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『残酷で異常』の作品情報
監督・脚本 | 監督:マーリン・ダービズビック 脚本:マーリン・ダービズビック |
ジャンル | サスペンス |
製作年 | 2014年 |
製作国 | カナダ |
上映時間 | 1時間35分 |
補足情報 | 原題:Cruel & Unusual |
『残酷で異常』のあらすじ
エドガー(デヴィッド・リッチモンド=ペック)は、トイレの床に倒れている妻・メイロン(ベルナデッタ・サクイバル)に心臓マッサージを施していた。
その途中、エドガー自身も何らかの発作により意識を失ってしまうが、目が覚めると倒れていたはずのメイロンと一緒に車を運転していた。
突然の状況に動揺するエドガーだったが、その後はいつも通りの日常を過ごし、自分の部屋に入ろうとする瞬間、今度はアパートの廊下のような場所に瞬間移動してしまう。
腕には見覚えの無い謎の記号、大部屋に移動するとそこには大勢の人々が座っていて、テレビに映る謎の老婆が「あなたを待っていたのよ」と話しかけてくる。
その謎の施設に導かれた人間は、全員が生前に誰かを殺した経験があり、その殺した状況を何度も体験するために閉じ込められているのだったーーー。
『残酷で異常』のキャスト
- デヴィッド・リッチモンド=ペック
- ベルナデッタ・サクイバル
- ミシェル・ハリソン
『残酷で異常』の感想・評価
妻殺しの状況を延々とループするタイムループサスペンス
妻を殺した男が謎の施設(非現実世界)に収監され、人前での罪の告白と殺しの状況を延々とループさせることで、自分の罪を認めて受け入れていく話。
序盤の30分くらいまでは謎が明らかにされることもなく、割と退屈で眠たくなった。
ただ、中盤からは多角的な視点で徐々に話が明らかになっていく様子が、まるでパズルにピースを当てはめていく感じがして心地いい。
この映画を観て感じたのは、人は自分が犯した過ちを認めるためには、過去の出来事を繰り返し追体験しながら現実を受け入れていかなければならないのだなということ。
追体験する前の主人公は、「妻を殺したのは事故だった!それに先に自分を殺そうとしたのは妻の方だ!(だから仕方がない)」といったように、被害者意識が強い男は何度追体験しても自分が妻を殺したことを認めない、あくまで“事故”だったと主張する。
ただ、何度も何度も追体験を繰り返すことで、妻が自分を殺そうとしたのは自分に原因があったこと、妻を殺す前の段階で妻に対して殺意を抱いていたこと、殺している最中もその殺意は抱き続け、結果的に自分の意志で妻を殺していたことをついに自覚する。
こうやって追体験を繰り返すことで、自分が無意識に隠してた意識(この映画の場合、故意的な殺人ではなく、あくまで事故だったという認識)を正しく認識させることで、男は罪を認め、反省するに至った。
これはあくまで映画の話だけど、現実世界で犯罪を犯した人間を2種類に分けるとすると、「すぐに罪を認め反省する人」と「いつまで経っても罪を認めず反省しない人間」がいると思うので、後者の人間にはこのシステムを適用できたらいいのにと思った。
あとは、時間が経つと罪の意識が薄れると思うので、そういった人間に再度、罪を認識させるためにシステムを利用できたらいいのにとも思った。
ただ、シリアルキラーやサイコパスにとっては、自分が殺した状況を何度も再現するのは逆にメリットだと思うので、そいつらにシステムを利用するのはなし。
ちょっと話が逸れちゃったけど、この映画では「自分が犯した過ちを認めさせ、ちゃんと反省させること」を目的としてタイムループしてる(と自分は解釈した)ので、細かいギミックは気になったとしても、タイムループものの映画としてはそこそこ面白かった。
原題の『Cruel & Unusual』は、アメリカ合衆国憲法修正第8条に”cruel and unusual punishments [shall not be] inflicted.(残酷で異常な刑罰を課されることはない)”から持ってきてるのかな?
邦題の『残酷で異常』は原題の直訳で、Cruel(残酷)とUnusual(普通ではない、異常)を合わせたもの。