【書評】悩める夫婦を救う『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』感想・レビュー

【書評】悩める夫婦を救う『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』感想・レビュー【書評】悩める夫婦を救う『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』感想・レビュー

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こんにちは、ルトラ(@lutraxlutra)です。

 

今回は、岡田尊司さんの著書『カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら』をご紹介したいと思います。

 

『あなたはいま“夫婦関係”に悩んでいませんか?』

 

そして、その悩みは夫が

  • 話を聞いてくれない
  • 上手く会話ができない
  • 思いやりがない
  • 自分の気持ちを理解してくれない など

“共感性のなさ”“情緒的な会話ができない”ことが原因だったりしませんか?

 

もし、あなたが夫に対してこのように感じている場合は、

あなたの夫が「アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)」

あなた自身が「カサンドラ症候群」になっているかも知れません。

 

もし現在結婚

そしてこの本は、アスペルガーの夫とカサンドラの妻を救う希望に満ちた一冊です。

この本はこんな人にオススメ!
  1. 身近な人がアスペルガーかも知れない人
  2. 夫婦関係に悩んでいる人
  3. カサンドラ症候群について知りたい人

書籍の説明

著者について

岡田/尊司
1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院で研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)、大阪心理教育センター顧問

Amazon 商品の説明 著者略歴より

書籍の内容・あらすじ

身近な人がアスペルガーだと気づいたとき―ー。その特性と対応の仕方を知っていれば全く違う関係性が築ける。アスペルガー、カサンドラ、双方に救いをもたらす方法を網羅した希望の書。

Amazon 商品の説明 内容より

書籍の目次

はじめに  ふさぎ込み、イライラして夫を責め続ける妻。もしかしたら──

 

第一章  カサンドラ症候群とは何か

  • 幸福な結婚をしたはずが
  • カサンドラ症候群とは
  • カサンドラの意味と診断基準
  • わかってもらえないがゆえの苦しみ
  • アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)とは
  • 結婚相手としてみると
  • 見落としていた点は何か
  • 共感的応答がなぜ重要なのか
  • アスペルガー・タイプによくみられる他の特徴
  • 回避型愛着も原因となる
  • 愛着が不安定化すると何が起きるか
  • ソクラテスの妻も漱石の妻もカサンドラに苦しんだ
  • アスペルガーでもうまくいくケースもある
  • 隠れカサンドラも多い
  • ケースYさん
  • 夫がカサンドラというケースも
  • 妻がモンスター化する場合も

 

第二章  原因はアスペルガーだけではない

  • アスペルガーだけが原因ではない
  • 原因となるさまざまな状態
  • (1)回避型愛着スタイル
  • 広がる不安型の人とのギャップ
  • (2)恐れ・回避型愛着スタイル
  • うまくいっていた時期があるのに、なぜ?
  • ハーロウ夫妻に起きたこと
  • 妻の抱く不公平感が根底に
  • パーソナリティ障害も要因となる
  • (1)自己愛性パーソナリティ障害物質的には満ち足りていても(2)強迫性パーソナリティ障害
  • (3)回避性パーソナリティ障害
  • (4)シゾイドと失調型
  • (5)妄想性パーソナリティ障害
  • それ以外の精神疾患や脳機能障害でも

 

第三章  カサンドラ症候群の正体

  • 愛情を維持する仕組み
  • 愛着は健康と幸福の土台
  • 愛着の形成・維持に不可欠な共感的応答
  • カサンドラ症候群で起きていること
  • 不安型の人がカサンドラになりやすいのは
  • 不安定な愛着は身体症状にも影響しやすい
  • 隠れカサンドラだったMさんの場合
  • 困っているときほど助けてくれない
  • ストレスへの対処が真逆
  • すれ違う妻の見方と夫の見方

 

第四章  カサンドラ症候群とセックスの悩み

  • セックスにおける悩みが多い
  • 結婚してからセックスは数回だけ
  • 夜になるのが恐怖
  • 共感性の問題が根底に

 

第五章  親子関係の問題がからみやすい

  • 実家との関係がからむことが多いのは?
  • 夫より実家が優先だったNさんの場合
  • 自身の親との確執もからんでいた
  • いつも弟が優先
  • 実家が介入し、別れさせたはいいが

 

第六章  夫にできること──カサンドラの悲劇を防ぐために

  • 離婚後の厳しい現実
  • 子どもへの影響も小さくない
  • モンスター化した妻と暮らすのも大変
  • 問題を自覚することが改善の第一歩
  • 自分の特性を踏まえた対応
  • 安全基地となるためには?
  • (1)安全と秩序を守る
  • 怒りの口調にならないためには
  • 自分で気づかない攻撃性がある
  • (2)相互的応答性相手の気持ちよりも、正しいことにとらわれる(3)共感性
  • まめな連絡が愛着の安定化に寄与
  • 帰りますメールだけでも効果的
  • 事情を説明する力
  • 家事をして妻の負担を減らす
  • イエローサインで危険を知らせる
  • アルコールや薬物は共感性や感情制御に影響する
  • 人間として親切にする
  • 家族ミーティングの勧め
  • 感謝とねぎらいを忘れずに

