【感想・ネタバレ】映画『プリズン・エクスペリメント』有名な「スタンフォード監獄実験」をモチーフにした映画の一つ【★4.0】

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『プリズン・エクスペリメント』作品情報

監督・脚本監督:カイル・パトリック・アルバレス
脚本:ティム・タルボット
出演者エズラ・ミラー
オリヴィア・サールビー
ビリー・クラダップ
マイケル・アンガラノ
カラン・マッコーリフ
モイセス・アリアス
ジョニー・シモンズ
タイ・シェリダン
ネルサン・エリス
ジェームズ・フレッシュヴィル
マイルズ・ハイザー
クリス・シェフィールド
ジャンルスリラー
製作年2015年
製作国アメリカ
上映時間2時間2分
補足情報原題:The Stanford Prison Experiment

『プリズン・エクスペリメント』あらすじ

1971年、アメリカ・スタンフォード大学心理学部のジンバルドー教授(ビリー・クラダップ)は、ある実験を開始する。
それは、被験者として集めた男子学生18名を9名の看守と9名の囚人のグループに分け、1~2週間ほど刑務所生活を再現し、与えられた“役割”が人にどう影響を及ぼすのかを調べるというものだった。
最初は看守も囚人も笑いながら役割を全うしようとするが、すぐに実験の影響が出始めーーー。

『プリズン・エクスペリメント』感想・ネタバレ・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4)

有名な「スタンフォード監獄実験」をモチーフにした映画の一つ


スタンフォード大学で実際に行われた「スタンフォード監獄実験」をモチーフにした映画の一つ。
被験者を囚人と看守のグループに分けて刑務所生活を再現することで、役割が人にどう影響を与えるのか調べるというもの。
『es [エス]』が2001年製作、『エクスペリメント』が2010年製作、そして今作の『プリズン・エクスペリメント』が2015年製作となっています。

僕は『es [エス]』しか見たことなかったですが、あっちは囚人と刑務官メインで史実よりも過激で暴力的でエンタメ的な面白さがあるのに対し、この映画は看守と囚人に加えて実験している側の視点も多く盛り込まれていた上に、できるだけ史実をベースに作られています。
そのため、話は淡々と進んで行きますし、映画としては割と地味な感じです。

ただ、こっちの作品は、囚人と実験者、看守と実験者のやり取りがある分、「これは実験なんだ」という理性的な気持ちで観ているつもりが、「あれ、これって実験だっけ?」といつの間にかその空気感に飲み込まれている感覚も味わえるので、ちゃんと差別化を出来てて面白かったです。

『es [エス]』の被験者はたしか大学生限定ではなかったはずですが、こっちの映画は被験者が男子大学生限定なので、そのせいか同じ大学生という立場で年の近いもの同士が、与えられた役割によって支配する側と支配される側にハッキリと別れていく過程はつらいものがありました。
看守役による横暴な振る舞いがだんだんとエスカレートしていく胸糞悪い展開が続くのはきつかったですね。

リンカーンの名言で「大抵の人は災難は乗り越えられる。本当に人を試したかったら、権力を与えてみることだ。」という言葉もありますし、近い言葉だと「立場が人を作る」とか「地位が人を作る」という言葉もあります。
ただの学生が看守という服装・役割・権力を与えられることでより看守らしく振る舞い、それを続けることで看守ではなく支配者としての暴力的に振る舞うようになっていくことがわかっただけでも、この実験には意味があったのかなと思います。