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こんにちは、ルトラ(@lutraxlutra)です。
今回は、おおたとしまささん著『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち』をご紹介したいと思います。
いま子育て中の方も子どもを持つ前の方にも、自分は虐待とは無関係だとは思わず、知らず知らずのうちに我が子に虐待してしまわないように、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
・「どこまでの厳しさを教育虐待と言うのか」
・「教育虐待を受けると子どもにどんな影響があるのか」
・「その影響が大人になった時どのように本人を苦しめるのか」
そして一番の問題である
“教育虐待がなぜ起こるのか?”
その理由を、教育虐待によって追い詰められた子どもたちの豊富な実体験や、教育の歴史を基に紐解いていきます。
- 教育虐待とは何かを知りたい人
- 子どもの教育について悩んでいる人
- 親からの「しつけ」や「教育」に悩んでいる人
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目次(タップして移動)
書籍の説明
著者について
おおたとしまさ
育児・教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。株式会社リクルートで雑誌編集に携わる。心理カウンセラーとしての活動経験、中高の教員免許、私立小学校での教員経験もある。
長男誕生後、「こどもが”パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と、2005年に独立後、育児誌、教育誌、妊婦誌、旅行誌などのデスク・監修を務め、現在は育児・教育・夫婦のパートナーシップなどに関する書籍やコラム執筆、講演活動を行う。ラジオレギュラー出演など、各種メディアへの寄稿、コメント掲載、出演も多数。Amazon 著者についての詳細 略歴より
書籍の内容・あらすじ
社会問題化しつつある「教育虐待」の実態に、教育ジャーナリストが迫る!
「教育虐待」とは、
「あなたのため」という大義名分のもとに親が子に行う
いきすぎた「しつけ」や「教育」のこと。
子どもの限度を超えて勉強や習い事をさせるなど、
親が過干渉し、結果が悪いと暴力につながることもある。「あなたのため」という言葉を武器に追いつめる親と、
「生きづらさ」を感じて自分らしく生きられなくなった子ども。
どこまでの厳しさは許されてどこからが教育虐待なのか、
教育虐待を受けて育つとどうなるのか……。気鋭の教育ジャーナリストが壮絶な現場に迫り、
その闇を照らす「救済の書」。Amazon 商品の説明 内容より
書籍の目次
はじめに
第1章 「あなたのため」という呪い
- 勉強以外のことをするな
- 母親が悔しがる姿を見たかった
- 自分の中に棲み着いたもう一人の自分
- 「母親という名の宗教」との決別
- それがあなたのためなのよ
- 社会人になってから、うつ病を発症
- 母親も被害者だった!?
第2章 第一志望に合格しても癒えぬ傷
- 毛根を食べるようになった息子
- 塾の宿題が終わらず家出
- 親の過干渉から逃れるために高校を中退
- 息子の窮地を救った父親の手紙
- 母親への恐怖で発作を起こしてしまった弟
第3章 摂食障害や万引きというSOS
- 家庭教師による罵声・暴言
- ここは私が選んだ場所じゃない
- 反抗期の代わりに表れた摂食障害
- 娘のためにコーチングを学び、救われる
- 百科事典で父親をめった打ちにする夢
- 万引き・窃盗・いたずら電話はSOS
- 親子関係は修復できる
- 居場所さえあればなんとかなる
第4章 シェルター保護は女子が圧倒的多数
- リスクは女子のほうが大きい
- 逃げられただけでも偉い
- 教育的指導と虐待の違いは何か?
- 虐待の裾野が広がっている
- 「出て行け」は「死ね」と同じ意味
第5章 スパルタ教育での〝成功〟は美談か?
- 裕福な家庭に起こる虐待
- 絵本の多読は大人のエゴ
- なぜ「体罰」をしてはいけないのか?
- かつて、日本は子どもの「楽園」だった
- 「教育虐待」という言葉のインパクト
第6章 理性の皮を被った感情の暴走
- 受験は終わったのに、自殺
- 「どうしてできないの?」という凶器
- 親の怒りを正当化する「約束」
- わが子が弱いということを許せない弱さ
- 成功体験と屈辱体験のハイブリッド
第7章 最凶の教育虐待を生む二つの機能不全
- 「学歴」はフェアな通行手形だった
- 大切なのは「正解」をつくり出す力
- 親の手柄より、子どもの器
- ビジネスの原理が教育を汚染する
- 「人材育成」と「教育」は似て非なるもの
- やっかいなのは、家族の機能不全
- プロの力を借りることも必要
第8章 結局のところ、親は無力でいい
- 「非行」は言葉にならないSOS
- いっしょにオロオロするだけでいい
- 子どもは自分の言葉に命を乗せる
- 「子どもは社会の宝」の二つの意味
- 大人が自由に耐えられなければ子どもの人権は守れない
おわりに
読了時間の目安
ページ数は約198ページで、読了時間の目安は約2時間30分です。
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書籍感想・ネタバレ・評価
「教育虐待」という比較的新しい虐待の概念によって、親から受けた理不尽な扱いについて、自分の中のモヤモヤとした気持ちを過不足なく言語化してもらえたような本でした。
教育虐待とは、正確には“心理的虐待”の一種であると考えられますが、心理的虐待という言葉は一般的にはまだ浸透していません。
一般的に認知されている子どもへの虐待(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト・育児放棄)は外から見ても比較的気付きやすかったり、本人の口から語られることで明らかな虐待とわかることが多いです。
しかし、心理虐待については親は虐待している自覚が、子どもは虐待されている自覚が薄いため、大人になったあとに気が付くことが多いです。
「なんだか生きづらいな」「この生きづらさは何が原因なんだろう」と考え、原因を辿っていくと、“親による心理的虐待”が原因だったということがわかります。
親から子への「しつけ」や「教育」は見過ごされやすいですが、子どもに対して確実に虐待としての傷を残し、大人になってもはっきりとしない生きづらさに悩まされる人が多いのが現状です。
これから子育てする親は「自分が毒親にならないため」
いま子育てしている親は「自分が虐待していないか見つめ直すため」
生きづらさを抱えている人は「その生きづらさの原因をはっきりとさあせるために」
これ以上、心理的虐待による加害者・被害者を増やさないためにも、ぜひこの本を読んでもらいたいです。
自戒を込めて、ずっと心に刻んでおきたい言葉を1つご紹介して、この記事を締めたいと思います。
自分の理想を子に押しつけるのではなく、ありのままの子どもを認めてあげればいい。
おおたとしまさ『ルポ教育虐待毒親と追いつめられる子どもたち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン・2019年)
親の理想を押し付けられ
自分のやりたいことをやらせてもらえず
親の言うことだけを聞いてきて育ってしまった子どもたちにとって
“自分のありのままを認めてもらえる”
これだけで救われる子がどれだけいることだろうか。
「ありのままを認めてあげる」
つまり、“その子の存在を無条件に肯定してあげる”ということです。
あくまで親の理想は親のための、子どもの理想ではない。
子どもを「親の理想を叶えるための道具」として利用しないためにも、この言葉はずっと覚えておきたいです。
それでは、今日も良い一日を!
ルトラ(@lutraxlutra)でした。
- 心理的虐待は、加害者の親も被害者の子も自覚しづらい
- 親の理想を押し付けない
- 子どものありのままを認めてあげる
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