【映画感想・レビュー】映画『手のひらに込めて』滋賀の老舗和菓子店「中嶋庵」が舞台

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映画『手のひらに込めて』の作品情報

監督・脚本監督:中村みのり
脚本:中村みのり
出演者永瀬かこ
朝丘初
大山蒼生
おおうえくにひろ
江口かほる
ジャンルドラマ
製作年2019年
製作国日本
上映時間1時間11分
補足情報

映画『手のひらに込めて』のあらすじ・内容

滋賀県彦根市、110年続く老舗和菓子店「中嶋庵」では、職人気質な父と、長女の結(朝丘初)、次女の裕香(永瀬かこ)、三女の雪(大山蒼生)と伯母のえりちゃんの5人でお店を切り盛りしていた。
そんなある日、突然父親が脳梗塞で倒れ、意識不明の重体に・・・。
1週間ほど生死をさまよった後、奇跡的に目を覚ますが、後遺症のマヒで以前のように和菓子作りが出来なくなってしまう。
そんな状態の父を助けるため、三姉妹はそれぞれができることから始めようとするが、父親が“来月には店を閉める”と言い出しーーー。

映画『手のひらに込めて』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3)

滋賀の老舗和菓子店「中嶋庵」が舞台


アイドルっぽい人たちを使ったご当地PR作品と言う感じ。

全体的に演技があまり上手くないのも気になったけど、会話の間とかテンポがおかしいからか、複数人で会話してても全員が独り言を言っているみたいな、一方通行で話しかけてるような違和感がすごくあった。

他にも細かい気になるところはたくさんあって、ぶつ切りしたみたいな急な場面転換とか、脳梗塞で倒れた父親が意識不明で1週間経っているにも関わらず、ちょっとした過労で倒れたみたいな病室の感じや周りの反応。
次女の幼少期と生前の母親とのエピソードがやたら入るけどあんまり映画には関係していない。
食パンとかスイカがあと一口で食べ終わる量の時に、急に切り上げて場面転換する。
一人暮らしで使うような小さい冷蔵庫に一口コンロ、渋い木の食器棚の隣には白い洋風な食器棚にオシャレな食器の違和感とか、4人家族なのに生活感がない家もちょっと不気味。

売り上げが下がっているのは今までのクオリティの和菓子が作れなくなったからだろうに、次女は一人暴走して子供の和菓子作りごっこを始める。
みんなの大好きなお店を守りたい!とかお店大好き!みたいな流れあったけど、子供たちはお店に愛着があるようには見えない。
倒れた後遺症で素人レベルの和菓子作りしかできなくなっていた父親が後半で急に覚醒し、次女がデザインした大量の新作を作り出す。
父親が回想したわけでもないのに、昔の父親と亡き母親の出会いのエピソードが出てくるのが急すぎる。しかも同じようなシーンを2回流すという謎演出。

重箱の隅をつつくような文句かもしれないけど、細かい違和感が積み重なってあまり物語に入り込めなかったし、色々な話を盛り込み過ぎて、全体的に話が薄くなってしまった印象だった。
ラストの終わり方もちょっと都合が良すぎるというか・・・

これなら、母親が生前の頃に父親と母親の2人で和菓子を作り、それを子供たちが手伝う。
母親が亡くなった後、母親の代わりに子供たちがより積極的に手伝うようになる。
父親が倒れたことで、長女は父親の代わりに今まで学んできたことを活かして本格的に和菓子作りを始め、次女が美術系の学校を目指していたとかの理由で現代っぽい和菓子のデザインを提案し、三女がレジとか細かいサポートみたいな展開で良かったんじゃないかな。

実話ベースっぽいから改変はしづらかったのかもしれないけど、実話では店主は後遺症もなく復活したみたいだったから、そこは実話通りにして、娘たちが手伝う展開でも良さそう。

というか、最初のナレーションでは、母親が亡くなってからは三姉妹と父親とおばの5人でお店を切り盛りしていたって言ってたけど、あんまり手伝ってる感じなかったんだよな・・・。

ベースの話は悪くなさそうだし、演技は棒読みで気になるけどキャストの雰囲気は映画にすごく合っていたから、なんかもったないなーという感じでした。