 

第七章  妻にできること──優しい夫に変えるために

  • 1.安全基地になるアプローチ
  • まず必要なのは特性の理解
  • 【アスペルガー・タイプの場合】
  • 【回避型の場合】
  • 悪循環に陥らないために
  • 安全基地を手に入れるには、自分が安全基地に
  • 回避型の夫とうまくコミュニケーションするには
  • アスペルガーの夫は、言わないとわからない
  • 協力関係を作っていく
  • 関心を積極的に共有する
  • 心理学者ハーロウがたどり着いた幸せ
  • 2.障害や特性を受容する
  • 期待値を下げる
  • 放っておくという極意
  • 夫を〝指導〟し続けたYさん
  • 応答性に障害のある伴侶と幸福に暮らすには
  • 漱石の妻はこうして乗り越えた
  • 不足は他の部分で補う
  • 接触時間を減らし、役割を交代する
  • 3.危機感を持たせるアプローチ
  • 自覚のない夫を動かす
  • 拒絶反応が強い場合の見極め
  • 精神的な脱皮のために離婚が必要な場合も
  • 二度のカサンドラの末に
  • 離婚に際しての注意点

 

第八章  関係を修復するアプローチ

  • 関係修復のためには、両方の協力が不可欠
  • 別れさせるのが得意な人と、修復が得意な人がいる
  • 関係を修復するアプローチ
  • 回復のフローチャート
  • 助けを求めてくるのが妻の場合
  • 医学モデルによる治療の限界
  • 夫が助けを求めてくる場合
  • 夫婦で助けを求めてくる場合
  • 傷ついた思いと二分法的認知が、修復を妨げる
  • 振り返る力と共感力が問われる
  • アスペルガーや回避型には具体的な指導が必要
  • コミュニケーションの取り方に、問題が表れる
  • ピンチは変化を引き起こすチャンス
  • カサンドラ症候群の概念自体にも限界が
  • カサンドラ症候群チェック・リスト

読了時間の目安

ページ数は約181ページで、読了時間の目安は約2時間30分です。

書籍感想・ネタバレ・評価

全8章に渡って、

  • カサンドラ症候群とは何か
  • アスペルガー以外で考えられる原因とは
  • アスペルガー症候群の夫にできること
  • カサンドラ症候群の妻にできること
  • 関係を修復するためにはどうしたら良いのか

などが多数の事例を交えながら、具体的かつ網羅的に書かれています。

 

この本を読んだ経緯は、自分の親を“毒親”自分の家族を“機能不全家族”だと感じて様々のことを調べていくうちに「父親がアスペルガー症候群で母親がカサンドラ症候群になのではないか?」と思ったことがきっかけでした。

 

結果として、機能不全家族で育った実体験と本書の内容を照らし合わせると共感する内容ばかりでした。

 

子どもの目線で見ても腑に落ちる内容ばかりだったので、夫婦の目線で見ると参考になる話も多いと思います。

自分がカサンドラ症候群の場合

PMS(月経前緊張症)更年期障害、他にはうつ病だったりヒステリーと言われた人は、カサンドラ症候群が原因かも知れません。

 

原因がカサンドラ症候群と分かれば正しい対処法がわかり、正しい対処法がわかれば、いま現在抱えているイライラ不安と言った症状は良くなると思います。

自分がアスペルガー症候群の場合

「アスペルガー症候群だから悪い!」というわけではありませんが、自分の特性が、知らず知らずのうちにパートナーや子どもを傷つけている可能性があります。

 

発達障害を受け入れるのはとても勇気がいることです。

 

勇気を出して「自分はアスペルガー症候群かも知れない」と自覚し、自分の特性を理解して、パートナや子どもへの接し方を変えることができれば、関係は今よりも良くなると思います。

お互いに歩み寄る努力が必要

どちらが悪いという話ではなく、お互いの特性に合わせて接し方を考えたり、適度な距離を保ちながら関係を築いていくことが大事なんだと思いました。

 

いま夫婦関係で悩んでいて、その原因がアスペルガー症候群とカサンドラ症候群の組み合わせということがわかり、お互いに理解して歩み寄ることができれば、関係は必ず良くなると思います。

 

それでは、今日も良い一日を!

ルトラ(@lutraxlutra)でした。

この記事のまとめはこんな感じ!
  1. 多数の事例を交えて、具体的かつ網羅的に書かれている
  2. 毒親・機能不全家族育ちにもタメになる一冊
  3. お互いに歩み寄る努力が必要

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