「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」という“誰も幸せにしない”呪いの言葉

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みなさんは「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」という価値観についてどう考えているだろうか。

今では出産時に麻酔を使った無痛分娩を行うことに対しての風当たりは少なくなってきている気がする。

それでも、ネットの相談掲示板で「母親に『お腹を痛めて産んだ』と言われた」という書き込みがあったりと、一部の人間の中にはこういった考えがまだ残っているようだ。

 

実際に自分も、母親に同じような言葉を言われたことがある。

詳しくは覚えていないが、喧嘩の際に母親のことを批判したとき「せっかくお腹を痛めて産んだのに」と言われた。

当時も今も変わらずに「なんて恩着せがましい言葉なんだ」と思っている。

 

そこで、「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」という考えについて思ったことを書いてみたいと思う。

「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」と思い込む親の謎

なぜ、一部の親は「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」と思い込んでいるのだろうか?

考えられる理由は二つあって、

 

一つ目の理由は、自分の親に「お腹を痛めて産んだからかわいい」と何回も言われてきたから。

これによって一種の洗脳のよう「お腹を痛めて産んだ方がかわいいんだ!」と勘違いするようになったんだと思う。

 

二つ目の理由は、「自尊心を保つため」である。

これは子育てが上手くいかなかったり、育て方について周りにダメだしされたりして辛い時に「(現状は辛いことや不満ばかりだけど)お腹を痛めて産んだんだから自分はよくやってる」と自分の辛さを紛らわし、精神を穏やかにするために自分に言い聞かせているのだろう。

「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」と相手に言う親

他人がお腹を痛めて産もうが産むまいが関係ないはずなのに、「どうしてこんな余計なことを言ってくるのだろうか?」「どういう神経をしているのだろうか?」と考えてみたけど、結論「マウントを取りたいから」だと思う。

 

マウントを取らなきゃやってられないくらい、家庭や子どもの現状に不安や不満があり、そんな自分のストレスを他者にぶつけている。

  • 「自分は出産の痛みを知っている母親」
  • 「大変な思いをした分、子どもに愛情を与えられる母親」
  • 「自分はあんなに辛い思いをしたのに楽して産みやがって!」
  • 「出産の痛みから逃げる人間はこの先の辛いことから逃げる」

などの考えから、心の平穏を保つためにマウントを取っているのかなと思う。

そもそも、出産するまでも大変な思いをしてるよね?

男だから想像の範囲内でしかわからないが、

  • 子どもが大きくなるにつれて体が怠さを感じるようになったり
  • ホルモンバランスが乱れて体調や心に影響が出たり
  • 子育てという新しいことへの不安があったり
  • お腹の中にいる子どもに何かあったらどうしようという心配があったり
  • 出産の不安とか

出産の時以外にも数え切れないほどの不安を抱えながら子どもを育ててきたはず。

それまでの時間の方が出産している時間よりも圧倒的に長いのに、出産のタイミングだけ通常よりも痛い思いをしなかっただけで非難される意味がまったく理解できない。

「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」の理屈が通ってしまったら、父親や養子の子はどうなるの?

親になるのは母親だけではないし、育てられた子どもが実の母親から生まれたとも限らない。

なので、父親や養子を育てている親はが自分の子のことをお腹を痛めていない分、「母親や実の両親より愛情が薄くなるのか?」と聞かれたら到底そうは思えない。

 

子に対する愛情は、長い時間かけて向き合い続けた結果、少しずつ芽生えてくるものだと思っているので、愛情の多寡が痛みの有無で左右されるわけではないと考えている。

まとめ:痛みの強さで愛情の多寡は決まらない

「お腹を痛めて産んだ子の方がかわいい」という

「辛い思いをしたり痛みを我慢した分だけ強くなれる」的な古臭い考え方は、

  • 「暴力や暴言に耐えれば強い子になれる」
  • 「痛みから逃げたら弱い人間になる」
  • 「この会社でやっていけないなら他でもやっていけない」
  • 「ここで辞めたら逃げグセが付く」

といった昔の学校や家庭、今のブラック企業でありがちな“パワハラ”みたいな考え方に似ている。

 

自分より楽した(かもしれない)人に“自分は頑張ったマウント”を取るよりも「昔はつらくて大変だったことも、技術の進歩で楽になったのは良いことだ」と喜べる人間でありたいなと思う。

 

今日はこの辺で、またねっ!