この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
『ローズメイカー 奇跡のバラ』の作品情報
監督・脚本 | 監督:ピエール・ピノー 脚本:ファデット・ドゥルアール、フィリップ・ル・ゲイ |
ジャンル | ドラマ、コメディ |
製作年 | 2020年 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 1時間46分 |
『ローズメイカー 奇跡のバラ』のあらすじ
フランス郊外で亡き父が残した小さなバラ園を経営するエブ(カトリーヌ・フロ)。
かつては、新品種コンクールで数々の賞に輝いてきた彼女だったが、いまや賞も顧客も巨大企業のラマルゼル社に奪われ、バラ園は倒産寸前まで追い込まれていた。
そんな状況をなんとかしようと、事務員ベラ(オリヴィア・コート)は職業訓練所から格安で前科者のフレッド(マネル・フルゴック)、50代でいまだ定職に就けていないサミール(ファッシャ・ブヤメッド)、異様に内気なナデージュ(マリー・プショー)を雇う。
だがしかし、全くの素人である彼らは一晩で200株のバラをダメにしたりと失敗ばかり。
そんな中、新種のアイディアがひらめいたエブだったが、交配に必要なバラがライバル企業のラマルゼル社にしかないと知る・・・。
『ローズメイカー 奇跡のバラ』のキャスト
- カトリーヌ・フロ
- メラン・オメルタ
- マリー・プショー
- マネル・フルゴック
- オリヴィア・コート
- ファッシャ・ブヤメッド
『ローズメイカー 奇跡のバラ』の感想・レビュー
再起をかけた者たちによる“新種”のバラ開発
いまは巨大企業に賞も顧客も奪われたが、かつては新品種コンクールで賞を受賞するほどの人気でいまや倒産寸前のバラ園が、職業訓練所から格安で雇った問題児3人たちと一緒に再起を図るために奮起する話。
画面中にバラや花が映るシーンが多く、映像の綺麗さも彩りの豊かさも見ていて楽しくなる映画。
問題児3人も全員がわかりやすく違うタイプの人たちなので、それもゆるい感じでコメディに仕立てられているので、それなりに面白い映画だったかなと思います。
物足りなかったところは、人間にフォーカスするところがあまりなくて、人物たちに感情移入せずにそのままあっさり終わってしまったこと。
構図が金儲けだけ考える大企業VS花に愛情を深く注ぐ小さいバラ園みたいな感じでわかりやすかったけど、主人公のエブも結局「亡き父が残したバラ園を潰すことができない」ということに躍起になって周りを置いてけぼりにしてる感じがした。
新種のバラを開発するためにライバルの大企業から希少なバラを盗むべく雇った3人を無理矢理協力させたり、給料を出させるために結構な数の量のバラを売らせたりとか、一応コメディっぽく描いて3人は一生懸命楽しそうにやってるように見えたけど、立場の弱い労働者を安くコキ使ってるようにも見えてしまった。
あと、お金の工面に事務員の貯金を使うところとか。
新品種コンクールのシーンも、一緒に新種のバラを開発した(というか手柄はほぼ雇った3人)なのにも関わらず、一緒に出席しなかったのはなぜだったのだろうか?
そもそも、あのシーンはもう時間を使って丁寧に描いても良かったと思うんだよなー。
一番前科がヤバイ1人の労働者に焦点を当てて感動物語に仕立て上げようとするせいで、残り2人はおまけっぽい感じになってしまい、全体的に人物描写が弱くなっていたように思えるので、シンプルにエブと事務員と雇った3人の計5人でバラ園を必死に立て直す感じで良かったんじゃないかな。
これらのことから、なんとなく心温まる感じはしたけれども、ちょくちょく意地悪い発言もあったりで、なんか素直に感動することはできなかった。
物語もいろいろと中途半端だった気がする。
ただ、ラストのシーンはベタだけど、この映画が“花”がテーマだからこそできた演出なので、そこは良かったです。