性的虐待をした神父の数も、性的虐待の被害児童の数も想像を絶するほどの多さで、具体的な数字については映画のラストで明かされるけれど、その規模の多さに開いた口がふさがらない。
そして、『ボストン・グローブ』が事実に気付き報道していなかったら、同じようなことがずっと行われていたと思うと怒りを通り越して恐怖を感じる。
日本人は海外の人ほど宗教に熱心ではないし、教会(もしくはお寺)に通う習慣がない人が大多数だろうし、神父(もしくはお坊さん・住職)と密接な関係にある子供なんてほぼいないはず。
なので、今回の事件のように神父が児童を性的虐待をするみたいなことは起こりにくいけど、神父ではなく先生が同じことをしてる事件が日本でも報道されたことがあったし、ある人物が多数の児童に同じようなことを行っていたことも考えると、決してとても他人事とは思えない内容だった。