【映画感想・レビュー】映画『ザ・タンク』火星探査任務のための471日間の訓練が6人の精神を徐々に蝕んでいく

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映画『ザ・タンク』の作品情報

監督・脚本監督:ケリー・マディソン
脚本:ケリー・マディソン、ニッキー・ホーソーン
出演者マーガリート・モロー
ジャック・ダヴェンポート
ブラッド・ウィリアム・ヘンケ
クリストファー・マクドナルド
ジャック・コールマン
エリック・キング
クリストファー・レッドマン
アンナ・リース・フィリップス
ジャンルサスペンス、ドラマ
製作年2017年
製作国アメリカ
上映時間1時間25分
補足情報原題:The Tank

映画『ザ・タンク』のあらすじ・内容

2012年、過酷な訓練を耐え抜いた6人の宇宙飛行士は、火星探索任務のシミュレーションとして、南極に置かれた密閉タンク「ICE-SAT5」の中で、様々な訓練を行う。
訓練期間は471日間。
外部との接触が断たれた密閉空間での任務と共同生活を送っていくうちに、6人の精神は徐々に蝕まれていく・・・。

映画『ザ・タンク』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (2.5)

火星探査任務のための471日間の訓練が6人の精神を徐々に蝕んでいく


NASAの6人の宇宙飛行士が、火星探査任務のためのシミュレーションとして南極にある訓練施設で471日間の訓練を行っていたところ、外部との連絡が絶たれた状況と過激なミッションによって、徐々に精神が蝕まれていくソリッド・シチュエーション・スリラー。

サスペンス要素もシチュエーションものとしてもイマイチ盛り上がりに欠ける平凡な映画でした。

最初に軽くタンク内での和気藹々としたやり取りを映した後、この任務の責任者2人が取り調べらしきものを受けているシーンに切り替わり、タンク内で“何か”が起こったことが視聴者に提示される。
まあ、こういう“密室で何が起きたのか?”と謎に迫っていく作りは良くあるサスペンス映画って感じ。

この後にタンク内での過去の出来事と、現在の取り調べ(?)パートが交互に行くことで、徐々に謎が明らかになっていく展開になるのかと思いきや、結局この取り調べパートも箸休め的に数回出てきただけで、物語の緊張感を高める役割は果たしていなかった。

タンク内での不穏な空気のきっかけが、“誰がチョコバーを盗んだのか”から始まって、思わず「子供かよっ!」と叫んでしまった(本当は叫んでいない)。
もちろん、娯楽がほぼない環境で食事や甘い物って大事だとは思うんだけど、そこに至るまでの精神状況の変化を描いていなかったため、良い大人がお菓子1つでギスギスするアホみたいな展開。

閉鎖的な空間、外部との連絡をほぼ絶たれた状態、娯楽も特になし、その状況でたくさんの任務をこなしていくうちにみんなの精神がおかしくなっていって、大事件に発展するって感じなら良かったんだけど、任務をこなしてるシーンも1つくらいしかないし、大変な状況って感じもいまいち伝わってこない。
なのにしょうもないことで揉め出すから、なんだか恥ずかしくて見ていられない。

あとは、ちゃんと人物描写の掘り下げがあった場合、「苦しい訓練を乗り越えてきた宇宙飛行士でさえ、極限な状況になったら人間としての本性が露わになる!」って感じがして少しは盛り上がったんだろうけど、人物描写もほとんどなかったため、正直、いい年したただの素人たちが集まっておままごとみたいな訓練して、勝手にギスギスしてる感じを見ている感じ。

最初に紹介された地質学者、社会学・人類学者、元空軍パイロット、医用生体工学士、医学博士、元海兵隊員みたいな職業の羅列も特に意味がなかったし、もう少し人物たちの行動に説得力を出して欲しかった。

淡々として盛り上がりに欠けるが緊張感が漂う良い映画はたくさんあるけど、この映画は緊張感の欠片もなければ面白さにも欠ける、平凡な映画でした。

この映画の内容は色々なあらすじを見るだけで十分です。
しいて見どころを上げるとすれば、元海兵隊の男が足を切られるところがピークです。