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『累』の作品情報
監督・脚本 | 監督:佐藤祐市 脚本:黒岩勉 |
ジャンル | ドラマ |
製作年 | 2018年 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 1時間52分 |
補足情報 | – |
『累』のあらすじ
いまは亡き伝説の女優・淵透世(檀れい)。その娘の累(芳根京子)は、母親ゆずりの天才的な演技力を持ちながら、母親とは似ても似つかない醜い容姿のせいで、小さい頃からずっと周囲から孤立していた。
ある日、累の前に母のことをよく知る元舞台演出家・羽生田釿互(浅野忠信)が現れ、若手の美人舞台女優・丹沢ニナ(土屋太鳳)が出演する舞台へと招待される。
演技力がありながらも美貌に恵まれなかった累、圧倒的な美貌を持ちながらも演技力に悩んでいたニナ。
真逆のタイプの2人が出会い、そして、累が母から託された<キスした相手の“顔”を奪い取ることができる>不思議な力を秘めた口紅を使うことで、新たに誕生した“丹沢ニナ”が、人気舞台女優への道を歩み始めるーーー。
『累』のキャスト
- 土屋太鳳
- 芳根京子
- 横山裕
- 筒井真理子
- 生田智子
- 村井國夫
- 檀れい
- 浅野忠信
『累』の感想・評価
圧倒的な演技力を持つ累、圧倒的な美貌を持つニナ、そして一つの口紅が2人の人生を変える
率直に言うと、そこそこ面白かったです。
原作がマンガで既読済みですが、2時間の映画に収まるようにわかりやすく内容を変更したり話の順番を入れ替えたりして、原作未読で映画から入る人にもわかりやすい構成になっていたのは良かったです。
土屋太鳳さんと芳根京子さんによる見た目と中身(心)が入れ替わる演技も、見ているこっちが混乱して頭がおかしくなりそうなくらい上手でした。
ただ、マンガ原作と言うことを加味してしまうと、かなり物足りなかった気がします。
おそらく、この意見はマンガ既読勢なら誰しもが思うことだろうってことが一つあって、それは累役の芳根京子が可愛すぎること。
容姿がそれなりに良い時点で、そもそもの前提がすべて破綻してしまうので、その後の展開に説得力がなくなってしまいます。
映画では顔の大きな傷でごまかそうとしてますが、マンガの累は醜い容姿で小さい頃からいじめられ蔑まれて生きてきた、そしてある事情で顔に大きな傷ができたことで、醜い顔がさらに醜くなってしまった。みたいな流れがあっての美貌への執着なのです。
それが容姿が良いことで美貌への執着がなんだか薄っぺらいものになっていました。
ただ、そこは芳根京子さんの演技力でなんとかなっていたかなって感じです。
あとは、土屋太鳳さんの演技力不足かなと思いました。
元々、土屋太鳳さんはあまり演技が上手なイメージはなかったんですけど、舞台以外の丹沢ニナと、ラストの累が演じる丹沢ニナのダンスパートはすごく良かったです。
ただ、累が演じる丹沢ニナは、圧倒的な演技力を魅せつけなければ映画として面白さが出ないのですが、ここの部分は土屋太鳳さんでは難しかったかなという感じです。
役柄的に負担が大きかったのもあると思いますが・・・。
あとは、上にも少し書きましたが、累がなぜ演じることへの執着や美しくなりたいという願望を強く持っているのかが大事になってくるんですけど、2時間という尺の都合のせいかその部分があまり描かれていなかったので、全体的に内容が軽くなってしまっているのも残念でした。
映画ではなくドラマで丁寧に描いたらもっと面白くなったんだろうなって感じです。
あとは、マンガに比べて横山裕さんのセリフが少なく、演技もあまり上手ではなかったため、天才演出家の烏合うごうが、ただのずっと不機嫌な気難しくて舞台女優にすぐに手を出すスケベな男にしか自分は見えなかったです。
悪いところばっかり言ってるのに何言ってるんだって思われるかもしれませんが、マンガ原作の中では面白かった方なんじゃないかなと思います。
全体で見てしまうとあれこれ疑問に思うところは多かったですが、要所要所で見ると面白い展開も多かったので、トータルで考えるとそこそこ面白かったという感じでした。