【感想・評価】映画『blank13』親と子の空白の13年【★2.5】

【感想・評価】映画『blank13』親と子の空白の13年【★2.5】

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『blank13』の作品情報

監督・脚本監督:斎藤工(齊藤工)
脚本:西条みつとし
ジャンルドラマ、コメディ
製作年2017年
製作国日本
上映時間1時間10分
補足情報

『blank13』のあらすじ

ギャンブルに溺れ、400万もの借金をを残して蒸発し、13年間も音信不通だった父(リリー・フランキー)が余命3ヶ月の状態で見つかった。
母と兄は見舞いを拒否したが、コウジ(高橋一生)は、子供の頃にキャッチボールをしてくれた優しい父の姿が忘れられず、入院先を訪ねてみることに。
そこで、いまだにお金を工面しようとする父の姿を見てしまい、13年間の溝が埋まらないまま、父はこの世を去ってしまう。
葬式当日、僧侶の提案により、参列者たちが父・雅人との思い出話を語っていく中で、自分たちが知らない父親の一面が徐々に明らかになっていくーーー。

『blank13』のキャスト

  • 高橋一生
  • リリー・フランキー
  • 松岡茉優
  • 金子ノブアキ(金子統昭)
  • 神野三鈴
  • 斎藤工(齊藤工)
  • 大西利空
  • 北藤遼
  • 織本順吉
  • 村上淳
  • 神戸浩
  • 伊藤沙莉
  • 川瀬陽太
  • 岡田将孝
  • くっきー!(川島邦裕)
  • 大水洋介
  • 昼メシくん
  • 永野ミラクルひかる
  • 古家祥吾(曇天三男坊)
  • 豪起
  • 福士誠治
  • 大竹浩一
  • 細田香菜
  • 小築舞衣
  • 蛭子能収
  • 杉作J太郎
  • 波岡一喜
  • 森田哲矢
  • 榊英雄
  • 村中玲子
  • 佐藤二朗

『blank13』の感想・レビュー

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (2.5)

親と子の空白の13年


放送作家で脚本家でもある、はしもとこうじさんの実体験を映像化したもの。
正直な感想は、なんの面白さも見どころもなく、とりあえず有名な人が出ているだけの映画でした。
当たり前の話ですが、いくら有名な人をたくさん使ったところで、必ずしも映画が面白くなるわけではないということが良くわかる作品という意味では、価値のある作品だったと思います。

なんでこんな面白くないのかを調べたところ、元々は40分程度のコント企画だったものを、俳優で今作の監督を務める斎藤工(齊藤工)さんの提案で、海外の映画祭へ出品することができる70分の長編映画になったそうです。
コント企画を無理矢理引き延ばして、70分の映画にすればそりゃ薄っぺらく面白くない話になるよねという感じです。

前半の“火葬”の説明とか、タイトルを中盤に入れる演出とか、映画としての面白さを引き立てるわけでもなく、とりあえずオシャレそうな演出を取り入れてみましたと言う感じが伝わってきます。
途中で過去の回想のシーンを挟みますが、あれもきっと尺稼ぎのための演出だろうなという感じです。

ヒューマンドラマっぽい感じから葬式コントに移行する演出はいいのですが、ヒューマンドラマで感動するわけでもなく、コントでの笑いどころもよくわからなかったので、70分のヒューマンドラマにするか、60分以下の尺でコント・コメディ系に振り切った方が面白くなったんじゃないかな。

この映画のやりたかったことは、ダウンタウンのガキ使のような笑ってはいけない場所での笑い、つまり、葬式という堅い雰囲気の場所での場違いな笑いを再現したかったのと、そこにヒューマンドラマ的な感動をうまく織り交ぜたかったのかなと思いますが、どちらもすごく中途半端な印象です。

葬式コントに関して調べたところ、俳優たちは設定だけを与えられた状態のほぼアドリブで話していたそうです。
だからあのテンポの悪さだったんだなと納得しました。
演技力があったり、笑いも取れる人たちがあんなに集まっているのに、終始グダグダでシンプルにつまらなかったです。

後半では、子供たちが知らなかった父親の一面を、葬式に来た人たちの語りで明らかになっていくというよくある演出です。
この場面では、語りの後にそのエピソードの映像を差し込めばそれっぽくなったと思いますが、予算や出演者のスケジュールの都合なのか、そういった映像が全くないため、エピソードの説得力が全くないので感動も何もありません。

せめて後半でなんとか映画っぽくなれば良かったのですが、結局最後まで特にオチもなく面白さもなく映画が終わってしまったので、「何の成果も!!得られませんでした!!」という気持ちでいっぱいになりました。

予告編では、インパクトたっぷりに「祝!6冠!!」と映画のすごさをアピールしていますが、あれはきっとワインのモンドセレクションとか、からあげグランプリ金賞くらいの価値しかありません。

とりあえず有名な俳優を揃えればいい、ダメな親父はリリー・フランキーにやらせとけばいい、コントは笑いを取れる人たちに丸投げすればいい、といった、浅はかな考えのもとに勢いで作った映画にしか思えませんでした。

最後に地味に気になったシーンで、粗探しするみたいだけど、病室で高橋一生が父親役のリリー・フランキーから「お前にさ、小遣いあるよ」と言ってお金を出した時、高橋一生が素直に受け取ったのがかなり気になった。

その前の病院の屋上で会話するシーンで、父親が電話で何かしらのお金を借りるところを目撃した高橋一生は、あきれ顔で会話を早々に切り上げてその場を後にするんだけど、それを見てたら普通あのお金を受け取るもんか?最後に子供に見栄を張るために他人から借りたお金を子供に渡そうとしたって考えないもんなのか?と疑問に思った。

あの場面って、「これは何の金だよ!最後に見栄張ろうと他人から借りた金を息子に渡してんじゃねぇよ!」ってキレて、顔面にお金を投げつけるくらいしないとおかしい気がするんだよ。

そういった細かい人物の心理描写を観ても、納得しないところがちょいちょいあったなーという感じでした。

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