【感想・ネタバレ】映画『キャラクター』殺人鬼役・セカオワFukaseの怪演が光るサイコサスペンス【★4.5】

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『キャラクター』作品情報

監督永井聡
出演者菅田将暉
Fukase
高畑充希
中村獅童
小栗旬
中尾明慶
松田洋治
宮崎吐夢
岡部たかし
橋爪淳
小島聖
見上愛
テイ龍進
小木茂光
ジャンルサスペンス
製作年2021年
製作国日本
上映時間2時間5分
補足情報

『キャラクター』あらすじ

漫画家として売れることを夢見る少年・山城圭吾(菅田将暉)。
高い画力がありながらも、お人好しな性格ゆえにリアルで魅力のある悪役キャラクターを描くことができず、万年アシスタント生活を送っていた。
ある日、師匠の依頼で「誰が見ても幸せそうな家」をスケッチしていた際、ふとしたことから建物内へと足を踏み入れてしまう。
そこで彼が目にしたのは、全身を椅子に縛られた状態で死んでいる4人家族の姿だった。
その姿に驚き座り込んでいると、ある男が庭を横切るのを目撃してしまう。
事件の第一発見者として警察の取り調べを受けていたが「犯人の顔は見ていない」と嘘をつく。
そして、その犯人を基に殺人鬼の主人公・ダガーを生み出し、サスペンス漫画『34(さんじゅうし)』を描き始め、その漫画は異例の大ヒットとなる。
夢を叶えた山城をよそに、第二の一家殺人事件が起こってしまい、現場の様子や殺害方法が『34』に描かれたものと酷似していたーーー。

『キャラクター』感想・ネタバレ・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (4.5)

タイトルのシンプルさに騙されることなかれ


正直、『キャラクター』というタイトルを見て「面白いのか?」とは思ったが、主演が菅田将暉ということで何気なく見てみたら当初の予想を裏切りかなり面白かった。
主役の菅田将暉をはじめとし、その周りを固めた妻役の高畑充希、刑事役の小栗旬などの演技派・個性派俳優たち存分に個性と演技力を発揮し、作品の面白さより一層際立てていたように思えた。
そして、この作品の肝と言ってもいい、サイコパスの殺人鬼を演じるのがSEKAI NO OWARIのボーカルであるFukaseだ。
彼なしではこの作品は成り立たなかったといっても過言ではないくらい、映画初出演とは思えない演技力と個性を発揮していた。

サスペンスの殺人鬼役は、演技力も知名度もある俳優を起用すると、他の作品のイメージが強すぎて感情に移入できなかったりする。
だからといって無名で演技力がある俳優を起用しても、個性派俳優たちと噛み合うとは限らない。
だが、彼は持ち前の個性に加え、巧みな演技力や表現力、独特な世界観によって見事にサイコパスの殺人鬼役を演じきっていた。


細かいストーリーはツッコミどころはあるが、それも加味しても評価は4.5で、見てよかったと思うし、「邦画のサスペンスでおすすめある?」と聞かれたらこの作品を紹介したいくらいとても面白かった。

ただ、一つ注意してもらいたいのが“グロい”のが苦手な人にはおすすめしない。
海外のスプラッター映画のようなわかりやすいグロさではなく、“リアルで生々しいグロさ”が表現されている。
殺人の詳細な描写はほぼ描かれないのだが、夫婦・子供2人の4人一家が全身を縛られ殺されるという凄惨な現場が劇中で何度も登場するので、ちょっと心に来るものがある。
なんなら、殺人の詳細な描写があった方がまだマシとさえ思える。
その方が、映画のワンシーンとして捉えられるので冷静に見ることができそうだが、実際は幸せな家庭を見せられた数分後に凄惨な現場だけが映し出されるので、そのギャップで生々しさを強く感じた。

あくまで映画・一つの作品としては面白かったのだが、これから見る予定の人は気を付けて見て欲しい。